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端っこ、ひとりぼっち

私がライブハウスに初めて足を踏み入れた時、そこは1人の集合体というか、みんなが何かを抱えていて、音楽に救いを求める人が集まる場所というか、多分そんなことはなくて好きで見に来てる人も沢山いたと思うけど、少なくとも私は、1人で救われにいくそんな場所だった。

最近、友達とか彼氏と一緒にライブに行くことも増えて、それはそれは超楽しい。ずっと1人で見てきたのをその場で同じ好きを共有できる人がいることってすごく幸せだと思う。

でも私には1人で見るライブも必要で。
みんなと見るライブには笑顔があって、1人で見るライブでは涙がある。みんなといたら泣けないってわけじゃない。でも性格上、あまり涙を見せたくなくて堪える。

昨日、すごく好きなバンドのライブに行った。
友達と連番で行ったものの、私は人見知りだから連番の子は仲良い他の子達と見てて、私は1人で見てた。
正直すごく寂しかった。なんでだろう。
昔は1人で見てたじゃん、ずっと1人で満足してた。
でも周りを見渡したら1人でいるのなんて私だけじゃん、私だけ友達がいないんじゃん。そう思っちゃった。

それに不満があるわけじゃない。ただ自分には無いもので羨ましかったり、恨んでしまいそうになったり。
すごく寂しくなった。でも、音楽はそれを飛ばしてくれる。いつでも私を救ってくれる。

目当てではなかったバンドの方が先に始まって、ライブハウスの端っこでお酒を片手に目瞑ったりして歌詞を一生懸命聞いてた。

過去の恋愛、今の恋愛。それぞれに当てはまってしまうそのバンドの歌詞は私を震わせた。2曲目では大泣き。フロアは楽しそうに飛んでいる、手拍子を打ってコールアンドレスポンスをしてる、それでも私にはボーカルの声しか聞こえなかった。不思議だった。1人で泣いて、独りで寂しくなった。今日なんで、好きな人を連れて来なかったんだろうって思った。ひとりが嫌だった。

目当ての、大好きなバンドの番になった。
独りが怖くてまたお酒を飲んだ。後ろで見ていようと思って後ろの壁に寄りかかってスタンバイしてた。
だけど違った、気がついたらまだあとひと口分残っているビールをバーカンに置いて知らないうちに足は前に、前に。私がほしい言葉をくれるバンド、ほしい曲をくれるバンド、優しい声、どこよりも大きい音。
私の涙が溢れるには十分すぎる空間だった。

今ずっと悩んでいることがたくさんあって、ボーカルのMCとか、曲中の「頑張れ頑張れ!泣いてもいい、笑ってもいい」に私は何度救われてきたか。

途中立ってるのも辛くなるくらい涙が出てしまって、後ろに下がろうか迷うほどになってしまった時、後ろにいた男の子が私の名前を呼んで背中をさすってくれた。
連番相手の子だった。その優しさに触れてまた私は泣いてしまった。さっきは羨ましくてずるくて、嫌だ寂しいと思っていたことをとても申し訳なく思った。

私は1人だったけど、独りじゃなかった。

彼が泣いている時、私は声をかけてあげられなかった。私もひどく泣いていたし、彼には私じゃない他の友達がたくさんいたから。でもそれでよかった。
私は救われにライブハウスに行ってる。バンドにもその子にも思う存分救われた。

このバンドは1人で見たい、そんなバンドが私にはある。でもその反面、今の好きな人に見せたいって気もする。音楽って難しいし私ってわがままだと思った。

端っこでも、ひとりぼっちでも、寂しくても
私の居場所はそこにあったよ

ありがとう、またライブハウスで会おうね

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