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就活というトンネルを抜けるとそこは…

もう社会人になって15年か…。noteの企画にのって#社会人1年目の私へ というテーマで書いてみる。
結論としては、「行けぇぇぇぇぇっ!」ってことかな。

5月。そろそろ「あれっ?」って思う時期

2003年4月1日。晴れ。
もともと朝が弱い自分にとっては奇跡的に早起きできたことを覚えている。あこがれて入社したあの会社。100年以上続く老舗大企業。
そりゃ、緊張もするわ。

約半年ぶりのリクルートスーツに身を包み、鞄だけはこの日のために用意した新しいもの。慣れない通勤電車も幸いにして約10分ていどの道程。

内定式やその前後の懇親会で見かけた気がする同期に出会い、ぎこちない挨拶を交わす。

正直、そこから先はあまり覚えていない。とにかく退屈だったし、なんというか、ちょっとがっかりした。つまらねぇ式典だった気がする。
朝からの緊張とドキドキを返せといった感じだ。

そこから先は当たり前のように同じ時間に出社し、当然残業などなく定時までの研修を終えて帰宅する毎日。
研修・研修・研修・飲み会・研修。。。。

と、ちょっと長めに社会人最初の1ヶ月くらいを振り返ってみたが、まぁ、今でもこんな感じなんだと思う。

正直、今の社会人1年生が困惑しているであろう「研修」ってやつにはそんに意味はない。でも一つだけ認識しなくてはならないことがある。
それは、「どんなに優秀であっても新入社員は実践の場には立てない。ということを認識すること」
これはおそらく絶対だ。仮に孫正義さんクラスの天才が新入社員で入ったとしても、最初の1ヶ月は電話の取り方とか名刺の渡し方を「研修」しなくてはならない。
それはベンチャーだろうが大企業だろうが関係なく、人事的には各年代の新入社員は同列に扱うべきという不文律があり、また、こないだまで学校の最高学年でビュンビュン巻き起こしていた先輩風を吹き止ませなくてはならないのだ。

すると、「あれ?なんか思ってたのと違うぞ。もっとこう、、、ビジネスっぽいことするんじゃないのか?社会人って。」って思ってきたりする。
これが、社会人1年目の5月のあるべき姿だ。

就活で語ったことは本心か?

ここまで書いた時点でため息は20回を超えた。なんなんだ新入社員って。もっとキラキラしたっていいじゃないか。人事だって就活してた時の会社説明会や面接ではもっとカッコいいこと、モチベーション上げること言っていたじゃないか。あれは嘘だったのか?

いや、嘘ではないよ。逆にもうちょっと冷静に考えてみよう。
自分は就活で嘘はつかなかったか?

就活の面接で話すことなんてせいぜい
①自己PR
②学生時代に打ち込んだこと
③志望理由
④将来やりたいこと
くらいだろう。

この中で、①②は自分の過去のコト。日本の学生は、受けてきた教育内容を鑑みても、過去を思い出して話すことは得意なのだ。最初っから嘘をつくつもりでなければ、まあまあ本当のことを話せるだろう。(多少盛ることはあるにしても)

しかし、③④は未来のことを話さなくてはならない。これまでの学校の勉強では正しい答えの導き方を知りえないのだ。
でも、エントリーシートや面接に向けてノーアイデアで行くわけにはいかない。苦肉の策として、ちょっとだけ“嘘”をつくことになる。

でも、この“嘘”は必要悪だと思う。いや、むしろ企業側が「嘘をつきなさい」といっているのかもしれない。
会社の中の雰囲気、キャリアパス、具体的な仕事内容、不透明な未来 など、わからないことだらけの中で未来を語るなんてできるわけないんだよ。

でもね、ここで一生懸命考えた”嘘”は役に立つんだ。なぜなら、その嘘は以降の自分にとっての指針の一つになっていくから。

世の中は一つまみの奇跡的な成功者とそれ以外でできている

15年前だと、信じられないかもしれないけど成功者の体験談や意見をネットで見聞きすることはできなかった。まともなブログ・プラットフォームもSNSもなかった。そして多分、同年代の「成功者」もそんなにいなかった。

今だと良くも悪くも、「成功者」が見えてしまう。
25歳にして企業しているとか、オンライン上でブランドが確立していたりとか。
成功するには一定の法則やフレームワークがあるらしい。それは“成功者”のブログでも読んでくださいな。

それらの成功法則に関して、個人的に大事だと思うことは、やりぬける情熱を傾けられるほど“やりたいこと”を見つけることだと思う。

若手の目立った成功者風の奴らは、奇跡的にやりたいこととできることが見つかってた奴らか、やりたくもないことをなぜかガムシャラになっているやつら。

奇跡or無情熱。

気にしない。気にしない。
“それ以外”に属する僕らは、やりたいことはこれからゆっくり見つければいい。
同学年が何百万人もいれば、そりゃ奇跡的な生き方をしている奴だっているさ。
特段やりたいことでもない仕事をがむしゃらにやっている奴だっているさ。

僕らは彼らとはちがうやり方で成功すればいいんだ。
でも、どうやって?

