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FF16-君はどう生きるのか-

https://jp.finalfantasyxvi.com/

FFは4・7・8・9・14・15プレイ済み
相手のモーションを見て避ける系のアクションゲームは割と苦手
プレイ時間多分30h行かないくらい

前半はネタバレを避けた感想、後半はネタバレあり
あと個人的に別タイトルと比較してるかと思うんですけどdisってるわけではないです
FFでもDQでもなくテイルズ畑で育った人間です


ネタバレなしエリア

いぬのしんぱいをしているひとへ

わんわん

いぬ:基本的には酷い目にあいません
死んだりしないし、ダメージ受けてキャゥン!みたいな聞いてるこっちが苦しくなる声も出しません。
撫でられます。基本的にはずっとかっこいい狼くんです。子犬が出てきます。かわいいです。

ひと:ばちぼこに死にます
作品のストーリーがばちぼこ戦争中だからしゃーないんですが、ダークファンタジーです。
あと多くはないけど切断表現とかあります。血も出ます。
いぬにはやさしいがひとにはきびしい

くも:まじで森のエリアのあちこちにいます
私は蜘蛛が死ぬほど嫌いなので薄眼でプレイしました


アクション

多少アクション得意だから~ってやると難しく感じるかもしれないです。
デビルメイクライとかやってる人は多分そんなに難しくないんですが、冒頭にも書いた通り相手のモーション見て回避をする系のアクションが苦手・不慣れって人はストーリー優先モードみたいなのがあるのでそちらをお勧めします。
一応プレイ中に変えられるので、緩すぎるなと思ったらアクションに変えていいと思います。
私は調子こいて序盤で3回死んだのでストーリー優先モードにしました。

ガチの最初の召喚獣バトルでこのざまです

買うか悩んでる人

ストーリーがいいから、とかアクションが面白いから、とかではなくて、単純にゲームとして面白い(とてもキチンとまとまっている)(し、バグはない)のでやって損はしないと思います
ただ、ゲームに目新しさを求めている人とかそういう人で他に欲しいゲームがあったら優先度は下がる、かな?
少なくともちゃんとゲームとして面白かったとは思うので

一応伝えておくんですが14制作チームが好きだから誉めてるとかそういう事はない
っていうかディレクターの方とかスゲー堅実な人なんだなぁという感じです。
それがどういうこと?っておもったらぜひやってほしい。
分かると思うので。

あと、このゲームまじで動画で終わらせた人と遊んだ人でマジで感想変わると思うので動画で済ませた人もったいねぇ……動画で見るのだけはやめた方がいいと思う
ゲームは体験してなんぼだよほんとに



ネタバレありエリア

ワンクッションのトルガル

お耳のシルエットきゃわ

感想

このゲームは「ストーリーの先読みをしたがる私」VSシナリオライターさんの熱いバトルでもあった
っていうのもこの男ですわ

手前のオレンジ 君のことだよ

ガブ しぬんか?
そんなことを中盤くらいからずっと思ってやってた。
いいキャラしてたと思うんですよね、寡黙で言葉少ないクライヴくんの相棒として多弁で明るい空気のある男…
死ぬのか、死なぬのか…?!
灰の大陸で妊婦さん連れていくまでまじでずっとライターさんと戦ってた。
ドミナント集団の中に混ざる一般人男性…死ぬならまず彼からだよな…どう考えても…ってソワソワさせらました
まあED後のこと考えるとまじでかわいそうなんだけど…

人間は醜く愚か、だが、だからこそ美しい

生きるとは何か。人とは何か。
この作品は人間賛歌だった。
大切な人たちを自身の手で殺めてしまい、様々な屈辱を受け、浴びせられる差別の視線も罵声も、自信に関わる全てが「自分」であると宣ったクライヴくんのこのセリフにこのシナリオのすべてが集約されていると思う

お前が聖杯だよ

作中でいろんな人たちがクライヴくんに「一人で背負うな」って声をかけてくれるし色んな人が「ちょっとは休みなよ」って言ってくれるけど、クライヴくんは誰かが助けてくれと願うからどこにでも行くし、背負った自分が自分であるという自我を持っちまったので、背負っちゃうんだよな。

他人から見るとそれは自己犠牲でしかないけれど、クライヴくんにとってはそれが「自分」で「使命」で「生きる意味」であり「人間らしさ」だった。
ばかだねぇ、って思うんだけど、どれだけ傷ついても進んでいくのがクライヴくんなんだ。
そしてそれがクライヴくんが信じた「人が人らしく生きていける」という事
愚かで醜くて汚らしくて、どうしようもない馬鹿、だけどそれゆえに美しく、それゆえに人間として生きていける。

