中国ベンチャーに学ぶ・贰拾叁「進化するAIキャラクター」

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🔳進化するAIキャラクターと”人格化”

2020年7月、上海で開催された世界人工知能大会(WAIC)で、その開幕式において多くの人工知能(AI)が「智連家園」というテーマ曲を合唱したことが話題になりました。AIが合唱?ちょっと内容が気になりますね。

ARやVRで少しずつ身近になりつつある”バーチャル”の産物として、3Dアニメーションでビジュアルと動きを人間に寄せたバーチャルなキャラクターが人気を集めています。日本でも最近はバーチャルアイドルなどの呼び名で、プログラミング+リアルな人間によるセンサー制御による動作+音声インタラクティブ性のあるコミュニケーション手段を持つコンテンツサービスが人気を博していますが、中国ではAI 技術でこのバーチャルアイドルのような人物に能力を授け(学習し)育てることで、本職として成り立たせるような演出を用いた仕掛けを施し、世間の話題を集めることに成功しています。

AIアイドル

AI バーチャルアイドル「Ling」 Image credit: Xmov(魔珐科技)

冒頭のAIが合唱した、というのは、バーチャルな空間でこういったキャラクターたちが集まりテーマ曲を合唱したイベントに仕立てた、という事です。

驚くことに、このテーマ曲「智連家園」を作曲したのは、実はマイクロソフト製のAI「小氷(シャオアイス)」なのです。つまり、「智連家園」の作曲者として名前がクレジットされるAI作家、ということになります。

AIが作った曲をAIが合唱した、というのは恐らくオフィシャルな取り組みとしては人類初なのではないでしょうか。

小氷は、上海音楽学院音楽工程学部2020年度の「名誉卒業生」ということですので、音楽学校卒業という学歴を持ったことになります。「智連家園」の作曲については、

"2020世界人工知能大会のテーマ及び関連資料からインスピレーションを得て、この曲のメロディーを作った"

とのことで、主な作業はすべてAIが行い、曲の効果をさらに高めるために人の手で編曲アレンジが加えられて完成したと小氷のチームが述べています。

そこから更に進化が進み、現在では
・一定の長さの文章や1枚の写真から作曲をする
・そのスタイルやリズムに合わせて自動的に楽器を選択する
・作曲だけでなく、作詞や編曲もする
・2分以内に3分ほどの完全な曲を作ることができる

と、もはや作曲家やミュージシャンといえる能力を持ち合わせています。

メロディーの創作や編曲、和音(コード)の配列構造には一定のルールが存在する為、そのルールを学習することで、与えられたデータ・情報により音楽作品を創作することができる為、これらの能力を得ることが出来ました。

現在の音楽は、DTM(デスクトップミュージック)と言われる、パソコンで音楽制作の全てをデジタルで処理して完成させるワンストップで完結できる手法が人気ですが、AIが力をつけることで新しい音楽の在り方、創り方が編み出され、AIと共に生まれていくのかもしれません。

音楽が本来持っている芸術性や、人間の感受性、思考力といったポイントからは少し離れてはしまいますが、他分野と違わず、新しいテクノロジーと革新的なデジタルイノベーションが音楽の世界にも歩み寄っていることが証明された一つの事例と言えるのではないでしょうか。

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「人民網日本語版」より抜粋 2020年7月16日


大手 IT リサーチ会社 IDCによると、自社でリリースした「中国の人工知能ソフトウェア・アプリケーション2019年後期版」の中で、

"AI ソフトウェア・アプリケーション市場は2024年までに127億5,000万米ドルに達し、年平均成長率は39.9%になる"

という予想を立てています。

国家主導で推進する中国人工知能の市場においては、コンピュータビジョン(画像解析)や音声認識市場が大きく成長しており、それに伴って顔認証技術やチャットボット、スマートスピーカーなどのIoT家電と、画像・音声との相性が良いサービスが増え、セキュリティの向上やスマートシティへの活用など有意義な使い方にだんだんと広がり、生活に浸透し出しています。

新華社がローンチした3D・AIのニュースアナウンサー「Xin Xiaowei(新小微)」も面白い取り組みです。新華社と検索エンジンを運営するSogou(搜狗)によって共同開発されたXin Xiaoweiは、まばたき、まつげ、頭の動き等を360度人間のように3Dと最先端AI技術で忠実に再現されており、よりリアリティー度の高いAIアナウンサーが誕生しているというから驚きです。

AIアナウンサー

Image Credit : Sogou(搜狗)

中国のAIがもたらす新しい文化や産業は間違いなく日本に影響を与え、これからのAI技術の進化は、中国の後ろを追いかけていくことになるでしょう。

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