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【読書記録】畑野智美『水槽の中』

畑野智美『水槽の中』
角川文庫 2022/3/23

高校2年生の1年間を描いた青春の物語。
読了した瞬間にこちらが照れてしまうほど胸がいっぱいになってしまうほど、瑞々しく青春の1年間が綴られた一冊だった。
話したことのない憧れの先輩、仲のいい4人組、それでも3人になることはない組み合わせ、一度喋っただけのクラスメイト、好きな子って誰と友達同士で交わす会話、ありふれているからこそ胸に響く青春の要素がきれいに詰まっている。

トキメキってなにかなあ、と適当にリサーチしたらカドブンのホームページに出てきた青春小説、これぞまさしく、苦しいほど”寂しくて懐かしい”青春の物語だった。

青春小説の金字塔といえば恩田陸『夜のピクニック』かなというイメージがあり、それは大学2年生くらいのときに読んだのだが、当時はあまりピンとこなかった。青春小説が胸に響くのは年を取ってからなのだろうか。でも、この年に青春小説を読むと、なんだかとっても気恥ずかしくて居た堪れない。

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