専門家であるということ。
毎日、汚れやシミと向き合ってきて思うことがあります。
「コーヒーのシミだと思うんですけど…」
「色が移ってしまったんです…」
「食べこぼしシミだと思うんですけど…」
「血液だと思うんですが…」
なとなど、
お客様から、多分こんなシミがついてると思うんですが…、という依頼が多く舞い込んできます。
そんな、お客様の言葉を100%と信じて、仕事に取りかかると、取れなくなってしまう事があります。
私たちの仕事は、
『シミや汚れをキレイにすること』です。
つまり、シミや汚れを落とすことに関しては、専門家であるということです。
お客様の言葉を全く信じないと言うことではないですが、専門家という立ち位置で判断することが重要だと思います。
病院で言うところの『診察』が必要です。
この判断を誤ってしまえば、最悪の場合取り返しの付かないことになってしまう、クリーニングの業界にいれば、必ず経験があると思います。
お客様の大事な洋服や着物。
単純な値段ではなく、思い入れや思い出、お客様に取っては、世界に一つだけのものかもしれません。
私の専門の和服は、10年20年前は当たり前、50年以上前の物もあります。
着物の特性上、同じものはありません。
昔のものであればなおさらです。
今度、お宮参りで、七五三で、成人式で、結婚式で、使いたいという依頼は、引き受けた以上、絶対に失敗が許されません!
そんなプレッシャーの中の仕事、気が抜けません!
専門家として判断する。
そんな、職人さんが増えたらなって思います。
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