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石と川と虹

 結構前、空には雲はない太陽は天辺に辿り着いていない、流れる川に行き石を投げ入れた。
 ポチャン、小さな石は小さな可愛い虹を作る。
 直ぐ記憶の彼方へ沈み込んで行ってしまう、空かさず腕に抱えた大・小様々な石を投げ入れた。
 冷たい秋の風が、川かみから音も無く身体を包んだかと思うと通り過ぎて行く。
 風の行き先を見つめたまま大きな虹を見たくて仕方無い、私は河原を歩き回り大きな、持てない石は諦めた(笑)足元がコンモリと石の山が出来たが、息切れするのでその石の上に腰掛け休む事にした。
 川の対岸を見つめた。
 三途の川、地獄で石を積む、地獄絵図を思い出した、私は今石を積んだ、あらまあ~。
 行って帰って来たと聞いた事もある、見たと言う人は向こう岸で知っている人が手を振っていたとか、耳をダンボにして聞いていた子供の頃、川面はキラキラが乱舞している。
 さ〜て・・と一人ほくそ笑み川面にボチヤン、虹が一つ、ボッチャン大きな虹が一つ、綺麗〜綺麗だわ何個投げ入れただろうか、流石に腕が疲れて来た。
 最後に虹の乱舞、もう肩で息をしているけど楽しいわ、大体一つの石の重さは20キロ以内だろうと思うが40個程の虹を我が身体と腕が創り出した。
 疲労困憊である、次の日はしこたま後悔してしまった。
 筋肉痛で階段のいち段目の激痛、物を持つ時の背中、腕、兎に角全身が痛かった。
 あれから(笑)一度も虹を創ろうなんてね(笑)思わなくなった綺麗で痛い思いででした。
 


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