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第2回ファシリテーションを仕事にする理由

最終更新日>2022/3/27

みなさんこんにちは。鹿児島出身、愛媛在住のファシリテーターのいわし〜です。前回の記事でもお話しましたが、改めて。2021年の抱負は自分自身を深堀し「なぜ」を問う年にしたいと思っています。自分自身に問うことは大きく4つ🙌

1)なぜファシリテーションをしているのか(←今ココ!)
2)なせ私がグラフィックを用いるようになったのか
3)なぜファシリテーション×グラフィックになっていったのか
4)なぜ今の働き方(パラレルワーク)をしているのか

1つの項目を2記事にしてお送りします✨


❏ファシリテーションを仕事にした今興味があること

―ここまではこれまでの活動とかファシリテーションに対する振り返りの部分を聞いてきたんですけど、そんな経験を経た今、興味があることってありますか?
「ワークショップの企画とかグラレコの仕事に携わってから思うのは”空間作り”をやりたいんだなって思います。スナックやりたいって結構真面目に考えてます」

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―スナックっていうアイデアはどこから来たんですか?
「お客さんがママに気持ちをゆるく相談できるというか。それって安全な場所だという気持ちがお客さんにないと話せないし、なんかそういう場作りとかファシリの要素がスナックにはあるんだろうなって思ったところからですかね。確信は全然ないんですけど」

―たしかにスナックのママの仕事ってそのまんまファシリテーションですよね。
「そうなんですよね。場作りへの関心とか必要性を感じる場面が増えてきたっていうのもあると思うんですよね」

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手書きイラスト:友人と一緒にカレー×スナックしたいと盛り上がったときのメモ

ー場作りへの関心はどんなところから生まれたんですか?
「さっきの問の話ともつながるんですけど、そもそも問って”参加者の人たち”っていう複数の人たちの中の対話を活性化を促すために問いを立てるんだと思ってるんです。そうなると、まずは私も含めた参加者同士が”発言しやすい空間をどう作るか”ってところが大切だと感じ始めたのがきっかけですね。」

ーそうか。そこも問との関係性があるんですね。
「必ずしも議論をみんなで机をグルッと囲んで椅子に座って会議室でやらなきゃいけないなんてことはないと思うんです。なので私は外に出てみんなで話すこともあるし、椅子じゃなくて畳の部屋で座ってやることもあるし、実際の現場で話し合うこともある。そういう点でも、参加者の人が発言しやすい空間ってどんなところなんだろうっていうのは大事にしてます。」

ーすごい自由に場作りを捉えてるんですね。
「自由ですね。なんか外に出なくても、机を斜めにするとか、ちょっとしたことでも話し手聞き手の視点が変わり、対話のしやすい場づくりにつながると思っています。そういう場の中で相手に親近感を抱いたり、興味を持ったり、価値観が似てるとか参加者同士がお互いを知りたくなるような場作りを心がけてます。」

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❏誰が話しているのか

ー今の話を聞いていて、場の外と中っていう視点を行き来しながらファシリテーションしているんだなと感じました。
「視点はいろんな捉え方をすることが大事だなと感じます。私も参加者の一人でもあるので『今の難しくなかったですか?』みたいに一緒になる視点と、それぞれがどういう方向で話しているのかとか関心があるのかみたいな視点もありますね。そこと並行してそれぞれの個性や強みを知ることが大事でもあるので」

ー参加者の個性の部分ですか?
「なんか私はゲームも好きなのでRPG的な捉え方をしていて、全員が戦士とか僧侶とかだとどうしてもバランス悪くなるし、先に進むのが難しくなるポイントがあるんです。そのポイントで魔法使いとか武道家とか色んな個性とか強みがあると、アイデアも生まれるし、またそこに個性が掛け合わさることで議論も活性化して結果的に参加者の方の満足度とか、目的達成につながるという実感があるんですよね。」

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手書きイラスト:PRGのキャラのようにいろんな属性の人が会議にはいる

