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映画『劇場版 モノノ怪 唐傘』を観て

エンドロールという名の大考察時間

2024年8月10日。

映画祭りな2024年夏、三十路越えは映画『劇場版 モノノ怪 唐傘』も観に行ってまいりました。

「モノノ怪」とは、人の情念や怨念が取り憑いたことによって人に危害を加える存在と化してしまったアヤカシのこと。

本作はそんなモノノ怪を斬り祓える退魔の剣を持つ「薬売り」の男性がモノノ怪の気配を感じて男子禁制の大奥へ足を踏み入れていくお話です。

劇場版モノノ怪は三部作あるとのことで、今回の「唐傘」だけでは不透明な部分がちらりほらりとありました。

それらの謎は一旦クローゼットの上段に置き、ひとまず「唐傘」についての感想を述べたいと思います。

人は誰しも何かしらを犠牲にして生きています。

例えば「仕事のためにプライベートを犠牲にする」とか「ダイエットのためにスイーツ好きな自分を犠牲にする」とか。

しかし、その犠牲にしたものが手放してはいけない大切なものだったとしたら人はどうなってしまうのでしょうか。

人は何もかもを犠牲にして生きられるほど完全体ではなく、何が拍子で壊れてしまうか本当に分からない生き物です。

支柱を失った建物は満ちている間は形を保てますが、渇いてしまえばあっという間に心身ともに崩れ落ちてしまいます。

大切なものの存在は大切がゆえに時に重たくかさばるけれど、自分を見失わず道を違わず生きていくためには必要不可欠な存在です。

唐傘のモノノ怪は本作ヒロインのアサさんや私達にそのことを教えてくれたように思いました。

唐傘はあれでも歴代モノノ怪の中ではトップ3に入るくらい優しいモノノ怪だったのでは。

そんなわけで、まだまだモノノ怪の気配を感じる大奥はこのあとどうなってしまうのか、クローゼット上段にしまったハテナ達とともに第二部を楽しみに待とうと思います。

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