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泣いてるの? 怒ってるの?【埴輪紹介所その48】

わあわあ言ってるらしいことはわかる。

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大きな目と大きな口で、何かを訴える。
現代人には聞き取れない?
いや聞こえそう。埴輪はそれぐらい現代日本人にも近しい。

冑と盾が連携するように横に広がる。

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盾には線刻と彩色。鋸歯紋×赤は埴輪スタンダード。

群馬県高崎市の保渡田八幡塚(ほどたはちまんづか)古墳出土の盾持ち人埴輪。高さ102cm。
所蔵は「かみつけの里博物館」。

同じ古墳から、まったく違う頭の盾持ち人埴輪が出土しています。

保渡田八幡塚古墳の二重の周壕の内堤には人物や動物の埴輪が配されていた。
盾持ち人埴輪たちはその群像の中ではなく、外堤に並ぶ円筒埴輪のあいだに立っていた。
立つ場所が違う、つまり立場が違う、すなわち課された任務が違う。

「盾持ち人埴輪」は特殊な埴輪である。埴輪の中でも一つのジャンルをなす。その証拠に、盾持ち人埴輪だけの展示『第21回特別展 古墳の守り人 盾持ち人はにわと古墳』(2012年)が「かみつけの里博物館」で開催されていた。彼も出演。この展示は見に行けなかったけど、図録は入手済み。読み返そう。
いちばん最初に彼に会ったのは、かみつけの里博物館でのこと。もう10年以上前だ。盾持ち人が強烈だった。帽子なのか冑なのかわからない被り物と、顔。そのとき入手した図録『第3回特別展 顔・かお・KAO』(1998年)にも彼がいる。

上記ショップサイトではお試し版が読めます。

その後2020年、『盾持人埴輪の世界』が埼玉県立さきたま史跡の博物館にて開催。撮影はそのとき。

ちなみに、2019年『開館40周年記念・第99回企画展示 集まれ!ぐんまのはにわたち ~日本一の埴輪県~』(群馬県立歴史博物館)でも彼に会いました。

またね。


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