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そういえば最近ご飯を食べられるようになったという話

タイトルの通りの話なのだけれど。
筆者は特に拒食症というわけではないのだけれど、子供の頃からたくさんご飯を食べるほうではなく、学校の給食が苦手で、思春期以降は胃弱に悩まされて育ってきた。

本当に生まれつき胃が小さくて弱かったのか、それとも後天的なものなのか、あるいは偏食だっただけなのか、今となってはわからない。
ただ、私にとって「食べる」ことは、長らく苦痛なことだった。
もちろん、好きな食べ物や料理はあったし、疲れた時は甘いものが食べたいなあという気持ちになることもあった。
けれど、なによりもまず、量を食べることができなかった。
給食や外食で、いわゆる一人前とされる量を完食することが、私にはどうしても難しかった。
残すと勿体ない、作ってくれた人に申し訳ない、食べないと健康でいられない、といくら周りに説得されようとも、無理なものは無理だった。

思春期以降になると、家庭環境があまりよくなかったこともあり、家でご飯を食べることもやや苦痛になった。
指定された時間に、指定された量を完食しなければならない。「美味しい?」「美味しくないの?」「足りた?」「足りないなら何か作るよ?」と詰問されながら、私はにこにこしてご飯を全部食べ切らないといけない。
しこたま食事を与えることが、親の子供に対する愛情表現だということは、大人になった今ならわかるけれど。
そもそも親との関係性が良くなかったこともあり、子供の頃の私にとっては、それは限りなく苦痛に近い時間だった。
(美味しいご飯を食べると嬉しい気持ちになるのは確かだったけれど。)

10代後半くらいの頃からは、食欲自体があまり湧かなくなった。
高校生時代は昼食抜きで1日2回しか食事をとらず、夕方頃になると低血糖で手足が痺れてくることもあったけれど、それでも「お腹が空いた」「何か食べたい」と思うことはあまりなかった。
完全食のようなサプリがあるのならそれだけ食べていたかったし(ドラえもんの道具にそういうものがあった)、大学生くらいの頃になれば常に胃痛があったため、ご飯を食べたいという気持ちになることが基本的になかった。

社会人になって一人暮らしを始めてからは、余計にご飯を食べなくなった。
経済的に困窮していたこともあったが、大体ずっと胃が痛かったし、お腹も空かなかったし、たまにアイスやチョコレートで糖分を摂取するくらいで(あと卵が好きなのでゆで卵を食べたり)、まともな食事はほとんど摂っていなかったように思う。
食べるとたまに吐くこともあったから、とにかく少食だった。拒食まではいっていなかった・・・と思う。多分。

今思えば、思春期以降の少食に関しては、9割くらいはストレスが原因だったのだろう。
ほとんど常に胃がキリキリシクシクと痛んでいたし、大きなストレスがかかると頭痛・嘔吐がセットで訪れた。
鎮痛剤と胃薬(胃粘膜保護、制酸剤、漢方薬、消化酵素など様々なもの)を常に携帯していたし、まあまあの頻度で飲んでいた気がする。
おそらく、27~28歳くらいまではずっとそういう生活だったんじゃないかな。

そして30歳になった最近、ふと気づいた。
あれ、私、一人前のご飯を食べられるようになってる。なんなら豚骨ラーメンにライスをつけても完食できる。
鎮痛剤も胃薬も鞄に入れっぱなしだけど、そういえば最近飲んでないな。

いつから?と聞かれるとわからないが、27~28歳以降、少しずつ、ご飯を食べられるように体が変化していったのかもしれない。
原因は、なんとなくわかる。
今の夫と付き合い始めたのが27歳の頃で、そのあたりから「人とご飯を食べる」頻度が、ものすごーく高くなったからだ。

夫は、かなりもりもり、ご飯を食べる。
特にお米。1食で2合くらい食べられるらしい。にわかには信じがたい。
私はというと、付き合い始める前までは、2週間に1回くらい、お米を1合炊くかどうかという生活で。お米の、お腹に溜まる感じが苦手だった。炊飯器も持っていなかったし、興が乗ればたまーに土鍋で炊くくらいだった。
けれど、ご飯をよく食べる人と一緒にいると、つられてなんとなく、自分もご飯を食べるようになる。
もちろんいきなりたくさんの量を食べられるようになるわけではないのだが、食事の時間を「楽しい」と感じるようになると、だんだん食事自体が苦痛でなくなっていく。食事によるストレス、食事に対する苦手意識が薄れていく。

そんなわけで、今現在は、普通の一人前のご飯くらいなら食べられるようになった。
「お腹空いたなあ」と空腹も感じるし、「何か食べたいな」と食欲も感じるようになった。
なったというか、なっていた。いつの間にか。

美味しい料理を食べると、嬉しくなるし。
夫と一緒に食事をとる時間を、楽しいと思うし。
お腹が満たされた状態でいることを、幸せだなと感じるようになった。

人と一緒に食べるか否かは別としても、やっぱり、「ご飯をろくに食べられない人」が食べられるようになるには、食事を嬉しい、楽しい、幸せと感じるようになる必要があるのだろうなあと思う。
あとはまあ、(実家を出るとか転職するとかの)日常的なストレスを軽減させて胃腸を健康にさせることも大切だよね。
私は意識的に「食べられるようになるよう訓練しよう」とは思っていなかったから、改善されたのは偶然でもあり幸運でもあったのだけれど。
というか、病的とまではいかない少食って、(特に女性では)改善させようという気持ちにあまりならない気もするな・・・。

まあ、でも、胃薬が不要になっただけでもありがたい。
外食のコース料理とかを、完食できないのも忍びないもんね。
食べれるようになって良かったと、今は思う。

まあ、当然のように体重は増えましたけれど。

減食じゃなくて運動で痩せろという話ですね。本当に。
あと10kgくらい痩せてえ~~~~~~~~~~。

はい。
どうでもいい話で括ってしまった。
まあいいか。

では、今回はこのへんで。





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