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雨に立つ野の花


 1300 文字 

 長い事、??十年、見向きも振り向きもしなかった。
 時には抜き捨てたり、踏みにじったりして雑草呼ばり、迷惑千万〜此処にもあった~嫌〜抜いても捨てても気が付くと、ひょこっと花を咲かせている。
 あら〜大変、種が落ちたら又増えるわ、と悪者扱いしていた。
 ひと昔前から比較して、野に咲く花の数は激減しているけど、白い花が多いけど、薄っすらピンクや紫色の花達、花の大きさは2〜3ミリから1センチ位、花の種類は少なくなったと思っていた、
 今回、生まれて初めて映像に収めて見た。
 草丈5センチ位から2メートル位まで、殆どの花の名前は分からない、グーグルで検索だけなのもあるが、ww 貴方のお名前なんと言うの 🎵ww そんな言葉がテレビから流れていたww 誰もいない山の中で、貴方のお名前なんと言うの? と聞いて声がしたら、覗き込んでいたスマホ、ポトッと落とし、辺りキョロキョロ見回して、イヤ〜何?何?怖い~😱スマホ慌てて拾いあげて、スタコラサッサと逃げて来る事だろう。

 若かりし頃、遊び呆けていた頃 (そんなに呆けていないと思う) 友の車でドライブ、友のお子様女子11歳と私、3人で

「ネエ~ 茶色のマリモあるんだってよ~」

 友はハンドル回しながら言う。

「えー何処にあるの~?」

「確かね~この林道入るらしい、湖の端にあるらしいよ」

 えー(・_・;) 細い普通車がようやく一台走れるだけ

「帰り道はどうするの ?」

 私は不安になり聞いて見た、うっそうとしたアオキが立ち並び、木々の奥は真っ黒で何が居てもわからないww 💀 絶対にヒグマのテリトリーに侵入しているわ~ 😱 と思ったけど怖くて言葉に出さなかった。

「ゆっくりバックするから大丈夫」

 そして車から降りて3人バラバラに、湖の水際を冒険していた、茶色のマリモは見えない「あっちの方に行ってみるね」友は歩き出す。
 子供は私の側で花を摘んでいる。

「ヴオオオー ヴオオオー」

 バキバキッと木が折れる音と共に又もや「ヴオーーー」友とお子さんは車がエンジンをふかして来たと思ったらしく、ゆっくりまだ茶色のマリモを探している。
 私は恐怖で声が出なかったが振り絞り叫んだ。

「早く車に乗って、早くー走ってー」

 友は私の慌てぶりを不思議に思ったが、車が来ているから早く車を移動させるのね、と思ったらしい。
 それほどヒグマの吠え声は飛行機の飛び立つ音、ポルシェ、ランボルギーニのエンジンを踏み込んだ時の音とそっくりなのである。
 私の目の前、一メートルも離れていない立ち木が倒れて行くのを見ながら

「このままバックで舗装道路まで走って」私は叫んだ。
  私はそれしか言えなかった、友は私の緊迫した行動にようやく、あれはエンジン音ではなくヒグマの吠え声なのだと理解したらしい。
 そして友は物凄いスピードでバック、舗装道路に出て近くの食事処へ入り、私達3人の身体は、小刻みに震えているガタガタが止まらない、足が笑うという事を経験した。
 友のお子様、夏休みの恐怖の思い出。

 話が随分飛んでしまいました。

 写メはマツヨイセンノウ、花びらの後ろの袋が可愛い、雨の日の花たちは一際美しい、雨のピアス、宝石まとい輝いていた。
 

  

#エッセイ

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