ーすごいさやかさんらしい捉え方ですね(笑)
「なのかな?って思います(笑)」

ーそこの先に進むのが難しくなるポイントって予め把握できたりするんですか?
「それは無理ですね!予測はある程度できますけど、把握は無理です。」

ー例えばファシリテーションをしててそういう予期せぬ場面に出会ったときってどうしてるんですか?
「どうしてるかな・・・うーん・・・見てることが多いかな。」

ー見てる?
「あー燃えちゃったなー。って(笑)」

ーそれすごいですね。見てるのって苦しくないんですか?
「うーん苦しいというかしょうがないなって。議論が荒れるとか、参加者の人が発言しなくなるとか、全員が黙っちゃうとかは今まであったし、さっきまで平和な草原でレジャーシート広げて楽しく話してたのに、いきなり焼け野原みたいになることもあるし。そこで感情的になって焦ってもしょうがないので、一旦事実として受け止めてるのかなって思います」

ーそれっていきなりできました?
「もちろん無理です(笑)」

ー事実として受け止めることを意識したきっかけとかってありますか?
「きっかけでいうと、ファシリテーションから離れてる間に、いくつかワークショップに参加者として出たことがあって、その中でうまくいかないワークショップを見たことがあったんです。参加者が置き去りとか、放棄しちゃうとか、タイムスケジュールもきれいに提示されているのにまったくその通りに進まないとかそういう事例を見て、あとから成功事例と比較したことが事実として受け止めることにつながってると思います」

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ーなるほど。
「そういう経験をしてきたからこそ事実として捉えることが大事だと気づいたし、空間として捉えるようになったというのもあるなと思います。さっきの事実として捉える部分も経験してなかったら焦るし、今でも不安にはなるんですけどファシリテーションの考え方として議論のプロセス(※ファシリテーションの5つのプロセス→リンク)を知ったので、人も場も流動的だし把握は無理でも、まずは事実を見て受け止めて、整えられるところから整えていくということをするようになりました。」

❏場作りと空間作り

ーお話を聞いてると、空間作りと場作りを別で捉えてるのかなと感じたんですけど、どういうふうに分けてるとかありますか?
さ「場作りは物理的な部分だと思ってて、机の配置とか、時間とか、さっきの話の場所とか、お菓子をおいたり、何人ぐらいでやるのかとかの部分です。空間作りは場に人の感情が上乗せされた状態って捉えてます。」

ー場作りは想定できるイメージですか?
さ「そうですね。計画を立てて作る部分です。」

ー空間作りは場と人の掛け算?みたいなイメージですか?
さ「掛け算の部分もあるし、足し算だったり引き算だったりみたいな(笑)空間は作る人によって一番色が出ると思っていて、私の色もあるし、こんちゃんもあるし、ここ(コダテル※)の濱田さんの色もあるんです。私はテキパキとした空間を作る傾向があるなと思うんですけど、それが万能ではないし内容によって合うとか合わないはあると思います。」

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写真:八幡浜市のコアーキングスペース「コダテル」にて
※今回こんちゃんといわしーはコダテルのスペースを借りて話しています。

ーその自分の空間作りの色を踏まえて準備とか計画を進めていく?
「準備はしますね。掛け算でいうと事前に参加者の人と話したり、背景をリサーチすることでその人がどんな人なのかを調べることで計画の誤差を調整するみたいな部分はあります。場作りもそうなんですけど、私との関係性とか、相手を知ることで、いかに参加者の人が発言しやすい空間を作るかって所は常に試行錯誤をしています。」

❏私にとってのファシリテーション

ー想定外を楽しむって所をちょっと聞いていきたいんですけど、人によっては計画通りにいかないと空間とか計画を作ることを楽しめない人もいると思うんですけど、さやかさんはどうして楽しめているんだと思いますか?
「うーん・・・確かに怖いと思ったり不安になることはあるんですけど・・・やっぱり楽しいですね。」

