キレイと言う概念。
あるクリーニング店から、仕事の依頼がありました。
これから和服部門にも力をいれたいが、和服は専門外の為、(お互いの要望が合えば)依頼したいという内容だった。
こちらとしても、とてもありがたい内容であった。
私は「どこまでやりますか?」と訪ねると
『キョトン』とした面もちで固まってしまわれた。
私は今まで、提案力が大事であると言っていたが、何をもって提案と言っているのか、
そもそも、キレイにすると言う概念
が違うのだと改めて気付いた。
クリーニングに出せば
汚れが落ちる。
シミが取れる。
清潔になる。
シワが伸びる。
恐らく、お客様はこのように考えていると思う。
しかし、プロであるクリーニング店もまた同じように思っているのではないかと感じた。
和服を専門にしている為、付き合う仲間も和服に携わっているため、盲目になりがちである。
和服は、急所と呼ばれる、衿、袖、裾をお手入れし汗抜きをして、キレイになりましたと言う概念がある。
先日お話しした知り合いのスーツの話(洗うということ。)でもあるように、キレイに対する概念自体が違うのだと。
洗うと聞いて、お客様もクリーニング店も、水もしくはドライクリーニングで、言ってしまえば濡らしたいと言う感覚をもっているのではないか?
丸洗いしなくてもキレイにする方法はあると言う事を、和服業界は知っている。丸洗いする事のリスクも知っている。
それを秤にかけて、どちらを選択するのか、もしくは金彩加工でよみがえらせる事も視野に入れ、お手入れ内容を提案するのだ。
だから、
どこまでやりますか?と言う質問になる。
クリーニングと言う枠の中ではあるが、洋服と和服のお手入れでは、このような違いがあると言う事を改めて思い出すきっかけになりました。
価値観の共有が少しでもできたら幸いです!
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