なんか生きんのんてしんどい思たけどな、ぜんぜん気のせいやったわ⑥

こんにちは 翡翠です😊

前回で兄が甥を連れて帰ったところからのお話です

もしお時間が御座いましたらこちらからご覧頂ければと思います😊

エピソードＮｏ．6

お酒を呑んで何をするかわからない母親に怯えていた甥はどうする事もできず、私の兄である父親が来てくれるのを待っていました

兄は離婚をする事を決めましたが、兄嫁は養育費として多額のお金と家や車も要求しドロ沼状態になっていました
養育費という言葉を使った兄嫁には子どもに対する愛情などなく、ただ兄を困らせたかっただけの手段に過ぎません

それを知った兄の彼女は弁護士に依頼をし、法的な手続きを踏んで兄を離婚させ、それと同時に父が抱えていた長年の負債も依頼をして精算しました

父は夜逃げをしてから就いた建築業を独立して起業をし、兄が後継者という形になっていました
私も以前、父に負債をどこかに相談してみるのもいいんじゃないかと言った事があったのですが
自分でやった事だから働けるうちはなんとか返済していくと言い、その言葉に意思のようなものを感じたのでそれ以上口を挟む事はしませんでした

父はそれを機に事実上退き、兄が会社を運営していく事になりました
兄の彼女はその会社の事務を一手に引き受けています
彼女が事務を始めてから会社と社員寮を新しく建てる事が出来ているので、客観的に見るととても素晴らしい手腕の持ち主なのだと思います


私は会社とは全く関係が無いので兄と父がそれでいいのなら構わないのですが、いくら彼女だからとはいえ、離婚を手伝ったり他所の家の借金問題に手を出すのはやり過ぎなんじゃないかと思っていました

離婚で学ぶ事もたくさんあるし、借金だって年老いた父が仕事をする事や生きる上での活力にもなる
考え方を変えればそう捉える事も出来ます
他の人が手を出すと、その人の考えるべき事や成長の機を奪う事になるんじゃないか

母によく言われました
昔から家族の中で私は浮いているような存在だと
確かにそうだと思います
いつも私だけが違う考え方をしていて、何か意見を言うと妙な空気になりました
身内からも物事に対してポンポン言うとも言われていました
決して口数が多い方ではありませんが
自分で自分の事に本気になれないと人に対して本気にはなれない
私の根底にあるそんな気持ちからの発言が恐らく核心を突かれたような気分になって印象に残ってしまうからなのでしょう

こんな事がありました

私の息子が高校卒業後は兄の会社に就職をすると言ってきたので、私はいろいろな職種を経験して自分の適正を知る方がいいと話したのですが、結局兄にお世話になる事になりました

兄の彼女は血の繋がりのある息子が次の後継者になるんじゃないかと危惧をし、会社の人を使って息子を仲間はずれにするような事をしました
他にも初心者の息子に仕事ができないとか、朝の挨拶の声がデカいとかよくわからない事を言い、兄に日給を下げるよう言っていました
彼女のやる事がいつまでもこの社会で通用するとも思わなかったので、私は兄に任せたんだし黙って見ている事にしました
それから4年が経ったある日

息子から仕事中に怪我をして病院にいると電話が入りました
作業をしてる時に近くにいた人が溶接をしていて飛んできた鉄の玉で腕の血管を切ってしまうという大怪我でした
たまたま当たり所が悪かっただけでよくある事故なのですが、溶接していた人も息子も誰も悪くありません
ですが彼女は

会社に迷惑かけてどういうつもりなん

と言いました
大きな怪我だから労災になり、現場が止まってしまい他の会社に迷惑がかかるのは分かりますがそれは会社サイドの話です
怪我をした人に言う事ではないし、そんな時だけ身内扱いするのはどうなんだろう
気をつけて、と言うだけならまだ理解も出来たのですが、それまでの彼女の行いと言い方ひとつでこんなにも印象も変わってしまいます
日給が下がろうが4年間仲間はずれにされようが、他の会社の人と仲良くしていたので大して苦にも思ってもなかった息子ですが、その時初めて会社を辞めたいと言い兄に話をすると出掛けました

兄は怪我をしたくらいで辞めるなんて根性がないからだと言い、彼女がしてきた事や言った事なんて知りませんでした
息子は中学からスポーツをし、高校は全国大会常連校に進み社会人になってもそれを続けています
長年プレイしているので今更怪我をしたくらいで辞めるとは言いません
兄も少し考えれば分かる事なのですが、私は姪や甥を赤ん坊の頃から接していたから性格や考え方、表情や声のトーンでも気持ちを読み取る事が出来ますが、兄は社会人になってからの息子の事しか知りません
それに、彼女から息子についての嘘しか聞いてなくそれを信じてもいます

怒って話ができなかったと帰った息子に、仕方なく私が兄に電話をする事にしました
リハビリ中でまだ出向けなく、本来なら親が出る話ではありませんが、そこは家内工業の性です

兄の性格も分かっているので最初から穏やかに話をする様にしていましたが、私にも息子の根性がないと言い、そうじゃないよと彼女の事を話していると
自分の彼女の嘘や心無い言葉に混乱し、その怒りの矛先は私に向いてしまいました

お前とは縁を切る

そんな言葉はテレビか漫画の世界にしかないと思っていたし、具体的にどうやったら兄妹の縁を切れるのか聞いてみようかと今なら実行すると思いますが、その時はこれまで感じた事がなかった強いショックを受けてしまい、わかった、と言う事しかできませんでした

