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カジュアル統率者戦ローカルルール案 【ゴロゴロEDH】

『当記事の目的』


 カジュアル統率者の円滑かつ快適なプレイを目的としている。
 以下の記事、並びに引用した画像でいうレベル帯の調整を目的としている。

上記サイトより引用。


上記サイトより引用。

 厳密には異なるが、当記事では『「5~6」≒「BATTLE」』として暫定・分類する。
 記事作成の動機として、各プレイヤーのレベル認識の違いによって参入障壁・プレイ体験の住み分けが困難であるため。

 「《ガイア揺籃の地》も《魔力の墓所》も入っているがカジュアルである」
 「レベル6だとしても《魔力の墓所》とか《宝石の睡蓮》は入れるでしょ」
 ……などなど。
 筆者の感覚とは逸脱していますが、公式の明確な基準がないため、上述のような意見は間違いではありませんし、それに違和感を抱く筆者にしてもそうです。

 とはいえ、周囲のプレイヤーが高額カードを使う場合、
 未所持のプレイヤーは『自分も買う』・『無くても戦えるデッキを使う』・『勝率が低いことに目をつぶる』・『そのコミュニティから去る』など、カジュアルで気楽とは言い難い選択肢を強いられやすく、筆者としては現実的な参入障壁であると認識しています。
 念のため注釈ですが、高額化・高パワー化そのものは、全員が賛同しているコミュニティならば問題ない。
 
上記記事でも書かれるように、互いの住み分けのためのルールであり、以上でも以下でもない。
 当ルールは、気楽に遊べるカジュアルEDHを目指すハウスルールです


 規定に際して多くの意見・記事を参考にし、影響を受けましたが、特に大きなウェイトを上記の記事から参照しています。
 この場を借りて、秀逸なルールを提案・体系化しているクロタカさんへ感謝と敬意を表明させていただきます。

『このルールの特徴』

 このルールは以下のような人に向けて調整されています。
 「高額カードは買いたくないor買えない」
 「初心者に高額カードがないと楽しめないと感じさせたくない」
 「長く気楽に誰でも楽しめるカジュアルさが欲しい」
 「(応用として)高額カードがなくても競技的な勝利を追求したい」
 など、参入障壁の低い牧歌的な統率者戦を嗜好する方にお勧めです。

 このルールは以下のような人には向いていません。
 「パワーカードを盤面に叩きつけたい」
 「高額パワーカードを見せつけ、高額カード未所持プレイヤーに素晴らしさを啓蒙したい」
 「大会で実績を挙げているような完成度の高いリストを使いたい」
 「短く緊張感あるゲームを繰り返したい」
 など、苦労してデッキを組みあげ、刹那的な統率者戦を目指す方には向いていません。

 前者の方は、下記のルールを参考にしていただきつつも、各コミュニティごとに改造していただければよろしいかと思います。
 後者の方は、規定のないルールでの大会などで腕を競うか、特にルールを定めないコミュニティでは自然とその傾向になるように思います。


『クソ長いので概略まとめ』

 ・ゲストプレイヤーは、『おおよそ5~6』で参加しても良い。
 ・だいたい5000円より高いカードは禁止。入ってたら『統率の塔』として扱う。
 ・土地以外をサーチできるカードは4枚まで。
 (「~~との共闘」のような名指しカードは数に含まれない)
 ・2枚以内でのリーサルコンボの禁止。
 (無限マナなどそれ単独では勝たない無限コンボはその限りじゃない)
 (統率者を含む3枚リーサルコンボをしたいならサーチカードは2枚までに減る)
 ・追加ターンは1デッキに1枚まで。
 ・マナ基盤への妨害カードは原則禁止。
 ・このルールでも強くは組めるけど、カジュアルとしての構築を。
 ・逆に低価格で競技的なルールとして遊びたいならメンバー同士でちゃんと事前相談を。

 以下目次。



・第一条『ゲストは自己申告で5~6であれば達成しているものとする』

 フリープレイの場に初めて来たプレイヤー(以下ゲストと呼称)に関してはその場でカードを入れ替えるのは非現実的であるし、ゲームに参加いただいて構わない。
 複数回遊ぶのであれば不平等感の削減と、次なるゲストのためにハウスルールに準拠したデッキを求める。
 可能であれば、次項の『《統率の塔》プロキシ』ルール適応を求める。