そう考えると”社会主義”から”個人主義”に移ろいつつある現代にちゃんと即したテーマだし、即したストーリーであったし、ちゃんと”現代”的な思想を入れた老舗RPGのファイナルファンタジーとしてナンバリングされているとおもう。

ここでクライヴくんの思考をようやく理解して絶望したプレイヤーがこちら


「評価しづらい」

まあそれはそう
私は16やっててめちゃくちゃニーアゲシュタルトだと思ってたんですけど(レプリカントではない)

当たり前なんですけど、何かを作るということは金がかかる。
予算があって、制作スケジュールがある。
新しいシステム、広大なフィールド、美麗なムービー…バグの摘み取り…
そんなのたくさん入れたって予算がいくらあっても足りない。そしてそれを際限なくやっちまったのがFF15、なんですけど…
いくらお金をかけてオープンワールドを作っても、いくらシナリオを手厚くしても、いくらムービーを美しくしても、そもそもゲームとして「遊べない」という状況はかなりマズイ。っていうか商品として破綻してる。

で、昨今のゲーム開発はめちゃくちゃお金がかかるんですよ
端末の解像度が上がっていてグラフィックが良くないと売れない神話まであったくらいで(最近はそうでもない)
そうなったときに「ちゃんと遊べるもの」を作るためにはどうするか

「手堅く作る」
「遊びはちゃんと遊べるものにする」
「ストーリーとしても伝える」
そしてさらに昨今の「端的でわかりやすいほうが受け入れられやすい」という状況を鑑みた結果、こういう作りになった…という感じなのではないだろうか……

おそらく60時間プレイ分くらいの物量があるストーリーや世界観が用意されている

ただその時間ずっとゲームにしばりつけるのは今っぽくない(途中で離脱する人が多くなるだろう)
(そしてストーリーの物量が多い=ムービーが多い、用意するグラフィックの量も多くなる=制作スケジュール的に無理)

できるだけ残しつつ不要な部分(途中のダレる移動部分やストーリーのお使い部分、キャラクターの過去話などの深堀)を削除

30時間くらいに短縮し、短縮した分中身の質を上げる・クオリティを担保する

ってしたんじゃなかろうか…って多分ライターさんとかも感じ取ってて、それがわかるし、手堅く作ったな、って思って、んでも遊べてるし面白いからな…ってなって評価しずらいってなってるんじゃなかろうか。
私もなんかくちのなかでモゴモゴしている。
なんかそういう限られた予算とスケジュール、人員の中で最大限最新ゲーム、しかもファイナルファンタジーをつくった、というその「ツギハギ感」「想像の幅が広い」「余分なものをそぎ落としている」感がすごいニーアゲシュタルトっぽいな、と思っています。ので、私はこのゲームニーアゲシュタルトだな、と言っています。
多分だけどコンプリートガイドブック的なものがめちゃくちゃ作りこまれてて「ひえ~~」みたいになるんじゃないか


新しい「遊び」神話

例えば食器洗いのためにスポンジを買おう、となったときに売り場に行く
するとスポンジがいくつもある
3つ入っていて100円のものと、1つで100円だが片面が荒いやすりみたいになっていて頑固な汚れも落としやすいスポンジ
どちらを買うかっていうのはその買い手が求めている要素「とにかく単価が安い」VS「機能が多い方がいい」によって決まる。

で、これは基本的な商品開発の思想として「他社との差別化をせよ」というものにつながってくる。んで、これはゲーム開発においてもそうで、特に企業が出すゲームってそういう面をすごく大事にしている。
直近だとワイルドハーツくんがわかりやすいんですけど

https://www.ea.com/ja-jp/games/wild-hearts/wild-hearts

狩猟ゲームといえばモンスターハンターですけど、それに「クラフトして」より有利にハンティングしようね、っていうゲーム
これはモンスターハンターと比べると「戦闘中にクラフトできる、そしてそれで狩猟を有利にする」みたいな差がある

で、今度はワイルドハーツの要素を変えたりより良くなったり悪くなったり…そうやってゲームって発展してきた…のだとおもう、し、たぶん普段頻繁にゲームやってる人って「そのゲームならでは」を楽しんでいる傾向があると思うんだ。
バイオハザードが好きなら、似たようなゾンビシューターゲームをやるだろうし、やっていて「ここはバイオよりおもろい、便利」「ここはバイオの方が面白いなぁ」みたいなね

