日記(2022年8月)

2022/8/7(日)
 近所の公園で映画を上映するというから行ってきた。

2022/8/11(木/海の日)
 近所の公園を散歩中、少年が手持ちの水槽に向かって「ザリ君」と呼び掛けているので、そうかそいつはザリ君かと思っていたら、少年、名前は何にしようかなあと呟く。ザリ君は仮の名であったらしい。
 同じ足で向かった銭湯で、替えのマスクを忘れたというおばあさんに私の予備をあげたら、そのおばあさん、20円払おうとする。断ろうとしたが相手の方が上手だった。私が遠慮していると、今度は50円をちらつかせ、此方が怯んだ後に20円を渡そうとしてくるのだ(そういう営業手法、聞いたことがあるぞ)。結局なんだか気持ちよく受け取る流れができてしまって、その20円はドライヤーのコイン口に入って私の髪を乾かすことと相成った。

2022/8/12(金)
裏具が閉店してしまった。あまり突然で実感が湧かない。裏具は京都の文具店で、和風のデザインの葉書やメモ帳など紙物を主に扱う、もう十年も前から好きな店だった。商品の8割は気に入る。だから人生で唯一福袋を買ったこともある。
 私はデザインについて素人だけれど、和風デザインは難しいと思っている。絵としては美しくても、モノとして見たとき、観光地の大通りで浮かれた修学旅行生を相手にする店で売っていそうな雰囲気を纏いやすい。裏具のデザインからは、その難しさを乗り越え、葉書はもちろん、扇子になっても手拭になっても美しかった。
 今回の閉店はあまりにも突然で、全く事情が読めない。あの美しい文具を売る人たちが無事でありますように。