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欲望ごはん#6〜煮込みうどん〜

うどんたべてえ!という欲望にかられて、
帰路から少し離れたスーパーにネギを買いに。

どんなにめんどうでも、ネギが入っていないうどんは許せない。
駅近くの小型スーパーをのぞいてみたが、ネギがなく、少し離れたショッピングモールの一画にある野菜屋へ。八百屋というより、「野菜屋」ってかんじだ。

駅前の小型スーパーでは、ネギがないスーパーなんてありえる?ともやっとしたが、まあ夕方だったのできっと売れてしまったのだろう。ネギは冬に欠かせない食材だもんね。

野菜屋に、残り五本となったネギを発見。
一日中お客の目に晒された後で、生気がないネギしかいなかった。
私も仕事終わりで割としなびてるので、ネギばかりがそうではないのだが。

転職をして、今のところは定時で上がっている。繁忙期の渦中の突然の転職者に、現場も追いついていないのがわかるから。
たいして働いてないのに、申し訳ない気持ちと気丈に見せる笑顔をつくる自分に疲れている。

袋の有無を聞かれた。なんとなく、ネギを鷲掴みして闊歩する勇気がなく、ネギ一本のみが入ったビニール袋をぶら下げて帰った。

わたしは昔から煮込みうどんが好きで、
祖母に食べたいものを聞かれると、「うどん」と呪文のように言う子供だった。(真夏でも、煮込みうどんが好きだった。)

大人になり、いろいろ料理は作るし、最近は無水調理にはまっていた。アクアパッツァとか横文字の料理を作っていたが、転職後、うどんが食べたくなっているあたり、ちょっと自分、今しんどいらしい。

新しい環境って、最初はしんどいものだけど。

前職は新卒からお世話になっていたので、同期がいた一方で、今は1人だ。
1人って心細いのだな、と改めて思った。
ここにきて、横で一緒に頑張ってくれる存在が恋しい。

うどんは実家の味がして、すこし安心する。
年末年始が待ち遠しい。あたたかい実家に、早く帰りたい。

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