東大法学部卒が新卒で入った外務省を1年8ヶ月でやめた話。

いわゆる退職エントリです。せっかくなのでキャッチーなタイトルにしようとしたら 単にラノベ風になって終わりました。
(※noteでいつも私の小説をご覧いただいている方には、唐突にリアルの話となってしまいスミマセン…。この場を使うかを悩んでいたのですが、書きたいことは書いておかないと小説を再開できないと思いました。)

タイトルの通り、今冬 外務省を退職しました。
1年8ヶ月という短い期間でしたが、この職場で働くことができてよかったです。
その思いや それでも辞めるに至った自分の悩みの過程を備忘録として記載しておきます。元職場への感謝に代えて、本記事を書きます。

0.就職するまで

国の安全保障、平和維持といったテーマにもともと関心があったのに加え、多くの人の生活に影響を与える(特に外務省であれば外交を通じて与える影響は国内外に及ぶでしょう)
国家公務員という仕事に魅力を感じました。影響が大きい分 大きな責任を伴うという点も、それは仕事のやりがい・達成感に繋がるはずだと思えて私にとってマイナスポイントではありませんでした。

1.職場のこと

働き始めて 仕事内容やキャリアパスをより正確に把握するようになり、自分の選択は誤っていなかったと感じていました。
「どんな仕事も大変なら、ここで苦労できてよかった」、そんなことを1年目の夏に考えていたのも覚えています。

業務内容は、性質上詳細に記載することは控えますが(まあ私のような下っ端の知っていることなどたかが知れていますが…笑)、G20等大型国際会議の運営、長期の海外出張とその間の幹部の秘書的業務などを経験しました。1年目からこんなに色々やらせてもらえるのかと驚きました。
もちろん1年目として、コピー取りや電話対応などの基礎的な事務作業も担い 社会人の基礎的な部分についても多くご指導頂きました。

労働環境ですが、こちらもやはり想像通り、ブラックでした。笑
これはわりと有名な話だと思いますし、NHKのNEWS WEB(https://www3.nhk.or.jp/news/special/kasumigaseki/article/article_190618.html )でも紹介されているくらいなので、私がここに書いたところでなんの告発にも悪口にもならないですよね?
それに耐えうるくらい心身ともにエネルギッシュでパワフルな人が多い職場だとも感じていました。

自分の場合は、上司がはやく(定時に)帰ることや休みを取ることに理解のある人で、自分がそうすることで何か負い目を感じるようなことはありませんでした。後述しますが、自分が休職・復職を繰り返した時には 早く働きたいと焦る私に対して、まずは自分が健康になることを優先して、自分のペースでいいからね、と声かけてくれました。この時には所属課や産業医、同期にも大変気遣っていただき、非常に感謝しています。

2.自分のこと

 はじめのうちは元気に働いていたのですが、1年目の冬頃から徐々に心身を崩してしまい、その後退職までに2回休職しました。

「残業がきつかったからやめたの?」と聞かれますが、それだけが退職理由ではありません。ただ、周りからも「いつも元気だよね、ポジティブだよね」と言われていた自分が本当に病んでしまったことは、自分の生活や仕事について考え直すきっかけにはなりました。

「やりがいがなかったからやめたの?」 これもよく言われますが、そうではありません。ただ表現を似せるなら、「やりがいが足りないと感じた」という風になるでしょうか。

先述した通り、短い期間いただけで貴重な経験をいくつもさせていただきました。外務省の仕事が、長く務めるほど見える景色がより鮮明で広大になるものであろうこともわかっています。

仕事のやりがい・報酬は大きかったです。ただ、そのための労力のほうが大きすぎる(自分には耐えられない)と私は感じました。

これは外務省の仕事にやりがいがある/ないではなく、私自身の個人的な優先順位の話です。

自分にとって価値があると思えるものや自分の限られた時間や体力を費やしたいものを考えた時、
散々悩んだ末にいまの職場がどんなに良い職場であっても自分はもういられないな、と思いました。
(自分がこの職場に見合う人間であればよかったのに、とも思いました。)

決断の時にはお世話になった方々の顔が思い浮かび、もう少しこの人たちと働きたいと後ろ髪を引かれる思いでしたが、逆に言えば業務内容に関しては未練はありませんでした。

自分の限界を痛感したことも否定はできません。悔しいですが、今後はいまの自分の心身の限界とも向き合いながら、その中で精一杯楽しめる選択肢を選んでいこうと思っています。

3.今後のことーやりたいことって?

次の仕事という意味では今後は決まっています。

ただ「人生でやりたいことって?」という問いに正面から向き合って悶々としています。

学生時代から志してた仕事やめたばっかやぞ、やりたいことなんてあるわけないやろ、と開き直っています。

「人生の目標はこれ!ドン!」とはっきりすることは期待していませんが、せめてぼんやりと「こういうことをやって生きていきたいなー」というのが見つかるようにしたいです。

みなさんはどんなことを考えて生きていますか?

仕事のモチベーションはなんですか?

何か思ったことがあれば教えてください。

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