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実戦で使えるか使えないか、ギリギリラインの常盤木能力の雑学集

 皆さんこんにちは。常盤木使ってますか?
 常盤木というとアレですね。我らが宮城が誇る高校で女子サッカーの日本代表とかを輩出している学校ですね。

 他県の、かつスポーツに興味ないヤツにヒャクパー通じないネタから入るスタイル。
 これ、多分、MTGをマジックザギャザリングでもミーティングでもなく、宮城トヨタグループと読むヤツの次くらいに宮城のMTGユーザーのネタです。
 嘘です。

 常盤木は「ときわぎ」と読みます。一年通して葉が茂っている木のことで、反対語は落葉樹。
 スタンダードのローテーションに関係なく常に存在している『定番キーワード能力』のことを指しますね。
 具体的には、飛行やトランプル、警戒に先制攻撃、接死に速攻、などなど。
 MTGをやっていて、「そんなもん知らないよ」って人もいないでしょう。
 しかし、本当に知っているといえるでしょうか。
 今回は常盤木能力から、いくつか小ネタをご紹介します。


『トランプル+二段攻撃+接死VS……』


 それぞれについては基本の基本なので割愛しますが、
 では、『トランプルと二段攻撃と接死を持つクリーチャー3/3の緑のクリーチャーが攻撃したとき、それがどうなるか』の話です。

ベースはコレ。
《バジリスク》がコレを装備した。

『相手が特に何も能力を持たない場合』

バニラといえばコレよ。

 まず、《バジリスク》二段攻撃の第一ダメージステップで3点のダメージを割り振ります。
 その際、接死によって《灰色熊》のタフネスに関係なく1点が致死ダメージとなるため、第一ダメージステップ(先制・二段攻撃用のフェイズ)では3-1で2点が貫通、第二ダメージステップ(先制などを持たないクリーチャーのステップ)ではブロッカーが死亡しているため、残る3点が貫通。
 結果、5点のダメージが貫通します。
 これはブロッカーが増えた場合、1体ごとに1点を割り振ります。
 なぜなら、接死によって1点が致死ダメージですからね。
 接死・トランプル・二段攻撃の組み合わせが一番気持ちいシチュエーションですね。

『破壊不能持ちにブロックされた』

ちょっと(?)豪華な《灰色熊》。
タフネスは2とします。

 ブロック後、能力で破壊不能を《守護者》が得ました。
 その状態でブロックへ参加、ダメージ計算を行います。
 まず、第一ダメージステップで3点のダメージの内、1点を致死ダメージとして割り振り、残る2点が抜けます。
 このとき、実際に破壊されるか破壊されないかは関係なく、接死が『1点を致死ダメージとして扱う』という能力であるため、2点が貫通します。
 次に、第二ダメージステップで、再び《守護者》へ1点を割り振ります。
 ここで、『あれ? さっき《守護者》に致死ダメージを割り振ってなかった?』と思う人は賢い。
 一見すると、2回致死ダメージを割り振っているようなんですが、接死はあくまでダメージの割り振りの瞬間のみ効果を適応され、その後は記録されず、『ただの一点』になります。
 なので、第二ダメージステップの段階では、『《守護者》にはダメージが1点乗っている』だけですので、致死ダメージとしてもう1点を割り振り、残りをトランプルによって貫通します。
 結果、第一・第二戦闘フェイズでそれぞれ1点ずつブロッカーに割り振ることとなり、4点の貫通となります。

 ただし例外。

 ブロッカーのタフネスが1の場合。
 この場合、最初の1点が蓄積されているため、既に致死ダメージを与えている、と扱われます。
 なので、2発目は1点も割り振る必要がなく、3点のダメージが貫通します。
 応用問題で、上記状態でダメステ終了後に能力を失った場合。

能力を失わせる。
今回の記事ではあと何回か出る。

 この場合、タフネス1~2のクリーチャーは致死ダメージが乗っているが破壊不能が消えるので墓地へ。
 もし、破壊不能持ちのタフネスが3以上だった場合は生存します。
 これも接死ダメージは『あくまで与えた瞬間のみ適応される』の範疇ですね。
 バジリスクの牙に一回耐えると、あとで耐えた能力を失ったとしてもあくまでもただの1点です。
 この辺り、破壊不能の下位能力扱いされている再生が勝るポイントですね。
 ダメージそのものを軽減できたり、再生状態になっていれば能力が消えても再生の盾は残ったりしたままですからね。
 かなりレアケースですが。