姪や甥は、自分達の事は私に預けっ放しにしておいたくせに息子の事はロクに見もせずそんな事を言ったのかと兄に呆れ、変わらず堂々とうちに来てくれていましたが、一方息子は兄の話などしません
その事が全てを語っていると思います
状況的に厳しかったとはいえ姪と甥を守る事しか考えていなく、兄に私の子ども達と接触させる事を失念し息子を巻き込んでしまった
その事は私のミスでもあると思い息子に謝りました

それから5年間兄とは音信不通でした
その間にもいろいろな事があり、彼女は姪と甥にも心無い言葉を使った意地悪をし兄に近づけさせないようにしていました
お金で物事をはかり、いい人でも貧乏なら誰であっても見下してしまったり
私の両親、即ち自分の彼氏の両親にも
老後に入る施設や葬儀、墓地の費用ぐらいは貯めておけと面と向かって口癖かと思うくらい何度も言います
そして人を自分の意のままにしていないと気が済まない人でもあります

これは私が癌だからこそ言える事なのかも知れないので言わせて頂くと
いま生きているのに何故死んだ後の事を考えなきゃならないのでしょう
10分後の事も分からないのにいつ死ぬかも分からない時の為にいまを楽しむ事を抑える必要はないと思います
施設に入れる状況じゃないなら皆で協力すればいいし、愛する人への想いはあれど、葬儀や墓地なんて遺された人の為のもの
遺された人が考えればいいだけなんじゃないかと私は思います

今から3年前の晩御飯の支度をしている時に電話が鳴りました
忘れもしない、大根と鶏肉の煮物を作っていた時
スマホの画面には兄の名前
どうしようかとしばらく考えていましたが、しつこく鳴り続いていたので仕方なく出てみると
少し声は上ずっていましたが、5年のブランクと縁を切ると言った話は無かった事のように
両親の仲が悪化し、離婚に向けて私と話し合いたいから機会を作ってほしいと言ってきました
既に両親それぞれとは話をしていたので断ると

お前が一緒やないとあかん

悪い事を言ったと思うならそう思った時に謝ればいいだけなのに、ごめんのひとことも言えない兄に苛立ちました
その日の煮物は煮詰まって辛くなってしまいました

音信不通だった5年の間に兄が必要だと思った事はなかったし、忘れてもいました
怒りに任せて勢いで出た言葉だったのかも知れませんが、どんなに怒っても私にはあんな言葉は出てきません
身内からも事の経緯がどうであれ、兄は大きく信用を落としてしまいました

私の経験では、考えた事のある言葉や習慣的に使う言葉がキレた時に口から出いたので、兄にはそんな言葉が頭の中にあったのかもしれません
そうだとすると、なんとも悲しいというか寂しい気持ちをしていたんだなと思いました
時間はかかりましたが兄なりの不器用な謝り方だったんだと受け入れる事にしました

私の家に来てもらい、兄の彼女も一緒にやって来ました
初めてうちに来た彼女は部屋を眺めながら
こじんまりした家だとしきりに言い始めました
要するに狭いという意味です
うちの相場を兄が言うと黙ってしまいましたが、それがおもしろくなかったのか
次は息子が辞めた時の話を掘り返してきました
私の事は可哀想な障がい者という目でしか見ていないので悲惨な生活をしていてほしかったのでしょう
両親の話だけじゃなく、兄と私が水に流そうとしているこの場の意味が彼女には理解ができないのだと思いました

この身体は私のお気に入りで自慢です
姪と甥、あの子達のおかげで自分以外に本気になる事がまたひとつ増えました
兄の言葉のおかげで赦すという事も知りました
癌になってもこうして元気に過ごせています
そして
昨日より今日の方が大好きだと想う
大好きで大好きな彼

経験というものはときに痛みや悲しみを伴いますが
自分に自由で人に優しくあれるよう授かったもの

そう私は思います

姪は現在子どもが2人
働きながら独学で勉強をし、今年ネイリストになりました
自分の子ども達に私を「ばぁば」と呼ばせてくれています

甥は女の子が大好きな優しいスーパーイケメンですが、お酒を呑む女性だけはどんなに好みタイプでも敬遠しています
高校卒業後は兄の会社に入り、元気に全国を飛び回っています

両親はその後離婚をし、料理ができない父には私が毎週おかずを届けています
母も同居はしていませんが兄が見ています
母と彼女はしょっちゅう揉めているようです

兄嫁は、姪に子どもが生まれたと風の噂で耳にしたらしく家や携帯番号を調べて待ち伏せをしていましたが、姪が警察に通報してから姿を見せなくなりました
元気でいてくれたらと思います

このシリーズ、どのお話もほんとたくさんの方にご覧になって頂きありがとうございました😊
①の事故のお話と、②の大好きな彼を想いながら綴った最も誇りに思っているお話
この2つのお話が飛び抜けています
重ねて御礼申し上げます☺️

私は自分の事だから読み返しても理解出来るのですが、ご覧頂いている方はどうなんだろうといつもそこが気になるところです
このお話と、大好きな彼のお話以外は大好きな彼に試し読みをお願いしています
思い出しながら書いていると、その時の感情も一緒に思い出されてしまい文脈も内容もバラバラで恥ずかしく気持ち悪いものを読ませてしまっています

いつも的確で客観的な意見を言ってくれるのですが
頭と言葉が残念な私よりも、頭も言葉もその存在の全てが素敵で心から愛しいと思う大好きな彼に
書いてーな😗
とお願いしてもちっとも書いてくれないので、全部消して泣きながら書き直したお話も幾つかあります
そのおかげでこんなにもたくさんの方の目に留まる事となり 感謝しております

書いてくれたらもっと感謝します😆

私の大きな転機となったシリーズは今のところ
これが最終話となります
また新しいシリーズで、私の印象に残る出来事や人物のお話をポツリポツリとしていければと思っています

これからも少しでも皆さまの何かしらのお力になれれば幸いです😊