 

・第二条『5000円以上のカードの禁止』

 高額カードの所有如何によるプレイ体験のトラウマ化防止と参入障壁の緩和を目的をしています。

 金額に関してはウィズダムギルドさんを指針とします。

 ウィズダムギルドさんで一ヶ月以内でトリム平均が5000円以下だった瞬間があるカードはセーフとします。
 とはいえ、金額に関してはおおよそで大丈夫です。
 久々に参加したら5100円になってたとかありがちですし、そこは相互カジュアルの精神で。
 実例だと、筆者がデッキに入れた段階ではセーフだったんですが、今見たらアウトになりそうだったカードとして《統率者の板金鎧》があります。
 (買った段階では1000円とかでした)

3/16のウィズダムギルドさん参照。

 2/20付けでトリム平均が5000円を超えているので、3/20まではリーガルですが、そろそろアウトです。
 こういうカードを気付かずに使った場合、そのカードはゲーム上、《統率の塔》として扱います。

固有色を出せる実質五色土地。

 ゲストのデッキにも事前に確認し、了承を取れば適応されます。
 
これはペナルティの類ではなく、うっかりミスでの気まずさを軽減し、ゲストの気楽な参入を目的をしています。
 強力なため、あえて5000円以上のカードを入れてマナ基盤を強くするような使い方は控えて欲しいですが、
 高額カード連打して《塔》まみれになるのもカジュアルプレイ感があって良いかと思います。
 ルール上の細かい部分としては、デッキ内に存在するときから『土地である』として宣言することができます。
 元が《魔力の墓所》だろうと《波止場の恐喝者》だろうと、土地サーチカードで触れるものとします。
 もちろん、それは1枚構築制限を阻害せず、カード名その他の条件はルール上、《統率の塔》として扱います。
 まあ、明らかにカードパワーに問題がないものの高額化しているカードに関しては、その場で他の参加者が認めれば使用可能で良いように思います。
 カジュアルというのは、本来はそういう意味だったと思いますしね。

・第三条『土地以外をサーチできるカードは統率者を含めて4枚まで』

 毎回同じ展開にならない1枚制限パーティゲームとしての再現性の低さを担保するためのルールとなります。
 《神秘の教示者》・《自然の秩序》・《納墓》などが該当とします。
 サーチ先が手札、デッキトップ、墓地、戦場などを問わず、土地以外を『探す』と書いてあるカードは全て含むものとします。
 これには統率者領域の統率者も含まれます。
 (ルール上は統率者もデッキの中の1枚としてゲームを開始するので当たり前といえば当たり前)

こういうカードを統率者領域に置いた場合、デッキには残り3枚まで。

 以下、実例を何枚か。

土地のみを探すため枚数制限に掛からない。
制限しない。
条件付きだが土地以外をサーチできるテキストを持つため、枚数制限に掛かる。
4枚以内とする。
あまり使う機会はないが、奥義(大マイナス)でサーチが可能。
4枚以内とする。
あくまでデッキトップから確認しているだけで確定サーチではない。
制限しない。

・第三条補足1『サーチ規定例外・名指し指名カードの減免』

 カード名を名指ししてサーチする効果のみを持つカードに関しては非該当とします。
 カードのデザイン上、カジュアルプレイでこそ輝くカードが多いものの、このルールによって制約を受けてしまうには惜しいカードが多いため。

名指し共闘。
これを統率者領域に置くだけで2枠使うのはカジュアルとはいえない。
制限しない。
名指しで《神祖》をサーチ。
カジュアルプレイでこそ使って欲しいデザイン。
制限しない。

・第三条補足2『サーチ規定例外・実質的サーチカードの制限』

 『探しはしないが実質的にサーチ効果』であるカードは4枚制限に掛かるものとします。
 これはカジュアルプレイは屁理屈合戦ではないという理由からです。

基本土地を含む1枚ずつで組めば確定サーチ。
4枚以内とする。
ライフこそ払うものの、見つかるまで探すことが可能。
4枚以内とする。
見つかるまで探せる。
マナコストが重すぎるから使っても良いとは思うけども、規定上やむなし。
4枚以内とする。