ーその楽しいを一番感じる場面ってどんなところですか?
「参加者の人が、帰り道でお互いについて話しながら帰っているのを見てるときですね」

ーお互いについて話す?
「参加者の満足度の高い会議って終わってから自分と相手を見つめ直して考えたくなる会議だなと考えているので、議論が終わった後も参加者の人が飲み会でお互いのことを知るために話したり、帰り道に話してる姿を見ると私はうれしいです。」

ーさっきのリサーチの部分でも参加者の人に積極的に話しかけるさやかさんがいて、でも学生時代のさやかさんは人見知りだったと。
「そうですね。」

ー場作りの場面でもいかに参加者の人が話しやすい環境を話すかを心がけている。
「心がけてます。」

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手書きイラスト:自由でオープンな安心感を形成した空間づくりイメージ

ーそういう学生時代から今までの変化を含めて、さやかさんにとってファシリテーションってどういうとこがおもしろいですか?
「うーん、一緒に道筋を考えることかな?やりたいことがある。そこで会議をしなきゃいけない。でもどうやって会議をしたらいいかわからない。そういう人は多分たくさんいるんだと思うんです。そこで”こういうやり方があるよ”みたいなことを一緒に考えるところがおもしろいですね。これも昔からではなくて自分でうまくいったなという部分とか、もっとこうしたかったを自分で分析していくこともおもしろいです。」

ーそのために参加者と話すし、話しやすい環境について考える
「じゃないと一緒に参加できないし、今話してて思ったのは自分が会議で発言できなくて苦しかったっていう経験があるからだと思います。」

ーなるほど。自分が経験してきたから。
「ファシリテーションの本質の部分で言うと目的に向かって目標を立てていくことだから。でも私はみんなの意見を拾い上げることを重視しているんです。今でも何にも発言しない人を見てるのは辛くて。だから会議の間は全員がフラットに話せる空間作りをしたいと思っているんだと思います。」

ーさやかさんにとっての理想のファシリテーションのビジョンとかってありますか?
「まだ明確な感じではないんですけど、なんかガイドみたいな感じですね」

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手書きイラスト:目標や時間を掲示して会議のゴールまでしっかり伴走

ーここで高校時代の夢と近い言葉である”ガイド”が出てきましたね
「あー確かに(笑)でも道筋とか道標を一緒に作ったり、あとは開拓したあとの道を整えるのも好きですね。伴走ってイメージかな?」

ー伴走は僕もしっくりきました(笑)
「よかった(笑)ガイドって言葉から思いつくのはバスガイドとかより、空港でバスを”こっちだよー”っていうガイドさんのイメージのほうが近いかも。」

ー案内するイメージなんですね。
「案内は近いですね!」

ーさやかさんの場合、実際のファシリテーションだけではなく企画から携わることも多いと思うのですが企画の場合はどんなイメージですか?
「そこの部分はプランニングの部分と言うか、行きたい場所とかやってみたいことを聞いて、こんな旅行プランがあるよみたいなイメージ」

ー1人で旅行代理店をやってる?(笑)
「言われてみると一人旅行代理店ですね(笑)」

❏会議や対話をガイドする

ーここまで過去から今感じてるファシリテーションという仕事に対する思いを聞いてきたんですけど、さやかさんが今感じるファシリテーションの魅力ってどんなところにありますか?
「年齢とか所属とかに関わらず、フラットに話せる空間を作りだせるところだと思います」

ーじゃあ最初の問に戻るんですけど、今さやかさんがファシリテーションを仕事にする理由ってなんですか?
「今思うのは、私は会議とか対話の部分で困っている人のガイドをしたいんだなって思うんです。今も色んな人の目標を聞くことがあって、やりたいことがある。でも会議とか対話の部分で課題があってやりたいことが叶えられない。そこに私はファシリテーターとして参加して、目標までの道筋を作ったり、整理する。そのために相手を知ることも、場作りも、空間作りも必要だからやる。それがファシリテーションを仕事にする理由です。」

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取材・執筆:こんちゃん
写真:安藤里実さん 大西未央さん

ー第3回に続く

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