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大道具という仕事

この仕事をもう35年やってます。

大道具の仕事というのは

舞台美術のアナログの部分を作ったり飾ったり撤収したり・・です。

25年ほど前に北海道に来て、20年ぐらい前に

独立してからも大道具一本でやってますが

こと北海道に来てからの考え方なんですが

「できない」を言わない。

という事にこだわってやってます。

僕らの仕事のクライアントさんは

お芝居の演出家とかバレエ教室の先生とか音楽家とか

いわゆるアーティストの皆さんです。

発想が豊かで普通の人がこんなことやろうなんて考えない

ようなことを言い出してくれたりします。

そのクライアントさんの希望に沿うために

あらゆる手段を講じて形にしていくのが大道具の仕事です。

最近なら大道具の範囲超えてたりしますが・・

そんなぼくらが「できない」というと

クライアントさんの発想が世の中に生まれ出れなくなったりします。

また、僕らの実力に合わせてしまい、できることに制限をかけると

クライアントさんの夢見たものにはならなかったりしてしまいます。

でも、知らないことは知らないし、わからないことはわからないし

器を超えたことを言われるし・・

そんな時は

人を頼ります。恥ずかしげもなく助けを求めます。

舞台芸術というのは「総合芸術」でして

大道具、小道具、衣装、メイク、照明、音響、特効、映像、etc・・

あらゆる芸術が合わさって出来ています。

なのでツテさえあればあらゆる知識が手に入ったりします。

自分にできなくてもやってもらえたりします。

経済的な問題はもちろん出てきますけど・・

それでも、クライアントさんの夢の実現のためには

あらゆる手段を知っておくことは必要だと思っております。

そんな僕が先日、バレエ教室の先生に「できない」を進めてしまいました。

コロナ野郎のせいです。

延期、中止・・一年以上かけて準備してきたものが

あっさりと破棄されていきます。

バレエなどの定期発表会はまさしく「一期一会」で

来年になると、卒業進学転勤などの影響で同じメンバーがそろわず

成長期の生徒さんは今年の衣装はもう着れずで

全く同じものはできなくなります。

命や健康と発表会がてんびんにかけられるという異常事態の中

ぼくは、教室の将来のために中止や延期を進めたりしています。

ほんとに特別な一年となっています。

あるいみ夢のような一年になりそうです。もちろん悪夢です。

しかし、夢ならいつかさめるでしょう。

起きたらすぐに動き出せるよう

今日は酒を控えますね。

みなさまもご健康で!














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