『プロテクションを持つクリーチャーにブロックされた』

タフネス2のプロテクション緑。

 ほとんど破壊不能の活用ですね。
 軽減されようとなんだろうと1点は割り振れば残りを貫通です。

タフネス1のプロテクション緑。

 ちょっと違うのがタフネス1だとしても二回目も接死でダメージを割り振る必要があること。
 なぜならダメージを受けてませんからね。


『先制攻撃を持つクリーチャーが能力を失った場合』


先制攻撃持ち。

 例えば先制攻撃を持つクリーチャーが普通に殴ったとします。
 もちろん、第1ステップでダメージを与えます。
 ここで先制攻撃を失わせたとします。

能力を失うカード。

 こうすると、『先制攻撃を持たないので第二ダメージステップでもダメージを与えられる』っぽいですが、『ダメージは与えられない』が正解。
 第2ダメステの段階では先制攻撃の有無を参照するのではなく、あくまで第1ダメステでダメージを与えたかどうかを参照します。
 なので、能力を消失させることで二段攻撃もどきにする、というのはできない。
 ちなみに、飛行・威迫などの回避能力がブロック後に失われても、ブロックが無効になることはないです。
 あくまでもブロック参加段階での能力有無だけを参照しますからね。


『瞬速を持っているかのように/防衛を持たないかのように』


 カードに能力を付与するカードがあります。
 その中で注意すべきなキーワードのひとつが『持つ』と『持つかのように』です。
 具体例。

これは『瞬速を“持つ”』
こっちは“瞬速を持っているかのように”。

 ほぼ同じ意味合いなんですが、文字通りの違いがあります。
 明確な違いを及ぼすのが、それを持っているかを参照する場合です。

『持つかのように』は持ってないので軽減もされないし打ち消せる。
もちろん、『持つかのように』は持ってないのでドローもライフルーズもしない。

 類例が防衛です。こっちの方がよく見ますね。
 

そもそも防衛を参照するので、失うと能力で追えなくなる。
なので、実際には防衛を持ったままだけど、“持たないかのように”攻撃参加できる。
こういうカードは防衛を失う。
なので、タフネス利用で殴り掛かることはできない。

 もう誤表記レベルなんだけど、気を付けましょう。


『護法は誘発型能力であり、呪禁は常在能力である』

 護法と呪禁は使用感がかなり近いキーワードですね。
 正直、カジュアルに遊ぶなら呪禁の下位能力が護法くらいの認識で良いんですけど、厳密に遊ぼうとするときに挙動が違うことがあるので。
 呪禁はスタックを用いらない常在型能力、護法はスタックを用いる誘発型能力です。
 具体例。

護法1。すぐに謀議でパワー増しちゃうけどね。
パワー2以下の誘発を倍に。

 この場合、一回対象に取られるたびに護法が2回誘発します。
 打ち消されない呪文や、対象に取らない呪文なんかを使うのがベターですね。
 あと、対象に取った後の挙動もだいぶ違いますね。 
 例えば、相手の放った除去を弾く場合。

敵プレイヤーが自軍のクリーチャーを殺そうとしてきたぞ。

 相手が除去対象を指定、それを護法付与で弾こうとした場合。

こういうので瞬速を持つかのようにプレイ。
コレで護法付与。

 これだと、対象指定宣言後に護法を付けたとしても『護法は誘発しない』。
 なぜなら、既に誘発するタイミング(対象指定)を通り過ぎているからであり、相手は追加マナを支払う選択肢すら発生せず、クリーチャーは破壊される。
 それに対して呪禁の場合。

