カスタマーサクセスのことを考えていたらABMにたどり着いた話

われながら、マーケティング馬鹿だと思う。
先日、久しぶりに『カスタマーサクセスの青本』を読み返して、自分のメモ代わりにこちらのエントリーを書いた。
ざっくしいうと、カスタマーサクセスを成功させるためには“正しい顧客に販売しよう”という原則が必要ということだ。

カスタマーサクセスのど真ん中は「長く使い続けてもらうこと」

カスタマーサクセスという文脈においては、オンボーディング・LTV・サブスクリプション・チャーンレート・・・など様々な(わかりづらい?)単語が飛び交い、SaaSビジネスになじみが薄い人にはちょっととっつきにくい印象すらあるのかもしれない。
でも、結局のところは、
・顧客にしっかりと伴走し、成果創出のパートナーとなる
・顧客に自社製品を「使いづらい」と思われないサポートをする
・さらなる成果のために、アップセル・クロスセルを受け入れてもらう
・自社製品を使い続けてもらう
こういうことなんだと思っている。

改めて『原則①正しい顧客に販売しよう』を解釈してみる

青本の中には、ほかにも9個(全部で10個)の原則が記されているが、中でもこの原則①は絶対的な大原則だと思っている。
当月の売り上げ予算を持つセールスの方にしてみれば、満場一致で腹落ち状態ではないということは理解しつつも、中長期全社的に考えれば、疑いの余地はない原則だと思っている。

このエントリーを読んでくださっている方にしてみれば、釈迦に説法なので詳細は書かないが、(僕が愛してやまないこちらのエントリーをどうぞ)チャーンしづらい環境や仕組みを構築することこそが、カスタマーサクセスだけではなく、自社のサクセスにも直結する。

どうすれば、チャーンしづらい環境や仕組みになるのか?

先のエントリーでも引用したが、『チャーンの90%は販売時に起こる』という名言がこの世には残されている。
そう。チャーンの意識なく、協力なマーケティング&セールス部隊がその辣腕を発揮してしまうと、確かに当月~3か月スパンのトップラインを確保することはできるだろう。
しかし、CSを含む後工程部隊には何か釈然としない感情というか、勘がこびりつくことがある。いわゆる「筋の悪い案件」という場合に。
得てしてそういう勘は当たってしまうもので、12か月後にはしっかりとチャーーーンしていることがある。

じゃあ、どうしたらいいのか?
答えは、『原則①正しい顧客に販売しよう』これなんだな。
自社製品の価値をしっかりと享受してくれる顧客との出会いは本当に素晴らしい体験をもたらしてくれる。かっちりとPMFしている状態とでもいうのだろうか。
かっちりPMF顧客は、自社製品を使いこなすだけではなく、新しい使い方や改善ポイントをフィードバックしてくれたり、他部署や他社を紹介してくれたり、なによりもMAXのLTVをもたらしてくれる。

このような出会いを偶然ではなく必然とすることは可能なんだろうか?

ABMがもたらすカスタマーサクセスの理想形

ここでようやく、ABM様の登場となる。

ABM(Account Based Marketing)とは、定義されたターゲットアカウントを元に戦略を逆算するマーケティングである。

ここでいう、“定義されたターゲットアカウント”というのが重要なポイントで、「おりゃー」とリードを獲得し、「どりゃー」とクロージングするスタイルとは真逆の考え方で、まずは適切なターゲットをバイネームレベルで決めて、そのターゲットアカウント(企業)に一点突破でアタックするスタンスなのである。

つまり、サービス提供者側が「このアカウントを攻略するぞ!」と先に決めてしまうんですね。

では、どうやってそのターゲットを決めるのでしょうか?
ここで、先ほどの『原則①正しい顧客に販売しよう』が三度登場します。
ターゲットアカウントを決める際には、単にデモグラ(企業規模とか所在地とか業界とか)だけでではなく、「チャーンしづらい顧客セグメント」を加味すればいいんだと思うんです。

実際にABMを実践している方から、「簡単に言うな!」と怒られそうですが、CS起点(≒顧客起点)でマーケティング戦略を組む というのは最高にエキサイティングな気がしています。

少なくともCustomer Success部隊としては、「どんな顧客がチャーンしづらいか」 とか、「どんな状態の企業が導入してくれるとオンボーディング乗りやすいか」 とか、「○ヶ月で△△な状態になっていれば継続しやすくなる」 とかってのはわかっておくべきだし、知りたいし。
これがしっかりと(できればエビデンス付きで)言語化・可視化できれば、その情報をマーケとかセールスに渡してあげることができますね。

知れば知るほどカスタマーサクセス×マーケティングの世界にはまり込む

幸いにして僕は営業もマーケもCSも経験がある。これらの知見や経験をMixすることで、型通りのAMBや型通りのコンテンツマーケティングや型通りのCSから一歩だけでも外にはみ出ることができるんじゃないかと思っている。そして、まだまだ上っていきたい。マーケ×カスタマーサクセスという高みへ。 (なんちゃって。てへっ)

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