#15 注射が痛くて涙。抗がん剤投与後の白血球減少という副作用について。
ラジオおおだてにて、第1・第3木曜日、午前11時30分より生放送で乳がんの番組を担当しています。
乳がんでありながらも役割を与えてもらえていることは、本当に幸せなことだとつくづく思います。
大館の地方紙「北鹿新聞」にも、番組と関連したコラムを放送日に合わせて連載頂いております。
ご理解いただいている番組スポンサー様や新聞社様には、心より感謝です!!
◆抗がん剤投与後の骨髄抑制。自覚症状のない副作用について
抗がん剤の副作用には、①自覚症状があるもの ②自覚症状の無いもの
この2種類があります。
①の自覚症状は、吐気、倦怠感、脱毛などといった、副作用として一般的に良く知られている症状です。
厄介なのは、
②の自覚症状の無いものです。
ザックリ言うと抗がん剤は、細胞分裂が活発なものに作用し、その細胞の機能を低下させる役割を担っています。
がん細胞は通常の細胞より細胞分裂が活発なので、そこを狙って、がん細胞の増殖能力を低下させたり、その結果、がん細胞そのものを死滅させていくと言う治療方法です。
そこで細胞分裂が活発な骨髄がターゲットとなってしまうわけです。
骨髄とは、骨の中心部にあり、血液細胞(白血球、赤血球、血小板)をつくる組織のことです。※ググった(笑)
抗がん剤投与後、細胞分裂が活発な骨髄の血液細胞を作り出す活動が抑制されてしまい、結果として(副作用として)白血球や赤血球が激減することがあるのです。
ただ、白血球や赤血球が少なくなった~と言うこの副作用は、痛くもかゆくもないという自覚症状ゼロなのが怖いのです!
特に血液細胞の中で「白血球」は免疫特攻部隊です。(この表現、育ちがバレる💦)
免疫が激減しているという自覚症状がない状態で、人や食事などからの感染で風邪やばい菌をもらったり、流行の新型コロナウイルスに罹ったりしたら大変なわけなのです~💦
◆そこで登場!造血剤「ジーラスタ」
自覚症状のない副作用「骨髄抑制」は、血液検査での数値でしか診ることができません。
極端に白血球の数値が下がっている(白血球の中で、好中球とよばれるものの数値も重要)時は、骨髄の活動を活発化させ、血液細胞を作ってもらうことで数値を改善する造血剤「ジーラスタ」を注射します。
つまり、抗がん剤で下がった数値を、造血剤で上げるというわけです。
薬の副作用を薬で改善、体中薬漬けになるわけです。(お手上げ・・・( ;∀;)
このジーラスタ様、皮下注射となっていて二の腕の裏側に注射するのですが、とにかく痛い・・・
さらにさらに、骨髄を薬で無理やり活発化させようとするとどうなるか。
首や肩や腕や足や、とにかく重い筋肉痛や節ぶしの痛み、そして激しい頭痛・・・
(※人によって症状は異なります)
あ~、こんなにも薬漬けになった私の体は大丈夫なのだろうか~。
最初の頃は本当に心配でした。
ですが!人間ってすごいんです!!
元気な細胞たちが懸命に働いて、私の身体を正常なところに導いてくれるのです。これ、本当~に感動です。
人間って想像以上に強い!
めちゃくちゃカッコイイです!!
このくらいの事じゃ、体はへこタレないんです。
生きていると色々思い悩むことがありますよね。
関連づけるのも違うかも知れませんが、私は恐怖のジーラスタから、肉体の強さを知ることが出来ました。
抗がん剤を打っても、副作用改善の薬や注射を繰り返しても、肉体は正常に戻ろうと必死に使命を全うしようと働きます。
なんて美しいでしょう。
内なる我が細胞に心を通わせると、日々のモヤモヤなんてどうでも良いレベルなのかも知れないとすら思わせられます。
乳がんは、毎日私にたくさんのことを教えてくれます。
感謝
強さ
美しさ
しなやかさ
今、乳がんになって、私の人生の本番がスタートしました!
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