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「AI漫画」を描こう。1(「AI漫画」という別ジャンルの考え方)
こんにちは852話です。
今回は「AI漫画」というジャンルについての自分なりに考察したいろいろな手法に関する備忘録的noteになります。
まず、今までの自分の作例を挙げます。
2022年11月
AI画像で漫画を作ってみた そのうち続く(1/n)#終末のオレンジ #漫画が読めるハッシュタグ pic.twitter.com/wz8fdWJqej
— 852話 (@8co28) November 20, 2022
AI画像で漫画を作ってみた そのうち続く(2/n)#終末のオレンジ #漫画が読めるハッシュタグ
— 852話 (@8co28) November 21, 2022
(微修正すみません) pic.twitter.com/rF7Xgz5gK3
2023年2月
#AI漫画
— 852話 (@8co28) February 19, 2023
Lora(自キャラの追加学習)とControlNet(openposeによるポーズ指定)でAI漫画作画が簡単になったよという話の漫画。
出力後の編集や吹き出しの処理は必要ではあるが形にするのがずいぶん楽になりました。キャラはこの間のLora記事のデモ子さん。 pic.twitter.com/ZXgoTQZHDJ
特に中身のないAI漫画
— 852話 (@8co28) February 19, 2023
4枚作るのに1時間 pic.twitter.com/Qg7ipkrzyy
2023年3月
検証サンプル適当な #AI漫画(人物はAIでほぼ加筆なし、申し訳程度の背景線も輪郭線抽出)
— 852話 (@8co28) March 23, 2023
週刊誌風とクリアな白黒
どっちも網点
実験 pic.twitter.com/TBI2o5AOda
これらの漫画をつくりました。
手法として、コマごとに画作りが基本で全体を一気には出力していません。
また、事前に登場キャラクターをたくさん生成しストックしておきはめ込むのが一番簡単です。ControlNetを使うのも良いですが、一部に利用するにとどめて基本はストック画像からパッチワークをするのが一番効率がいいです。
背景と人物は一気に生成しなくてよいです。ただし、画風があまりはなれすぎないように工夫する必要があります。
AI漫画は既存の漫画を作るのと一部逆走する手法でいろんな物を構成する必要があります。
例えばキャラデザです。
あまり出力が安定しない特殊なキャラデザは、画風は避けたほうが無難です。ですが、ある程度の「特徴」は必要なので難しいところです。
出力安定しやすいポイントとしては
・短髪の女の子
を1人は登場させたほうがいいです。明るい髪色だとなお良いです。
長髪や髪の毛を結ぶキャラクターを用いると、長さのコントロールが大変で時間がかかり効率が悪いです。
他には
・ショートツインテ
・ウエーブヘアー
等は比較的安定しやすい傾向があります。
タレ目より丸目やツリ目のほうがAIは出力してくれやすいのでそういう要素を取りれるのもいいと思います。
特徴付けとしては、猫耳だったり八重歯だったりほくろだったりヘアピンだったりなにかアクセントになるものがあると、出力ブレがあっても同一人物と認識されやすいです。それらのアクセサリーは自分で加筆しても良いです。(AIでパーツのみ生成しておいて合成するのもいいでしょう)
そしてAI漫画、カラーがキレイで見栄えがいいからカラーで作りがちなのですが白黒かカラー統一、減色などを施したほうがいいです。
単純にカラー調整の取れてないカラフルな画像をコマごとに読まされるのは読み手が疲れるからです。視線もちらかります。
カラーだと白黒の吹き出しが基本浮きます。ので「どうしてもカラー漫画がつくりたい場合」を除いてカラートーン統一はしたほうが良いです。主流のAI絵は基本的に情報量が多いので、漫画にするとどうしても違和感が出ます。それを削るのが大事です。情報量が多くても最悪白黒だとどうにかなります。
https://twitter.com/8co28/status/1638795460751282178
#AI漫画
— 852話 (@8co28) March 23, 2023
こうすればごちゃごちゃしがちなAI漫画も読みやすくなるのではという実験。
週刊誌風にしたらそれっぽくなってすごくいい。 pic.twitter.com/OQYjg8LJLZ
最初の漫画をカラートーン統一して情報量を減らしたもの。
一番おさえておきたいポイントとしては、「漫画を描く」能力と「AI漫画を作る」能力は重なる部分はあっても別物、ということです。
2023年の現状としては、自分の描きたいものにAIを利用して漫画を作るのはまだまだ困難であり、それをやろうとすると自分の理想と食い違って詰まります。AI漫画としてAI画像を用いた漫画を作るのはそれよりは簡単です。そのためには、AIが希望の絵を出さないとき、ストックがないときに自分が作った物語や筋を柔軟に変える必要があります。
あるいは、物語やプロットを作らず生成を先にしておいてそれを元に漫画を構築するのが早いといえば早いです。ただしこれは漫画を作る技術というよりもコラージュ技術が必要とされる為得意不得意が分かれます。
で、実際漫画っぽい画作りをするにはどうすりゃいいのさと言う話で、実践編です。
前提としてクリスタのEXを使用します。
![](https://assets.st-note.com/img/1679567991237-ACgRvl15FG.png)
↑の絵を漫画風にします。
なるべく線や塗の境界がはっきりした絵が良いです。
![](https://assets.st-note.com/img/1679568068620-coDKYFAQwE.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1679568094020-k3TdVemVHl.png)
レイヤープロパティはこちら。
ライン抽出機能とトーン化の項目を使います。
・黒ベタ閾値を調整
・エッジ閾値を調整
・検出方向(例では→のみ選択)
・トーン線数を荒目(数値低め)に
・階調化にチェックを入れ、例では80と30のトーンで処理(バーを動かす)簡単すぎますがこれでおわりです。
AIを触っている人にあまり漫画系に強い人が居ないからなのか、ごく普通の機能をあまり使ってる人が居ない、というだけの話でした。
後はコマのセリフに合わせて眉や口を加筆修正して表情を変化させることが重要です。余力があれば目線も編集するとなお良いです。
![](https://assets.st-note.com/img/1679568399129-lw1cSkzIPs.png)
ちなみにこのように週刊誌風にするのは
再生紙印刷風加工アクションという古のアクションが無料配布されているのでそれを使っているだけです。これも女性向け同人界隈だと使ってる人たまにいるんですが男性のコミュニティではあまりみかけないからかAIで使ってる人がそんなに居ない印象です。
このアクションはページが出来上がってから全体にかけるだけでいいです。便利ですね。
線画抽出した背景と合成するとか色々やってひたすら画作りです。
しかし網点、web上に上げるとモアレが発生しやすいのでグレスケでいいのでは?という気もしています。懐古の網点好き向けですね。
後はよくよく言われていることですが
・セリフはできるだけ短くする
・変形ゴマ(斜めに割るとか)はなれないうちは避ける
・フキダシのしっぽは喋っているキャラの口にできるだけ伸ばした方がいい
とかでしょうか。
フキダシを吹き出しツールではなく手書きで描くとよりAIぽさは抜けます。
面倒ですがセリフの漢字にルビを振ると週刊少年漫画っぽくなっていいです。面倒ですが。
今回はここまで。
話作りだとかネームだとか漫画の理論的な話はきちんとした教本や名だたる漫画家様の記事を見るのが良いです。あくまで「AI漫画の画作り」のポイントに関する話でした。
気が向いたらそのうちまた続きを書きます。
おわり。
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