映像すっげぇ綺麗だしやっぱり他社の追随を許さないクオリティだよほんと

じゃあFF16はどうなん、っていうとそれがすggggggっごい難しい
ストーリーが特段「めちゃくちゃ目新しくて面白い!超感動!」ってわけでもなく、アクションが「これは今までにない遊びだ!」「これはレスポンスが良い!遊んでいて新感覚だ!」ってわけでもない
ストーリーは人間賛歌でとても手堅くまとまっているし、アクションもめちゃくちゃ手堅くまとまっているし、面白い。
ただ、16らしかったものは、って言われると難しい
だからライターさんとかも評価しづらい…となるのではないだろうか

面白いのは間違いないし、アクションも爽快だった、けど、「特にこのアクションが!」「とくにストーリーのここが!」って言われると難しい。よく言えばすべてがきちんと作られている、悪く言うと↑でいった個性がない。ってことでもある。
商品としての特徴は何だったんだろう、ということではないでしょうか

ちなみに映像がきれい、は16っていうかスクエニのすごいところなので別口です

美しい

まとめ

ってかんじでダラダラ書いちゃったんですけど、商品開発という視点で見たときにそういう神話があるなかで、ただそれをファイナルファンタジーというタイトルに当てはめたときに膨大な時間とお金がかかってしまう、そしてさらに長いストーリーは現代の若い世代向きではない、ということも踏まえてつくられたマジの手堅いゲームでした、という感じです。

すべてが平均点以上だが、それに特化したゲームには敵わない、という…。
めちゃくちゃクリエイターさんたちが数字を大事にしている人たちなのが分かる。できる人たちで構成されていたのが分かる。すごい。
これはdisとかじゃなくて褒めてる。本当にすごい頭がいい人たちなんだ

今の若い世代の入り口に

ファンの高齢化
今作って、た~~~~ぶんFF何も知らんけど14やってます!!みたいな層もそれなりに購入してプレイしてるんじゃないかなと思ってて…
そういう人たちに向けて、そして15でスクエニ終わったわ、とか言ってる人たち、プレイしてないのにそれを鵜呑みにして笑っている人たち、そういう「ゲームを遊んでない、遊んだことがない」ひとたちへ裾を広げるゲームとして16は設計されているのではないか

ファイナルファンタジーの”ダークさ”もあったし”現代ダークファンタジー”としてちゃんと今の若い世代にリーチできるテーマを扱っていたとも思うし、やっぱりそういう形で作られたのであればこれが正解だったんじゃないだろうか

スクエニという無限のお金を持っているかもしれない会社のお金を無限に使ってクリエイターの好きなものを無尽蔵につくるのではなく、ちゃんと遊べるものを、そしてちゃんとファイナルファンタジーシリーズに興味を持てる、面白いと思えるものに
そーいうものとして作ったのなら120点だと思う。
映像は動画を見ているだけだと分からないと思うけど、プレイヤーとしてコントローラーを握っていると迫力はあるし、小刻みにあるストーリーの盛り上げどころはなんとなくFF14の小数点パッチっぽい。

動画で済ませてしまう人の多い時代だからこそ…短く端的でわかりやすいものが好まれる時代だからこそ、こういう形になったのであれば、やはりこれはファイナルファンタジーの最新作なんだろうなぁ

ガチで余談

召喚獣を使うときにR2押してる間だけ召喚獣の能力が使える+△で選択している召喚獣を変更する(タイプCの話)んですけど、これ十字キーとかでどれを選ぶかを決めさせてほしい
戦闘中に「今ガルーダを選んでいる(はず)だからあと2回押すとフェニックスになって…」って確認する暇がなかったのでめちゃくちゃ間違えてた
イフリートのつもりがバハムート使っちゃったり
なので十字でえらべたらよかったなって思う

あと拠点内で加速させてほしい
情緒的に全力疾走しているのはよくないのとかNPCの会話を見てほしいみたいな意図があるんだと思うんですけど結構拠点が広い+上下があるので移動が…ちょっと…面倒…ってな…ったね……
あわせてチョコボもR2押下してるときだけ走るのではなくR2押下してるときだけ歩行にするとかにしてほしかった
リアルSTRがバカ低いのでめちゃくちゃ手がつかれ…ちゃってェ……リスキーモブも手配書見ただけだと量が多くて忘れちゃうから一回見たらジャーナルとかから閲覧出来たら…もう少し便利だったなぁ…


鉄腕クライヴ


私「ああああああああガブ死ぬのでは?!!!!!!!!」


幸せにつつましく生きてほしかった


人間って本当に愚か いつまでも進化できない
いつもだれかを妬んで恨んで憎んで、悲観してる

でも、クライヴくんは「誰もがもつ愚かさ」そういう醜い人間らしさを愛していたのだ


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