やりたいこと・やりたくないこと/やるべきこと・やらないほうがいいこと


さっきも書いたろ。就活の時に捻り出した“嘘”がここで効いてくるんだ。
そもそも、自分のやりたいことを見つけるなんて至難の業なんですよ。だって人間だもの。
やりたいことなんてコロコロ変わるし、現実的にはできないこともある。
だからこそ、何かしらの指針が必要なんだ。
それが、就活の“嘘”。

例えば、「御社の製品をもっと世の中に広めて、日本中の、いや、世界中の人たちの生活をもっと豊かにするお手伝いをしたいです キリッ」みたいな“嘘”を思いついていたとしよう。

それ自体は捏造された嘘ではあるが、今の時点では他にやりたいこと、できることなんて思いつかない。
じゃあ、ということで無選択肢の消去法でこの目標を追い続けるのが一番の近道になる。

不思議なもので、人間ってのは“理由(Why)”や“やり方(How)”ってのは後から捏造できる器用な生き物なんだな。
個人的にはゴールデンサークル理論に則り、Whyから考え始める方が好きだけど、でもそのWhyを持っていないのであれば、Whatから始めても大丈夫!なんとかなるから!

だから、四の五の言わずに、自分で頑張って考え出した指針をもとにやってみな。
そうすれば、嘘の指針が目標になったり、別の指針が見えてきたりするから。
「嘘から出た真」じゃないけれど、やってればやれるようになるし、やれるようになればやりたくなるから!

何をやるかは掛け算できめろ

とはいえ、心から信じられる指針ではない想いに対して、何から取り組めばよいのか。
例えば、先に出てきた
「御社の製品をもっと世の中に広めて、日本中の、いや、世界中の人たちの生活をもっと豊かにするお手伝いをしたいです キリッ」
という指針ならば、まずはマーケティングですよね。
で、若かりし日の僕は一生懸命マーケティングの勉強をしたんです。
幸いにも、マーケティングを実務で学べるという環境でもあったため、マーケティングがだいすきになりました。

でも、もしあの頃の自分に伝えられるならば、
「マーケティングと一緒にプログラムを学べ」と伝えていたかもしれない。
もしくは、
「マーケティングと一緒に人事を学べ」でもいいかも。

もちろん、環境的に掛け合わせのすべてを実務として実践するのは難しいかもしれないが、独力で学んだり、あとは担当部署の奴と仲良くなって夜な夜な仕事のことを語り明かすとかはとっても役に立つ。

あと、例えばマーケティングとセールスの掛け合わせとか、人事と総務の掛け合わせとか、ちょっと近いところではなく、敢えて遠いところの掛け合わせをオススメしたい。

僕ら凡人は、天才には敵わない。天才は自分の得意分野でどんどん頭角を現し、その地位を確固たるものにしていく。
つまり、天才が日々やっている掛け合せでは天才に勝てないどころか、あまりにライバルが多すぎる。
我ら凡人が勝つためには、レア度を増していくことでニッチポジションで突き進むのが良い。

そう考えればほら、掛け合わせの選択肢は無限に広がる。

15年後に目の当たりにする泥沼

さて、最近では、近々我々の仕事はAIに取って奪われると言われている。
15年前にはなかった論調だ。
しかし、15年前だろうが現代だろうが、今の仕事をそのままやり続けている未来を見ている人はどの程度いるんだろう?

僕が新卒で入社した会社の月次離職率は1%未満らしい。つまり、他の会社で他の仕事をするという未来を見ている人は少ないようだ。
同期を始め、心配だ。逃げ切れるのか?

僕は敢えてその会社を出てベンチャー企業に入社し、新たな掛け合わせを作りに行った。
今のところ、その選択は間違っていなかったと思っている。

そして、可能性がある限り何度でも掛け合わせの選択肢を作っていきたい。

AIのせいかどうかは知らないが、今ある仕事の種類は減っていくのは間違いないだろう。
でも、掛け合せを続けることで仕事は創ることができる。仕事は会社や上司から与えられるもの と思っている限りはたどり着けないだろう。

掛け合せが無いままで歳をとってしまった状態を、僕は泥沼と呼ぶ。もがくだけでは脱出することはできない。ロープや板といったような別の掛け合せ手段がないと抜け出すことはできない。

今の自分にどんなスキルを掛け合わせればいいかなんて誰もわからない。
でも、将来振り返ったときにその掛け算は連立方程式のように美しく繋がる。
きっと、故・スティーブ・ジョブズが言っていたのはこういう事なんだろう。選り好みせずに全部やってみろ。

可能性は無限。

過ぎた時は戻らない。15年後の君に伝えたいことは山ほどあるが、無限可能性と自分の直感を信じて突き進んでほしい。

決して悪いことにはならないよ。
「行けぇぇぇぇっ!」

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