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今だから話す、私が相撲を好きになった理由 #エッセイ

渦中の騒動がありますね。ただただ、残念に思いながら、ニュースを見ています。複雑な思いもありますが、今回は、いちファンとして、相撲の魅力を書きたいと思います。

「何かを嫌いになることに理由はいるけれど、好きになるのに理由はいらない」という話がありますが、私は、相撲の場合には、好きになった明確なきっかけがありました。2014年のGW、能登半島への旅行です。

おいしい格別な能登旅行
この旅行では、GWということで、友人数人で、能登で起業をした友人を訪ねました。友人は、能登の新鮮な魚を都市部に販売したり、地域おこしに携わったり、という仕事をしていて、地元のお店や漁師さんたちとも親しい。付きっきりでガイドしてくれたことで、とにかく美味しくて、ディープな能登が体験できました。
料理店で食べた、大量で大粒の焼き牡蠣。食堂で食べたカレイのから揚げ。
それに、朝の漁港で魚を買い付け、民宿の調理場に持ち込み、目の前で捌いてもらったこと。鮮やかなご主人の手つきでもって、さまざまな部位に分けられる魚たち。肝醤油で食べるカワハギの刺身に、濃厚なアンコウの刺身や酢味噌和え。その美味しさは、格別でした。
巨大な山車を街中に引き回す「七尾祭」も見学し、なんと山車の引き回しに加わることもできました。

結果的に相撲と縁深い旅に
そんな能登ですが、実は、相撲がとても盛んな地域だそうです。
子どもの相撲大会も多く開催されるなど、草の根から人気があり、現役力士では遠藤関や輝関、引退した力士では、出島関や輪島関などが能登出身だそうです。旅行中、狙ったわけではないのですが、なんと牡蠣をごちそうになったお店の大将も、民宿のご主人も、みんな元力士でした。

そして、漁業について話を聞きに行った穴水町の漁師さんは、遠藤関とほぼ親族のような付き合いをしているというのです。
若者(比較的)がたくさん来たことが嬉しかったのもあってか、子どものころからの遠藤関の話をしてくれました。化粧まわしを贈っていること、東京や名古屋で開催される場所には、バスをチャーターして応援にかけつけること、応援グッズを作っていること。
嬉しそうに、話すんですよね。漁師さん。
まだ寒い5月初旬の能登。立派なちゃぶ台を囲んで、温かいお茶とふかふかの座布団でもてなしてもらいながら、遠藤関の写真を回し見して、わいわい過ごす、のです。

田舎っぽい、といえば、とても田舎っぽい。土の匂いがするような、光景。けれども、なんか、すごくいいなと思ったんです。

濃厚な関係性を、土の中で育んできた競技
多分、相撲が「国技」とされるほどに長い伝統をもってきたのって、こういう、濃厚な土の匂いのするような関係性の中で、愛され続けてきたからなんじゃないかなと、思いました。そして、「伝統」ということばが、うわべだけのものではなく、確かに愛され、受け継がれてるものなんだなぁと思ったら、何だか興味が沸いてきました。

そんなわけで漁師さんに影響され、場所の観戦に行きました。
力士の迫力に、圧倒されました。立ち合いでぶつかり合うときに激しい音がすること、立ち合い後には体から湯気が立ち上ること、本当に力士は大きく見えること。
ついでに、土俵入りや弓取式といった幕間の行事があったり、幕の内弁当やちゃんこなど独自のグルメがあったりと、本当、エンターテインメント性が高くて、面白かった。

それ以来、特別詳しかったり、大ファンというわけではないのですが、私は自分を相撲ファンだと思っています。
今は人気過ぎて、チケット全然取れませんが、また生で、観戦したいと思っています。

今後も、多くの名勝負が生まれること、純粋に楽しめることを、心から願っています。

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