きのう何食べたか思い出せないけど、校長先生の話は全部おぼえてる
最近記憶力が明らかに落ちてきた。
もともと記憶力は良くない方だけど、きのう何食べたかを思い出せないこともめずらしくない。
そんな自分だけど、高校生活3年間の校長先生の話は全部覚えてる。
いや、正確に言うと、「何を言ったハズかを知っている」
なぜって、三年間「一日一善」しか言わなかったから。
夏休み前だろうが、冬休み前だろうが、どんな大事件が起きようが、「一日一善」にまつわるエピソードしか言わなかった。
高校生だった当時は、変な大人だなと思って笑ってたんだけど、ふと思い返すと本当に凄いことだったんだなと、しみじみ思う。
その高校は、ど田舎県の進学校で、宗教系の学校ではなかったけど、校長先生はお坊さんだった(現役だったかは覚えてない)。
当時から割と「ザ・おじいちゃん」という感じだった。
どういう思いで「一日一善」と言っていたのかは話されたような気もするし、そんなのなかったような気もする。
ただ「一日一善」ってずっと言っていた、という記憶だけが残っている。
高校3年間で聞いた校長先生の話なんて、ひとつでも覚えている方がめずらしいと思う。
人の心にずっと残る言葉なんてなかなかない。
ましてや、明日から長期休みだ!と浮き足だった生徒の心に残るものなんてほぼほぼないだろう。
三年間かけてようやくひとつ。
そう思うと、ほどよく力が抜けて気が楽になる。
話の内容以上に、生き様でみせてくれる校長先生だった。
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