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雨の雨竜沼湿原を歩く

雨竜沼湿原は札幌から旭川に向かう途中滝川市の北、雨竜町にある
町からは西方の暑寒別岳に向かってとても長い林道が続いている
私が最初に訪れたのはかれこれ四十年前
まだ二十代の頃だった
当時は途中からすぐに砂利道に変わり登山口の山小屋南暑寒荘までそれが続いていた
自転車で旅行していたので悪路を息を切らしながら押して歩いた記憶がある
途中には草に埋もれた廃校跡があった
それが強い印象となって心に残っている
現在はダムまでは快適な舗装道路でその先は砂利道と舗装が交互に現れる
それでも道の両側は草が生い茂りだんだん狭くなり運悪く対向車が来ればちょっと恐怖だ
知らない人なら本当に登山口に辿り着けるのだろうかと不安になるかもしれない
そんな所にノコノコとやってきたのはその日は一日中雨の予報だったからだ
こんな日は傘を差して高層湿原を散策しよう
そう考えたのだった
雨竜沼湿原ゲートパークキャンプ場と洒落た名前の付けられた登山口には真新しい駐車場、トイレ、管理棟そして一番奥には二階建ての山小屋があった
全てが新しい

インパクトのある看板がお出迎え

午前五時出発
日の出が早いので外はすでに明るい
ペンケペタン川沿いに歩く
途中二箇所の吊り橋を渡った

両側から伸びた草で道が飲み込まれそう
一年で一番植物に生命力がみなぎっている季節だ

私はカメラを取り出して写真を撮りながら歩いたので後から登ってきた女性二人組と抜きつ抜かれつであった
二時間程で湿原の入り口に着いた
霧雨でハッキリとは見通せないが懐かしの風景が飛び込んできた
湿原の向こう空との境界に樹々が並んでいる
幻想的な雰囲気だ

広大な畑に並ぶ防風林に見えたりする
しかしここは人の生活する耕作地ではない不思議
コバイケイソウも今が盛りだ

前方には南暑寒別岳が見えるはずだが垂れ込めた雲の中だ

途中の木橋が壊れているので湿原の周回はできなかった
視界が悪くなってきた
今回は末端の展望台まで行く事なくアッサリと引き返してきた
あの夏の日の青空と緑のコントラストはなかった
しかし水に濡れた幻想的な雨竜沼湿原がそこに待っていてくれた
私にはそれで充分だった

シナノキンバイ

#雨竜沼高層湿原 #雨の日 #林道 #北海道

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