 見れる枚数上、見つからない可能性が普通に高いカードはもちろん制限しません。 

その気になれば占術15とかできるものの、99枚デッキなので可。
制限しない。

 目安として単独で50枚以上掘れないカードに関しては制限されないものとします
 なんらかのコンボによって掘れる枚数が増えるケースに関しては問題ありません。
 そのコンボを達成するためのパーツを探すアイデアが別途いるということであり、再現性の問題はないように思います。

・第四条『2枚以内での必殺コンボor無限コンボの禁止』

 前者はデモコンタッサのようなものを指します。

デッキがなければ勝利。
デッキを全てなくせる。

 必殺コンボは3人を1ターンにまとめて倒せるコンボとして定義します。
 例えば、パワー11の統率者に二段攻撃を付与したり、パワーやダメージを倍にする、感染を付与するなどをすると必殺コンボとも呼べますが、あくまでもひとりを倒すためのコンボであるため、セーフ。

 無限コンボはヘリオッドバリスタやコピーキャットのようなコンボを指します。

クリーチャーに絆魂を付与し、ライフを得るとカウンターを乗せる。
カウンターを射出してダメージ。

 2体が揃って絆魂を《バリスタ》に付与するとダメージを与えるたびにライフを得てカウンターを獲得、再度射出することで無限ダメージとなる。

忠誠度能力でパーマネントをコピー。
出たとき誘発でパーマネントを明滅。

 《フェリダー》のコピーを作ると《サヒーリ》を明滅し、もう一度忠誠度を使える。
 コピーの明滅で《サヒーリ》がもう一度使えるので、速攻を持つ《守護フェリダー》のコピーが無限に並び、勝利。

 こういうコンボは搭載不可とします。
 ゲストに関しては、それを前提としたデッキ構築になっている可能性が高く変更不能な部分が多いため、割り切って採用OKとしますが、複数回参加の場合は調整を願いたい。

・第四条補足1『無限マナなど「それだけでは勝たない」無限の扱い』

 2枚で無限ではあるものの、それだけでは勝たない無限コンボが存在します。

他の呪文を唱えると赤マナが増える。
手札と戦場を往復するがその都度赤マナを要求する。

 この2枚は揃うと、《イグナス》が手札と戦場を往復します。
 それだけではせいぜい疑似警戒になるくらいで大した意味がありません。
 意味が出るのは、《衝撃の震え》のようなカードがある場合です。

手札と戦場を往復する間に無限ダメージが発生。

 これは実質的な3枚コンボとみなしますので、採用可とします。
 これは無限マナも該当とします。
 なぜなら2枚コンボでやっていることは手札の呪文を全て唱える、程度。
 統率者本人が無限マナを消化できる場合などはリーサルですが、それでも統率者を含む3枚コンボなので、カジュアル範囲と判断します。

無限マナで無限ドローになるので実質勝利。
コレだけカジュアルつってるのにコイツを統率者に指定するの……?
無限マナにさえ入れば起動型能力で無限バーンで勝利。
だが、逆にそれ以外ではあまり活躍できない統率者であり許容範囲。

・第四条補足2『実質2枚コンボの定義』

 『実質2枚コンボの3枚コンボ』の形のコンボは不可とします。
 具体例を挙げましょう。

タップすれば土地2枚をアンタップ。
青1マナでクリーチャーをアンタップ。

 この2枚が揃うと、2枚土地を起こす《造化》を1マナでアンタップすることを繰り返すことで無限マナに入る。
 これだけなら2枚コンボの無限マナなのでセーフですが、《造化》は自身の効果で《知識の紡ぎ手》をサーチできてしまいます。

 無限マナに入ればこのカードで無限ドローが可能。
 もちろん、これで自分のデッキを引き切って勝ち手段を探しても良いですし、なんなら他プレイヤーに無限ドローさせてLOさせて勝っても良い。
 初動は《造化》と《現実からの遊離》の2枚で勝利してしまうため実質2枚コンボ、アウトです。

 同じ理由で、以下のようなコンボもアウトです。

墓地のアーティファクトの起動型能力を使える。
墓地にアーティファクト3枚を落とす。

 細かいところは省きますが、この2枚が揃うと墓地にコンボパーツを3枚落として勝ちます。

戦場のクリーチャーをエックスゼロで0/0にすることで生け贄にできる。
死亡するとデッキからクリーチャー2体サーチ。
 

 細かいところは省きますが、この2枚が揃うとデッキから2枚クリーチャーサーチして《変幻の大男》を繰り返し蘇生したりして勝ちます。
 コンボに使うカードは3枚より多いんですが、始動が2枚なのでこれらは2枚コンボ勘定、アウトです

