風邪のあと

風邪のあと


すいこんだ空気は水の味
肺にとどいてひんやりする
歩く地面がやけにかたくて
足のうらの思いばかり気になった

ふたつのちいさな足は
からだを先へとはこんでくれる

茂る木々のむこう
おおきな芝生をみつけて
おもわずころんと寝ころんだ

立場をなくしたふたつの足は
ふと よろこんで
草と 土と からだのあいだに
わたしはなんにもいなかった

枯葉にまみれて
寝返りする
午後の陽がとおりすぎ
腹のしたの緑を照らす

葉を砕く音
まんまるの空は空へ

眠ったことにきづかず
昼寝をしていた

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