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【2-7】花よ、少し待ってくれ(~405日目)

花が咲くタイミング

藤の花が咲き誇っている。
花が咲くのは嬉しいけれど、ミツバチ達が追いつかない。

去年は咲かなかった藤の花が咲いた!

先輩養蜂家さん達の話を聞いていると、今年は花が咲くのが早すぎるという。
養蜂2年目の私でさえも、去年との違いをヒシヒシと感じる。
山桜は、ミツバチ達の成長を待たずに咲き終わった。
暖かい日が続き、ミツバチの群れも少しずつ大きくなってきている。
それでも、まだまだ、もう一段階増えてほしい。
祈るようにミツバチ達を眺めつつ、山のあちこちで紫の房を垂らして美しく咲き誇る藤の花を恨めしく眺める今日この頃。
自分の努力ではどうにもできないことだけど、来年の今頃を想定して、花の咲き方に左右されないくらい、ミツバチを育てよう。

二段目

ミツバチ達に蜂蜜を分けてもらうために、1段目と2段目の間に、女王が通れない板を挟んで巣箱を積む。
そうすることで、1段目では育児をして、2段目には蜂蜜だけを貯めていくという仕組み。
ミツバチの習性を生かした方法の一つ。
養蜂家さんによって、色々な方法があるから、これが絶対というわけではないけど、今のところ私はそうしている。
そうすることで、ミツバチ達が必要な蜜を奪わずに済むし、蜂蜜だけを搾る事もできる。
この方法で蜂蜜を採るということは、1段目の巣箱が一杯になって、二段目にも巣を作るくらいミツバチが増えなくてはならない。
ギリギリ調子が良い群れを二階建てに仕立てる。
本当はもう少し待ちたいところだけど、このままだと藤の花が終わってしまうし、アカシアに間に合うかも微妙。
ほとんど、賭け。
もっと、自分の中で確信を持って動けるようになりたいんだよな。
自然相手でわからないことが多いからこそ、どう「わからない」のか。
なにが「わからない」のか。
まだまだ、ぼやっとふわっとしてしまっている。
行動に理由を。

二階建て

二ホンミツバチ

とある場所にミツバチが住み着いていて困っているという連絡をもらう。
困っているというより、殺してしまうのも気が引けるし、何とかならないものかと。
巣を作っているということで恐らく二ホンミツバチだろうと見当がつく。

養蜂を始めるまで、二ホンミツバチとセイヨウミツバチの違いなんて知らなかった。
恐ろしいくらい知識も何もないまま、ミツバチの世界に飛び込んで、あっという間に一年が過ぎた。
自分が飼育しているのは、セイヨウミツバチで、学ぶにつれ、二ホンミツバチにも興味を持つようになった。
とはいえ残念ながら、セイヨウミツバチを飼育しながら、二ホンミツバチを飼育できるほどの余裕はない。
私にとっては、あこがれの二ホンミツバチさんたち。
とうとう、お目にかかることになった。
あわよくば、二ホンミツバチさんたちを誘拐して、私の所にお迎えできたらいいななどと、少し下心もありつつ、訪問。
残念ながら、巣版がほとんど下に落ちてしまっていて、ミツバチ達が大騒動になっていて、巣版を板に設置する方法など調べて行ったけど、そんなことができる状態ではなかった。
できるだけ集めて連れ帰って、ゆっくり観察する。

二ホンミツバチは、セイヨウミツバチよりも一回り身体が小さく色も黒っぽい。
ブンブンと興奮しているけど、セイヨウミツバチに比べたら可愛いもので、ほとんど攻撃もしてこないし、刺してこない。
荒っぽいセイヨウミツバチに慣れていると、二ホンミツバチ達がブンブン飛び回っていても、刺される気配を感じない。
せっかく見つけた素敵なおうちから無理やり追い出してしまった申し訳なさもありつつ、町中から山の中に連れてきて自然の中でのびのび過ごしてもらえたらいいんだけど。

本当は、二ホンミツバチを飼育したいけど、蜂蜜を安定して採ることを考えると、二ホンミツバチは逃亡するし、採蜜量も少ないので今の私の技術では難しい。
二ホンミツバチを専門にしている人もいるけど、まずはセイヨウミツバチをしっかり飼育できるようになることが目標。
それにしても、かわいいな…。

黒くて小さい

遊びに来てくれる人

都内に住んでいたときは、なんとなく会いたい時に会ったり、飲みたいときに飲んだりできていた人たちと、簡単に会えなくなった。
移住するということは、そういう事だという覚悟もありつつ、距離が離れたとしても、関係性は変わらないという自信もあった。
物理的な距離があると、それなりに関係が希薄になる。それでも、私はここで生活したいと思った。
身近だった人と、簡単に会えなくなる。
寂しくないと言ったら嘘になる。
だからこそ、わざわざ足を運んでくれる人には、感謝の気持ちでいっぱいになるし、とても嬉しく思う。
来てくれる人に喜んで欲しいと思うけど、人がどう思うかを決めることはできないし、どう感じて欲しいなとどいう、希望は持たないようにしている。
私は、あなたに会えて、とてもとても嬉しい。
ただ、それだけ。

窓を開けたら、たぬき

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