【読書記録】2023年8月

9月も半ばですが、一向に涼しくなった気がしませんね。日が短くなってるから秋っぽいといえばそうなのですが……
では、8月の読書記録です。



1冊目:松素めぐり『保健室経由、かねやま本館。〈6〉』

単行本なのであらすじは省略します。
シリーズ6冊目です。

主人公と同時期にかねやま本館に訪れる中学生は大体主人公と離れた他県に住んでいることが当たり前で、同時に近所の中学生を呼べないシステムでもあるのかと思っていました。
しかし、今回中学生の行動範囲で会える距離に住んでいました。単純に驚きました。そして物語の展開も最高でした。

そして、今回の驚きはもう一つ。
3巻の主人公だったムギとナリタクが……!!無事に再会できていたようで嬉しくなりました。

これからも楽しみなシリーズです。


2冊目:博学面白倶楽部『ことばの言いかえ便利帖』

この本の読みどころ(帯より引用)

失礼にならない、イラっとさせない。 ■頭も品もよく見えることば ■ほとばしる気持ちが表われることば ■情景がありありと浮かぶことば ■大切に思う気持ちがしっかり伝わることば ■漢字で書いて送りたいことば ――すぐに使える200例!

語彙力が乏しいのでたまにはこういう本も読みます。
初めて見たことばもありましたし、ことばは知っているけど意味を誤解していたものなども幾つかあり、読んで良かったなあと思いました。

特に「え?」と思ったことばがこちら。

「おっとり刀で駆けつける」(198頁)
急な出来事に大急ぎで駆けつける、という意味らしいです。
「おっとりした性格」などの「おっとり」ではなく、漢字で「押っ取り刀」と書くそう。武士が刀を腰に差す余裕もないくらいに急ぎ、刀を手に持ったままの様子をいうようです。

ことばの成り立ちなどにも触れてくれているので、面白かったです。


3冊目:武田綾乃『愛されなくても別に』

単行本を読んだので、あらすじは省略します。

主人公の宮田とバイト仲間の江永は共に女子大生で毒親育ちという共通点をもつ。
母親からの「愛してる」で束縛される宮田。父親から性的虐待を受け、ひとり地元から出てきた江永。

宮田と江永の他に木村という過保護系毒親に育てられた同級生も出てくる。宮田と江永にはお互いという存在がいるから救われるのだけど、木村は何者もなく地元に強制連行されてしまったので少し後味が悪い。

宮田と江永のラストに関しては、前向きな終わり方で二人で切り開いていくであろう未来が感じられて良かったです。


4冊目:小松成美『M 愛すべき人がいて』

こちらも単行本なので、あらすじは省略します。
浜崎あゆみさんの過去のエピソードを元に書かれたフィクション小説です。
この小説を元にさらにドラマ化もしました。ドラマもなかなか楽しめたので是非(配信サービスのテラサで見られます)。

小説は20年近く前に流行ったケータイ小説を思わせる感じでした。とてもドラマチックです。社会現象を起こすような人物の人生はこれくらいドラマチックなのかもしれません。どこが真実でどこがフィクションなのかは読者には知りようもないですが。


5冊目:中島京子『樽とタタン』

あらすじ(文庫版裏表紙より引用)

今から三十年以上前、小学校帰りに通った喫茶店。店の隅にはコーヒー豆の大樽があり、そこがわたしの特等席だった。常連客は、樽に座るわたしに「タタン」とあだ名を付けた老小説家、歌舞伎役者の卵、謎の生物学者に無口な学生とクセ者揃い。学校が苦手で友達もいなかった少女時代、大人に混ざって聞いた話には沢山の❝本当❞と❝嘘❞があって……懐かしさと温かな驚きに包まれる喫茶店物語。

中島京子さんの短編連作集。読むとコーヒーの香りが鼻をくすぐる気がします。

物語は9篇あるのですが、その中でもタタンとおばあちゃんの話である「ぱっと消えてぴっと入る」が好きでした。
タタンのお世話をするために田舎から出てきたおばあちゃん。そんなおばあちゃんとタタンの会話はどこか懐かしくて、寂しくて、胸がギュッとなりました。

人は死んだら電気のようにぱっと消えて、誰かの心にぴっと入る。おばあちゃんの考え方が素敵だなと思いました。


おわりに

8月は5冊の読了でした。積読は2冊消化です。
9月は現時点で積読を2冊消化しています。あと2冊くらい消化できたらいいなあ、と考えていますがムクムクと爆買い欲が出てきているので、9月の読書記録を書いているときには積読が増えているかもしれませんね。

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