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ただものじゃない【埴輪紹介所その26】

この孔、何?
三日月形、と言っていいのかな。

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孔の先端がとがっていると、そこからひびが入りそう。形もさることながら、孔の比率が高すぎないか? 粘土は節約できるか。
総じて、壊れやすそうだ。
実際に壊れた状態からここまでつなぎ合わせて展示されているわけだが。それはどの埴輪も同じとはいえ、この埴輪は特に危なっかしい。
もっとも、壊れても今に至るまで存在し続けている、というのはすごい。

ところで、口縁部の内側を見ると、二重口縁ではないことがわかる。
しかし外側は

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開口部のすぐ下に突帯がめぐっていて、二重口縁ふうのデザイン。

ただものじゃない埴輪だ。作った埴輪時代人も、ただものじゃない。誰が作ったのか。名も知らぬセンス職人。

高さ、目測で30㎝程度。

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これで全体かどうかわからない。もっと背が高かったかも。

茨城県石岡市の佐自塚(さじづか)古墳出土の円筒埴輪。
所蔵は明治大学博物館。

撮影は2017年と2018年、明治大学博物館の常設展示で。

またね。


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