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お尻の跡からプロファイリング【埴輪紹介所その20】

一見、椅子形埴輪。

ですが、座面をよく見ると、人物が座っていた痕跡があります。

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もともとは人物埴輪だったのです。
座っていた埴輪は立ち上がってどこかに行ってしまった。

残された椅子部分から、消えた人物のプロファイリングをやってみましょう。

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座面を支える脚部は、前後2枚の波打つ板と、

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左右2枚の山形の板。

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脚部前面には直弧紋。

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座面の脇にも直弧紋ふうの紋様。
けっこう良さげな椅子、ということまではわかるが、人物についてはこれじゃわからん。

だいぶ低い椅子だ。脚を下ろしたらひざが上がって座りにくそう。
脚が短かったのか。
いや、あぐらをかいていたのかも。
いやいや、座面の座り跡からして、脚を下ろしていたはず。
やっぱり脚が短…

ちなみに、座る人物埴輪には男子埴輪も女子埴輪もあります。

島根県松江市の石屋古墳出土の人物埴輪。
同じ古墳からほかにも埴輪が出ています。

この馬形埴輪の存在も、はにこの推理の理由です。

所蔵は島根県立八雲立つ風土記の丘。

撮影は2017年、列島展(江戸東京博物館)にて。

座っていた人物が現れるといいなあ。
またね。

お読みいただきありがとうございます。サポートいただきましたら、埴輪活動に役立てたいと思います。