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子供のうつ病や心の病が増えたの?

はじめに

 うつ病をわずらって10年ほど、手引書とか電子書籍も作ったりしてるので、少し詳しい、子供ではないがうつ病としては当事者という視点からちょっと考えてみたいと思います。

つらつらと考えてみる

 うつ病は「孤独や適切に助けをもとめられなかった」ことによって、精神的負荷が耐えられないほどとなり、脳に異常をきたして起こる場合が考えられます。

 慢性的なストレス、という要因の1種ですが、今と昔を比較すると子供は、この要因に陥りやすいのではないかな、と考えることができそうです。

 その要因は、良くも悪くも「怖い先生」がいなくなったことのように感じています。

 モンスターペアレントなど揶揄されることもありますが、基本的に、体罰はもちろん、厳しい先生はよくない、優しく教える、ほめて伸ばそう、そういう風潮に20年前とくらべると格段にその傾向になっているでしょう。

 そうした結果、「優しく教えてもらってるけどうまくできない」とか、「共通の敵がいないため、生徒同士のいじめが起きやすい」という2つの側面が出てくるように考えられます。

 また、核家族化の影響で、祖父や祖母といった、あるていど子育てを楽観的に見守れる立場、子供を無条件で肯定できるポジションの人がいなくなってしまった、というのもあるかもしれません。

 すこし視点を変えると、「理不尽に対する耐性を、皆で一緒に乗り越える機会が失われた」とも言えます。とくに、学校教育を穏やかなものにし、強権をふるう先生がいなくなった結果、皆でどうにかしよう、一緒に頑張ろうという連帯感を育めなくなり、個々人の問題に焦点が当たりやすくなったのかもしれません。

まとめ

 つまり、社会を良くしようとした結果、「理不尽に対する耐性をみんなで獲得する機会を失った」や、核家族化による「無条件で理解してもらえる安心できる人」がいなくなった、ということが、要因ではないか、ということですね。

 専門家ではありませんが、普通教育というのは「理不尽に対する耐性をみんなで獲得する機会」を育てる絶好のチャンスだったのだと思います。もちろん、体罰はいけないのでしょうけれど、それに代わる何かが必要なのかもしれません。


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