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名作はジメッとしている『テレーズ・デスケルウ』

実家には世界名作文学全集というシリーズ本がそろっていて、学生時代に『ボヴァリー夫人』や『アンナ・カレーニナ』や『ジェーン・エア』『嵐ヶ丘』等を読んだ自分は「なんかジメッとしてて、不倫多いな」という感想をもっていました。

そんな中、特に印象深かった作品が『テレーズ・デスケルウ』です。ジメッとはしてるけど、不倫ではなかったです。

Wikipediaがなかったので、

個人的印象あらすじネタバレ
(カッコ内感想)

です。↓↓↓


“夫を毒殺しようした罪で捕まったテレーズが、世間体を気にした父や夫の計らいによって免訴、解放されて帰る。外では夫婦仲良く振る舞うも、家庭内では軟禁状態、隔離され、だんだん様子がおかしくなってくる。”

テレーズは、夫を毒殺しようとした理由を自分でよくわかってない。
きっかけは、夫が持病の薬を間違えて倍量飲んでしまうのを偶然見かけたこと、それを指摘しなかったこと、その後、夫の具合が悪くなって、好奇心を持って、確認したくなったこと。
(なんかわかる気がする。)

だから、警察から解放されて、家に帰る道中考える。夫に、なんて話そうかと。過去にさかのぼって、思い出して。
(テレーズは、夫を愛してないし、夫に対して上から目線だけど、殺すほど憎んでいた感じはしないかな?と思った。)

そして、家に着く。
夫から理由を聞かれることはない。
世間へのアピールのために夫婦で出かけるけど、家では隔離され、はれもの扱い。
(夫からしたら、当然だと思う。)
テレーズは娘との接触も断たれ、軟禁される。
そのうち様子がおかしくなり、訪ねてきたひとを痩せ細った異様な姿で迎えたりする。
そして、世間体がある程度なんとかなった後、テレーズは家を出て行けることになる。
その時に夫は、やっと理由を聞いてくるけど…。


読み終わった感想

そもそもこれ、「どうして?」って聞いてくれる関係性だったら起きなかったんじゃないかな?順番おかしいけど、そうだったらやらなかったんじゃないかな?夫婦、もともと通じあえてないし。
かといって、許されないけど。

説明しても通じない相手と、どう生活していけばよかったのかな?

事件後、理由も聞かれず、いないように扱われるより、捕まって、罪を裁かれたほうが楽だったかな?こんなことが起こる前から孤独だったから、変わらないのかな?

学生の自分は、ジメジメした気持ちで考えました。

今も、たまに思い出してジメッとします。
たぶん、テレーズの時代より、まだ生きやすくなった現代。よかったなと思います。


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