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エキノコックス

 857 文字

 生まれて初めて目にした眩しい朝日は、水色の空の向こうで私を見詰めている。
 ʘ‿ʘの様な気持ち。

 遠くで銀ギツネの子供が走り回っている。
 あっちに行ったりこっちに来たり、暫く車を停めて良かったわ~元気にしている姿を遠くから見つめていると、もう一匹草むらから出てきた。
 銀ギツネのお母さんだわ😂🎶以前写メしてから姿が見えなかったから、とても心配でドキドキしていたけれど、お母さんがいるからあんなにはしゃいで、嬉しいんだわ。
 ほっと胸を撫で下ろし、何時までも嬉しい幸せを見つめていたかったけれど、無事に成長している事が一番私は嬉しかった。
 バックミラーで黒く豆粒になって行く2匹の銀ギツネはもう見えなくなってしまった。

 北キツネとは全く違う、昔から銀ギツネと言っていたけれど、銀ギツネと呼んでいいのだろうか、と考えてしまった。
 調べても北海道の銀ギツネの記述はなく、外国の銀ギツネの事ばかりが載っている。
 深く調べた訳では無い、サラッと調べただけなので自信ははない、本当に銀ギツネなの ? と問われれば、心がふにゅふにゅ〜となってしまう。

 北キツネは人馴れしていて、というか、したたかに生きている、生きるのが上手いのだろう、人間を見ても銀ギツネのようには逃げない、一定間隔を開けてこちらの様子を伺っている。
 そしてチョンと座る、観光客や色んな人達が食べ物を与えてしまうのも納得が行く。

 銀ギツネはエキノコックスは持っていない筈、北キツネが来る迄は川の水をゴクゴク飲んでいた記憶がある。
 ありとあらゆる所にいる北キツネ、畑で採れた野菜達でさえエキノコックスがいるかも知れない、洗って洗って、それでも安心出来ない。
 末期になってから発見されると手遅れになる、怖いエキノコックスだが、早期発見出来ると治療で治る。
 今ではエキノコックスの知識も広まって、感染者は激減したとは言え、年に数人の感染者が出ている事も事実、北海道に来る事があるならば、可愛い〜と北キツネには近付かず、手洗い等を徹底した方がいいのかも知れない。
 
 
 
 
 
 
 

#エッセイ

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