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#24 がん治療とお金の話①~基本の考え方と行動~

乳がんステージ3cの診断が下され、治療開始から1年が経ちました。
手術・抗がん剤治療・放射線治療・ホルモン療法を経て、これまでかかったお金の総額が見えてきました。

先にお伝えしておくと、
手術、外来受診、薬代の総額は

997,102円(税込)

となりました。これは直接私のお財布から出ていったお金の総額です。

この金額を基軸に、がん治療とお金のことについて、何回かに分けてまとめてみたいと思います。

◆お金が出ていかないための、基本の「き」!

まずは当たり前のことですが、がんが早期に発見される場合と、
私のようにステージ3まで進行している状態で発見される場合では、
治療の種類と長さが異なります。

治療の種類と長さがお金に直結するわけですから、大前提としてがんにならないこと、早期発見につなげることが賢明です。

 生活習慣を整えると同時に、早期発見につながる行動をする。検診にかかる費用と時間、食生活に関わる費用と時間、運動に使う費用と時間、これらをとにかく惜しまないことに尽きます。

 乳がんに罹患した私は、お金と共に膨大な時間を治療に費やすことになりました。時間を奪われることは、私にとって治療費以上のコストでした。大きな負債だと感じてきました。

 一番にお伝えしたいのは、がんになったらいくらお金がかかるかを考える以前に、まずは「生まなくて良いコストを生まないための考え方と行動」をしっかり理解しましょうということです。


◆がんになると収入が減る!

 前述したことを踏まえ、がんになるということが、お金にどう影響するのかを考えてみます。一番はお金を生み出す「労働」に影響を及ぼします。
単刀直入に言うと、収入が減少する、もしくは途絶えることにつながります。

 がん治療のポスターや冊子では「治療しながら働けます」とうたっていますが、それは治療後1年以上経過した後の話だと私は思います。

人によっては、手術後も抗がん剤治療中も元気にされている方もいらっしゃいます。ですが、私の場合、術後はパソコン作業や運転も厳しく、抗がん剤治療中は頻繁に体調不良に陥り、一日の半分は寝たきりで、症状によっては入退院を繰り返しました。

 みそソムリエというフリーランスの仕事は、ほぼできない状態になりました。つまり収入がない時間が続いたということです。

 会社員の場合は保険組合や雇用関係の保障などで収入が途絶えることはないにせよ、時短勤務や休職などによる収入減少は必至です。治療と体調に「時間を奪われる」ことで、これまで入ってきたお金が減少することになります。

 お金という物理的な問題のほか、勤務態勢が変わることで職場や同僚など人間関係に精神的な不安が生まれることもあるでしょう。また、私のようにフリーランスの方は、収入が発生しないことに合わせ、将来自分に需要があるだろうか、という不安も生まれるのではないでしょうか。

 がん治療と言うと、出ていくお金の総額にばかり意識が向きがちですが、まずはその金額を最小限にする考え方と行動が大前提。そして、平常時に得られていたお金が、罹患に伴って一定期間減少するという現実を改めて認識しておきたいと思います。

 私は収入減と治療費出費のタイミングが、息子の大学受験というライフステージと重なりました。人生最大のホラーです。


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