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わたしのルーツ


あったかい11月もおしまい。
季節は冬です。
うちのハウスがあるところは
秋の終わりから日がほとんど当たらない
とっても寒い日陰です。

トマトもおしまい。
ありがとね、トマトさん❤︎

今わたしは、
なかがき農園のトマトシリーズ販売のために
準備を進めています。 
3年前から始めた加工品販売。
製造は委託していますが、わたしが農業に携わるきっかけとなったのもこの加工品。
加工品は作らなくていいと言われていたら
わたしは今間違いなく農業をしていないと思います。

地元や日本各地の友人にも美味しいトマトを食べてもらいたい!

そう思って始めた加工品販売。
でも、ずっとずっと昔からその思いがあったことを思い出したのです。
それは私の生い立ち、そのもの。

(2019年なかがき農園トマトシリーズ)

ぶっ飛んだ両親に育てられた私。
40年以上前に『移住』という言葉が今ほど
浸透していなかった頃
父も母も生まれ育った地から遠く離れた広島に移住。

山を開拓し、
井戸を掘り、
家を建て、
家畜を育て、
豚肉、牛乳、卵をいただき
畑を耕し野菜を育てる。
山菜を採り、
果樹を植え、私たちに季節の果物を食べさせ、
木苺をおやつに木に登り、
動物たちと駆け回って、
父が薪で沸かしてくれる五右衛門風呂がサイコーにあったかくて。
水不足の年は浅い井戸では枯れてしまう時もあったり、
たまに雪が多く、そり遊びが楽しい一方、水も凍り不便なことも。

手造りの家は、台風の時は倒壊の恐怖で
家族みんなで丸くなって怯えていました。

人付き合いが苦手な父が好んで山に籠ったのに
何故かいつも人が集まってきて、
『山本村』と呼ばれていました😀

外でみんなでご飯を食べて、
寝そべって、
星を見て、
みんなで寝る。

楽しかったなぁ。

自然が相手、
いのちと向き合う日々
それは時に本当に大変で、でも確かに「豊か」でした。

豚をお肉にするためトラックに乗せたとき
わたしは『かわいそう』と言った。

父は『感謝だ』と言った。

飼育する人がいる、
豚を殺すのが仕事の人もいる、
お肉を綺麗に処理する人がいる、
だから美味しいお肉が食べられる。

かわいそうはちがう。
感謝していただく。
命をいただいているんだ。


いつもそう教わった。


私は豚が出荷されるのを見るのは嫌だったけど
命をいただく尊さを小さい頃から目の前でみてきたのです。

(蒜山高原のジャージー牛。うちにいた牛も全てジャージー牛で、濃厚なミルクでした)

うちの牛や豚たちは、放し飼いにしながら本当に私たちが暮らすに必要なだけの頭数。
そして、鶏も放し飼い。
卵を少し販売できるくらいの羽数。
野菜もおなじく。食べるのと知り合いのぶん。

必要なぶんを必要なだけいただく。
そして、決して無駄にしない。

『命をいただく』
お肉を、卵を、乳を野菜を余す事なく食べれることを仕事にしたい!

高校の時、進路指導の先生に話したこと。

結局、進学はしなかったので
そんな話をしたことはいつの間にかすっかり忘れていました。

飲食店で働く中でフードロスを知り、
なんとかならないかと考え、
主人がトマト農家になって初めて、

世の中には流通させてもらえない野菜がこんなにあるのか!!

と気付き、
だいぶ長くなってしまったけど
私が加工品にこだわるところには
·『 山本村』という地図には無い産まれ育った環境が
ルーツなんだということを改めて感じているのが現在です。

もぅこれやるしかないよね!!
今後どう活かしていくか自分でもワクワクします。
(みんなも一緒にワクワクしよぉ!!)

(我が家への入り口はトトロの道と言っています)

ちなみに、両親を知る知人には
『あの両親に育てられたあなたは
 どんなとこでも、何があっても
 生きていけるから!大丈夫!』
なんて、よく言われます。
ほんとにそう思う。笑


831企画
中垣 のあ

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