呪禁付与の最近の基本バージョン。

 この場合、既に対象指定をしているとしても防御できる。
 なぜなら、その除去呪文は『対象が不適正だから』。
 対象を指定するタイプの呪文や能力は、対象指定時と解決時に対象が適正であるかをチェックするルールがあり、そのルールによって後出しでも常在型能力の呪禁なら弾くことができるということですね。
 護法は『誘発して打ち消す』能力で、呪禁は『(インスタントで付与した場合)対象不適正となって立ち消えさせる』能力です。
 この辺りのルールは直観的ではないので、MTGの制作チームもそのことを意識していると思います。
 証拠というほどでもないですが、現在、インスタントタイミングで護法を付与する呪文はかなり少ないです。
 

筆者の知る限り、単独で護法を発生させるインスタントはコレしか存在していない。
しかし、これは発動ターンに呪禁を付与することができ、直観的なプレイングを阻害しにくい。

 なので、他カードで瞬速を付与したり、装備を付け替えたり、能力を失わせるエトセトラ……など、でなんとかする場合のみですね。

『絆魂と魂の絆能力』

こっちはキーワード能力の絆魂を得る。
以下前者。
こっちはキーワード能力じゃない方。
以下後者。

 基本的な使い方はほとんど同じなんだけど、結構違う。
 一番有名なのは、人気マンガ、『すべそれ』でも描かれた相手に付けた場合ですね。
 前者はクリーチャーそのものが能力を得てしまうため、ライフを得るのは相手、後者は能力を持っているのがエンチャントなので自分がライフを得る。
 また、前者は重複せず、何枚付けても効果は同じだが、後者は枚数分だけライフゲインが可能。

今回大活躍の能力を失わせるカード。
前者はクリーチャー自身が能力を持ってるので失うが、
後者はエンチャントがライフ回復しているのでライフを得られる。

 全体的に後者の方が強そうだが、問題は誘発なのでダメージステップのあとに誘発することですかね。
 例えば、自分のライフが1、ブロッカーとしてパワー1のクリーチャー1体のみ。相手がパワー1のクリーチャーで2体が殴ってくるとき。
 もちろん、1体ブロック、1体通すわけなんですが、
 後者だと、ダメージ計算後に誘発効果が処理される前にライフゼロの状況起因処理で死亡。
 前者の場合は、ダメージを与えた瞬間に常在型能力の絆魂で処理されるのでライフが残ります。
 ルーリング怪しい人は、『????』って感じだと思いますし、それが普通です。
 こんな複雑なルールにしないために、最近では常在型の絆魂しか登場してませんからね。

『速攻とはなんぞや』


 一般的なキーワードだけど、意外と見落としがちなキーワード、それが速攻。

これも瞬速と同じで『持っているかのように』テキストが散見される。

 結構困るのが、「速攻を得る」の範囲。

暴動は“速攻を得る”のテキスト。
“ターン終了時まで”速攻を得る。

 速攻って出たターンしか効果がないので一見すると同じような効果なんだけど、実は結構違う。
 まず、コントロール奪取。

パイオニアの対クリーチャーデッキ用サイドカード。

 赤のコントロール奪取には『速攻を得る』が付いてることが多いけど、これは得ない。
 召喚酔いの範囲とは、ターン開始時から連続してそのカードをコントロールしていることなので、速攻がないと奪った瞬間には殴れない。
 なので、速攻を付与されたままだと、これで奪われた場合にそのまま殴られる。
 メリットもないではない。

アーティファクト系デッキで見られる。
1マナのハイエンドクリーチャーの一角。

 ターン終了時で消えてしまう場合、《ジンジャーブルート》をブロック参加できない。
 絶妙に構築戦で使われないことがないではないラインのカードが多いので、覚えておいて損はない。
 こういう類のカードを使用した場合、『これって速攻有ったっけ?』という管理が必要になる場合があり、「ターン終了時まで」の方が個人的には好み。
 まあ、暴動の場合は『カウンターが乗ってなければ速攻を持っている』くらいの認識で大丈夫なケースが多いけど、他の効果でカウンター乗ったりするから混乱するシチュエーションもないではないかな。
 真面目な話、統率者でお馴染み、《野生の律動》が一番このエラーを起こしやすい気はする。
 『コイツ、速攻持ってるけ?』って青い人が聞いたら、間違いなくコントロールを奪う気だからね。



当記事はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。
画像はMTG日本公式より引用しています。
ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。
題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。
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