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ドラマレビュー「リエゾン〜こどものこころ診療所」第7話

こんにちは。はなです。
今回もドラマの感想をお送りします。
今回はちょっと突っ込み多めです。

第7話は母親を亡くしたASDの子供についてでした。一方で佐山こどもクリニックはどうなるのか、そしてしほ先生の今後についても焦点が当たってきました。
フィナーレに向けての助走開始といったところでしょうか。

今回一番気になったのは「医師の自己開示について」そして「医師のキャリアアップについて」です。
このお話全体について言えることですが、佐山先生もしほ先生も比較的あっさり「自分が発達障害である」などの情報を人に話します。実際に医師がこうしたカミングアウトをすることはあまりないことなので、精神科に通われている方のなかには、「普段のお医者さんより親近感を持てていいなあ」と思う方もいるかもしれません。
ただこれはドラマ内だからこその感想で、実際にはそう一筋縄ではいかないのです。
医者の仕事は「自分がその人だったらどうするか」ではなく「その人にとって一番いい方法はなにか」を客観的に考えることです。年齢や出身地、出身学校など個人的な話をすると親近感を持ちやすくなりますが、距離が近すぎると患者さんによっては依存関係になってしまったり、医療者側も冷静な判断ができなくなる可能性があるので、特に初心者は診療と関係ないことは話さないのが原則です。(このクリニックは違いそうですが)ただ仲良くすればいいというわけではないですし、自分のことを話すほど良い、というわけでもないのはご留意いただけますと幸いです。

次に医者のキャリアアップについて。
しほ先生は大学を卒業して医師免許をとったばかりの初期研修医です。一般的には2年間内科、外科など様々な科を廻った後、専門の科を選んで後期研修(専門医)を行います。後期研修を受けると専門医試験を受けることができます。
初期研修は「どんな病気の人を見ても、悪化させない」ことが主な目標なのに対して、専門医研修は専門的な医療を行うための研修です。
「専門医」といっても現在の日本では学会が乱立していてそれぞれに「専門医」を認定していた状態でした。これでは患者さんにとってわかりづらいため、改革が進んでいます。現在の研修制度に即すると、しほ先生もまずは「精神科専門医」の資格をとってから「児童精神科」を勉強していく、という形になります。
後期研修を行うためには、入院患者さんを診ることが必要なので、初期研修が終わった後は病院で研修した方がいいよ、と言ってあげたいです。(原作ができたときは専門医制度も発展途上だったかもしれないので、あくまで補足です)

ところで、毎度思うのですが、今クールの中で随一の内容の濃い、そして重要なことを伝えてるドラマなのに、なぜ金曜日の深夜にやっているんでしょうか。
エンタメ性が薄いといえばそうですが・・
いや、重いテーマだからこそ週末の初めに見る、ということなのでしょうか。
この時間はちょっと・・という方もTVerの無料配信やテラサでの配信があるので、興味をもっていただけると幸いです。(宣伝しちゃった笑)

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