・第三並びに第四条補足『統率者を含む3枚コンボ搭載時はサーチ2枚まで』

 上述の2項目の併設ですが、統率者を含む3枚無限・必勝コンボを採用する場合、4枚のサーチカード搭載枠を2枚に減るものとします。
 
例えば、先述の《ビルギ》・《ニヤニヤ》・《衝撃の震え》コンボ。
 《ビルギ》を統率者に指定した場合、サーチカードは2枚までとなります。
 これは統率者本人はサーチする必要がなく、2枚コンボに近い再現性を持つためのペナルティとします。
 先述の例だと、2枚の無限マナコンボに統率者に《トラシオス》を指定した場合、この制限を受けるものとします。


・第五条『追加ターンはデッキに1枚まで』

 パーティゲームとして4人で遊ぶものをひとりだけで遊ぶのはカジュアルの理念から逸脱しているため。
 全面禁止でも構いませんが、カジュアルに使って盛り上がるカードも確かに存在するため、それらのカードの保護、並びに『文字通りの切り札』として1枚制限とします。
 

増殖辺りと絡めるのが一般的だが、
真っ当に守りに守って追加ターンはやってみたい。
敗北不能なんかと合わせて使うのが一般的だが、文字通りの最終突撃として使うならアリ。

・第六条『土地妨害系カードの原則禁止』

 土地妨害は戦術として有力であるものの、『カジュアル』とは程遠い戦術であるため。
 特定のプレイヤーが行動を長時間阻害される体験は、推奨されるカジュアル体験ではない。
 具体的には、《血染めの月》のような色妨害、《基本に帰れ》や《冬の宝珠》のような継続的なアンタップ制限、《ハルマゲドン》のような大量土地破壊が該当します。
 定義が曖昧ではありますが、『土地基盤を大規模に攻撃し、展開を阻害するカード』が該当するものとします。
 厄介な効果を持つ土地を対策したい場合、《露天鉱床》のような除去カードに関しては制限は与えませんので、その辺りを推奨します。
 この類のカードも繰り返しプレイしてカジュアルとは言い難い戦術も可能ですが、そこは各プレイヤーのカジュアルの認識に期待しています。

・第七条『カジュアルゲームであるという認識』

 そもそも、このルールでもレベル7以上・CHALLENGE以上のデッキは組めます。
 

土地だけサーチできれば全然戦える。
軽量を並べて殴るだけなので元々サーチとか要らない。

 この類のカードを規制できるルールも考えていたんですが、
 そもそも、上述の記事を見ていただきたいんですが、
 強力な統率者を選択した場合、それはレベル7であるともいえます。

強力な統率者を入れたらレベル7らしい。

 元々の指標として、強力な統率者を選定する段階でカジュアルの意識から外れているという見方もできなくはないんですが、
 「ならそもそも強力な統率者の定義って何か」という哲学のような話になってしまいます。

 あえてこの部分はプレイヤー各自の解釈に任せますが、他のルールの前提から『競技的な勝敗に重点を置くデッキではなく、カジュアルプレイである意識での構築』を前提とします。
 逆に、このルール内で勝利に重きを置くなら、それはそれで『高額カードや汎用コンボ・カードを用いずに純粋に構築力を競うルール』とも言えるので、あえてそこは可能にしておきます。

 便宜上、ゴロゴロEDHのルール内での競技的に特化したデッキをガチ・ゴロゴロ・エルダー・ドラゴン・ハイランダー……略して、『GG・EDH』と呼称します。
 『GG・EDH』を使うときは、『各自が競技的なデッキを組んでいる』前提でプレイを推奨しておきます。
 カジュアルな場だと思っている他プレイヤーに対し、競技的意識のデッキを持ち込むのは、紳士的とは言い難いですからね。

 願わくば、競技的なプレイ体験を求めながら、高額カードへの参入障壁の高さから肩身の狭い思いをしているプレイヤーの元へ届くことを。

 以下、分かりにくい部分の解説記事を作ったよ!


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画像はMTG日本公式より引用しています。
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