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少しだけ悲しかった今日の話

一発目の投稿がこれっていうのもなんとなく寂しい気がするけれど、今は確かにそんな気分だ。

ものを書くというのには鮮度があって、時々ブログのようなことをするのだけれど、「これはおもしろそうだから今度書こう」なんて冒頭だけ書いてストックしておいても、後から読み返したらちっともおもしろくないなんてことがよくある。だから今こうして仕事終わりにカフェでこれを書いている。鮮度を意識するようになってからiPadを持ち歩くようになった。行政書士の試験勉強をしていて、朝早めに出勤して休憩室でとか、昼休みにとか、細かい時間で勉強しているためいつもテキストやノートで鞄がパンパンだ。そこにiPadを詰め込む。画面割れたりしないでね、ドキドキ。


私は週に一回、自分を甘やかすと決めている。大体金曜日、カフェに寄ったり映画を観たり、本屋さんやCDショップに長居したりして羽を伸ばしている。しかし今日は木曜日。甘やかすにはまだ一日足りない。そして昨日の水曜日も映画を観に行っている。そう、でろっでろに自分を甘やかしている。勉強もしないでなにをしているんだろうかという罪悪感もありながら、でも今は書くことでしか自分を励ませないと感じてカフェに入った。チェーン店だけどわりと静かな雰囲気で、この間、二駅歩いて帰った時に見つけて、そのうち来ようと決めていた。そのうちが思ったよりちょっと早く来た。実はこのカフェは、私にとってはちょっとお高い。だから今度は金曜日に来るのがいいかな、なんて思っている。でもちょっとだけお高いコーヒーを飲んだら気分が落ち着いてきた。


派遣社員として新しい職場で働き始めて三週間。まだまだ慣れないことばかりだ。二週間目に派遣会社の人が様子を見に来てくれた時は、なんだか「これ以上がんばれない」と感じてしまって号泣してしまったのだけど、今はわりと落ち着いている。なんだかんだで周りの人はやさしいし、なんか無責任な会社だなと感じる場面もあるけれど、多分私はどこに行ってもそれなりのストレスを感じて生きていくタイプだ。だからどこかで折り合いをつけなければならないのだ。長所は通勤時間が短いこと。これで勉強ができる、なんて思っていたけれど、結局朝は起きれないまま、夜は疲れて寝落ちしてしまう。この職場に来て勉強がおろそかになってはいるけれど、そろそろペースを掴んで慣れなければという焦りもある。

そういえば派遣会社の人は、「来週もう一度伺います」と言っていて、来週は明日で終わる。今後の契約についてなにも言われていない。その辺のことは、私の知ったことではないと思うことにする。


それで、少し悲しかった話をしようとしていたんだった。

ありがちなことだ。前任者のミスで怒られた。前任者は私が入社する前に辞めている人で、顔はもちろん知らないし、名前も今日知った。その人が登録したものを信じ、正社員様にも確認して取った対応が間違っていて、怒られた。しかしよくよく追ってみると、前任者がなぜそこをそう入力したのかソースが見つからない。勘違いなのか、派遣にありがちな「どうせもういないからテキトーでいいや」なのかはわからない。そう、この考えは派遣にありがちだ。信じられないと思うけど、かくいう私も、総務の仕事をしていてうっかり備品を頼み過ぎた時に他の派遣さんに「大丈夫だよ、どうせいつまでもいるわけじゃないんだから」と励まされて気分を持ち返したことがあるので他人のことは責められないのだけど。

で、仕方ないから私が謝罪メールを送るわけである。私間違ってないし、確認もしたし、なのに怒られた。ありがちな悲しみに包まれながら午後の勤務の幕が開けた。

そういうのは連鎖するのだろうか。私は引き寄せの法則を結構信じていて、今まで「前のとこよりもマシな会社なら」と思って就業すると、どんどんどんどん数珠繋ぎのごとくクセの強い陰気な会社に勤務する羽目になった。だから今回なんかは、「働きやすい会社!」と念じたのだけど、じゃあ働きやすいってなんだ? と思うと漠然としている。

今の会社は、最初はあまり馴染めない感じがしたけれど、正社員様が雑談に入れてくれたりしてなんとなく馴染みつつある。実は私は雑談が苦手だ。社交辞令とかも言えないし、きゃっきゃする空気も苦手。今の職場は私より年上であろう人たちがお互いの服を褒め合うところから一日がスタートしているのだから平和といえば平和だ。私も苦手ながらなんとなく喋ってはみる。一言二言話せばなんとなく輪に入っている感は出るので、後は聞き手に回ればいい。

で、引き寄せの話に戻ると、悲しい午後の幕開けから少し経った頃、上司宛に電話がかかってきた。私がそれを取り継ごうと声をかけたら上司はWEB会議中だった。特に喋っているわけでもなかったし、確かにイヤホンはつけていたけれど、黒髪の黒い服着た人が黒いイヤホンしてたらよくわからないって。上司はムッとした感じだったので折り返すと伝えると言ったら相手を確認してなら出ると。なんか、仕方ないんだけどさ。だったら最初に今から会議だからってアナウンスしておいてくれてもいいんじゃないの? って考えるのは甘えなのだろうか。

とまぁ、たったそれだけのことで悲しくなったのである。

耐性がないなぁと思う。好きな本に『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ』というタイトルのものがある。これには度々励まされる。今もこうやって書きながら、あいつもこいつもきっと今ごろパフェ食べてるよ、って。そう思うと、私もパフェでも食べるか、と思いながらコーヒーを飲むことができて、気持ちが落ち着く。

落ち込む、ということは多分誰しもあって、多分っていうのはなんか「自分ハイパーポジティブですけどなにか?」みたいな人も時々いて、そういう人は除こうという予防線なのだけど、大事なのはこの落ち込みを引きずらないこと、引き寄せないこと。だから私はコーヒーを飲み終わった今、とりあえず帰るか、とiPadを閉じようとしている。家に帰ったら、今日こそは勉強しよう。勉強は大変だけど知識が増えるのは楽しい。去年は問題用紙を開いた瞬間「終わった」と思うくらい無様な負け方をした試験だけど、今年はなんとなく行ける気がする。だからもうちょっとだけがんばろう。11月まであと5カ月。少しずつでもいいから知識を積み上げていこう。

これも好きな言葉で「今日のがんばりが幸せへの積み立て」というものがある。時々これを思い出して、地道に進んでいる。

ひとしきり書いたら、少しだけ悲しいのがちょっと落ち着いた。さぁ、今度こそiPadを閉じてお家に帰りましょう。気がついたらいい時間だ。


そんなふうにして、毎日は静かに着々と進んでいる。


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