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性別不明のスーパープリンス国宝くん【埴輪紹介所その52】

なぜこの埴輪が国宝か。

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埴輪をたくさん見ていれば、すぐ見当がつく。
装備の充実。
全身に甲をまとう。
上半身には挂甲(けいこう)、腰からは草摺(くさずり)が続く。
肩甲、前腕を覆う籠手(こて)、太ももを覆う膝甲(ひざよろい)、膝からくるぶしを覆う臑当(すねあて)など。

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右手に大刀、左手に弓。
左手首には弦の跳ね返り防止の鞆を巻く。

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背面も抜かりない。

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矢入れのユギを背負う。ただし、実物に比べかなり小さい。

ここまで完全武装している埴輪はほかにない。重そう。
そして、がっちり武装しているからこそ、挂甲を結び合わせる2か所の蝶結びのかわいさがきわだつ。

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冑を深くかぶる。頬当てで横顔は見えない。
頂部から前中心に貼り付けられたパーツには、鋲が打たれている。
あまりとがってないけど、衝角付冑(しょうかくつきかぶと)がモデルのもよう。

群馬県太田市飯塚町出土の人物埴輪。高さ130.5cm。
所蔵は東京国立博物館。

トーハクのサイトで、NHKのこんなページが紹介されていました。

英語など17言語の音声での解説あり。古谷氏の言葉あり。
今のところ埴輪のページはこれだけ。

トーハクのスーパープリンス。
髪型がわからないので厳密には性別不明。

撮影は2014、2017年など。

単独で国宝に指定されている埴輪はプリンスのみ。
ちなみに、同じ遺跡からの埴輪を含む出土品が一括で国宝指定された例があります。

プリンスの出土古墳は消失してしまった。

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でも仲間はどこかにいるかも。

またね。


お読みいただきありがとうございます。サポートいただきましたら、埴輪活動に役立てたいと思います。