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そんな母がオーラを見た。ついに。

この人にだけはぜったいに話さない。
「は?」
って言われるだけだから。それだけのことがどうしようもない程に悲しいから。


・小学5年生の夏。

家庭訪問で担任の先生が母に「ZENちゃんオーラが見えるらしいですね」といいやが…っしゃった。
うちの母は肉体を操るのが上手だ。栄養士だし理学療法士だしムキムキだ。一方私は対局の精神世界の極にいるヒョロガリだ。
母は得体の知れない物を見るような目で「何、どういうこと?」と尋ねた。嘘じゃないかと訝しむわけでも、責め立てる訳でもない。キョトンとした顔で何を言っているのか訊ねていた。11歳の私にとってそれはとても悲しかった。誤解ですらなく、ただ一番近くにいる人と、世界の前提が違うということが。
説明したら明日から母にとって私が遠くなってしまう。家に居場所がなくなってしまう。宇宙人だとバレたりしたら連行されるかもしれない。そう思って怯えた私は聞こえないふりで乗り切った。強行突破だった。なぜそれで乗り切れると思ったのだろうか。しかし母はそれ以上聞いてくることはなかった。子どもの事だし、みんなの興味を引きたくてヘンなことを言うことあるよねと片付けたのかもしれない。


・中学2年生の冬。

閉じ込めた意識を解き放つために頭頂部の毛を抜いて、カツラを被り、自我と真我を切り替える蓋として活用していた。
この時も、母にだけは本当のことを言わないと決めていた。
言わないもんだから病氣だということになり薬をもらっては捨て、抜いては貰いを繰り返した。お金がもったいねーと思った。そうまでして蓋を綺麗に保ちたかったのは、意識の範囲がマクロな私にとって、建前を本音と思い込むことはそのくらい難しかったからだ。ハゲとヅラの二つ名を手にしてようやく、顕在意識と潜在意識を切り分けることに成功した。

先日、母とその頃の話をした。中学校ってどうしてあんなに理不尽なんだろうねという話だ。
不意に母が
「そういえばあのハゲ、自分で抜いとったんやろ?何でそんなことしたと?」
と言った。
バレた。
叔母だ。叔母はインターネットに明るい。私のTwitterからnoteに辿り着いていてもおかしくない。しかも母と叔母の間の情報網は有線並みに速く強い。それから、叔母が読んだであろう記事には毛を抜いた理由が詳細に綴られていたはずだから、母にそれが伝わっていないということは、叔母は理解できなかったのだ。それだけ違うのだ。感じている全てのことが。
私はもう時効だと思い、部長の役から抜けられなくなって苦しかったので頭のてっぺんから抜けられるようにしたのだと白状した。いちばんラクな意識ポジションが三人称であること、ハイヤーセルフと同体なのがデフォルトであることなども説明した。
宇宙人の娘にも慣れてきた母だ。流石に否定はしなかったが、分かったような分からんような表情で衝撃的な言葉を発した。
「ほーん、部長って大変だよってアピールするために抜いたのかと思ってたw」

本当に、言わなくて良かった。
この言葉を当時聞かなくて良かった。当時母にありのままの悩みを相談したら間違いなく何も伝わらなかっただろう。別の病院に連れていかれたかもしれない。家にも学校にも居場所がなくなっただろう。
ひとりで、よく耐えた。よく工夫したよ。


・高校2年の冬。

色や音波動の扱い方や光瞑想、センタリング、宇宙人が知っておくべきチャクラバランスの整え方などを教えてくれた私のメンターが、私の母にズバリ言ってくれた。
「この子は地球にふらっと遊びに来た宇宙人よ」
「波動の高い星々の常識を持ち込んで、心に素直にいるだけで周りの人に安心を思い出させて、新しい時代の価値観をつくるの」
メンターと私はベガとシリウスで一緒だった。彼女は強い人で、地球に直行して真っ直ぐな瞳と言葉で戦う愛の戦士になった。私はアルクトゥルスに寄って、地球と歩幅を合わせたり優しく共感するヒーリング力を培った。
そんなメンターと私を地球で繋いでくれたのがなんと母なのだ。母の周りにはスピリット重心の人間が集まる。動物と植物も集まる。
そんな母はメンターの話を聴いて、「ZENに似て不思議な人やなぁと思ってたけど……よう分からんけど……やけん2人とも不思議なのね」と半分くらい腑に落ちた様子だった。

今では人のオーラと魂を観ることをなりわいにしている私だが、このお仕事を始めたことさえ母にだけは話していなかった。本当のことを話したのは21歳になってからだ。

今ではたまに「色見てよ」とおちょくられる。
台詞だけだとおちょくっているように見えないが、明らかに顔がおちょくっている。

今日も言われた。オーラ見てと言われて見るのは楽しいが、その後に「〇〇色ってどういうこと?」と聞かれるのが嫌いだという話をした。
見たことがない色なら分かるけど、例えばレモンイエローなんて、知ってるじゃん。どんな印象を受けるか想像したらいいじゃん。
エネルギーを説明することはできるけど、それはあなた越しに見た私の解釈に過ぎない。加えてエネルギーは湯氣のように常に流れているから、色だって「この瞬間の私とあなたの間の氣」に過ぎない。
色のパワーを説明したら「すげー!オレってこうなんだ!」と喜んでくれるのが、悲しい。喜んでもらえるのは嬉しいけどね。私が付けた意味であなたを決めつけないでほしい。あなたがその瞬間に惹かれる色があなたのパワーなんだ(私にとって見えやすいのがエーテル体の内側のもっとも生理現象に近い表面的な色なのでこういう書き方をしている。その人の魂の目的など本質的な色は、コミュニケーションをとる中でだんだんハッキリ見えてくる)。

と熱弁するのを、母はクラウンチャクラを開けて聴いてくれた。母が第7チャクラをぱっかり開いて話を聴いてくれるなんて想像だにしなかった。有り得ないと思ってた。
頭のてっぺんからちょこっとクロッカス(#b0a7d1)(明るい青紫色)が覗いていて可愛かった。
感覚を研ぎ澄まし直感をスっと受け入れるモーブに、脳に刻まれた常識や情報と照らし合わせて飲み込むブルーが合わさって、白に近いクロッカス。

私の話を聴く母の頭上に紫が咲くなんて。そうか、もうこんな時代か。目頭が熱くなった。もう少しで母の魂もミッションコンプリートかもしれない。


ちなみに誰だってオーラは見られるよ。
サードアイの心地いい使い方はまた別の記事で書くね。ちょっとコツを掴んだ母が面白がって私を見てくれた。「オレンジがみえる!」って。この前チャージしたオレンジパワー、ちゃんと活性化してて嬉しい🧡

母、分かろうとしてくれてありがとう。

私、悲しみも抱きしめてここまで来てくれてありがとう。

最高の時代だね。ここを選べてよかった。🌏

読んでくれたあなた、会えて嬉しい。ありがとう。

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