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別荘地に移住して1年経ちました

先月の上旬で移住して1年になりました。

少し遅くなりましたが、いろいろ思ったこと、知ったこと、出来事などツラツラと書き連ねてみようと思います。

というより自分語りと言ってもいい部分もありますのであしからず。


移住する前の状況

移住する前はどういった状況だったのか?

この部分は書く必要が無いかもしれませんが、noteを始めて感じたことにも関係していますので書くことにしました。といっても極一部なのですべてではありません。


私は以前会社を経営していましたが、その会社は売り上げの低迷から債務超過に陥り自主廃業をしました。

私が会社に貸した借金を辞退すればもう少し延命できましたが、持ち直せるとは思えず、債務超過になった月に廃業を決定しました。

コロナが日本に上陸して騒がれる半年ほど前の梅雨の頃の事です。


初めては実家の自分の部屋から始めた事業で、気が付けば14年。

あっという間の出来事でした。

自分の出来ることを可能な限り行い、積極的に動くことの習慣はこの間に身についてきました。

勤めていたころに感じた、嫌な思いは従業員にはしたくないという思い。自分が積極的に動かなくてはいけないという思い。従業員の生活を守らなければいけないという思い。自分のことより会社の存続。少なくとも私の中では自分自身をかけて事業を行っていた部分がありました。

しかし、いろいろな思いとは裏腹に結局は廃業。

会社の廃業は個人事業主の廃業と違ってとても時間がかかり面倒です。

店舗を持っていたので店舗に置かれた、今まで地道に購入してきた備品や商品や什器が大量にありましたがすべて処分することになります。

在庫や什器など、大量のゴミをコンテナに積んでいましたが、すべての物には思い出が。それぞれがどのようにして必要となって購入したものかが思い出されました。

廃業を決めてから1月ほどは通常営業をしつつお客様に対しての告知をし、2か月ほどした頃には店舗は綺麗に何もなくなりました。

そして、その年の年末に廃業に関する登記関係もすべて終わりましたので、実質6か月はかかりました。

そして、何か燃え尽きてしまった、情熱が消え失せてしまった気がしました。


店舗の片づけが終わったころから何をしようか考えていましたが、流行りのIoTを勉強してみようと思いチャレンジしたりしていました。

また、物を作って販売することをしたいと以前から思っていたのでレザークラフトを集中して練習していたこともあります。

プログラマーとして、どこかの企業に勤めるべく応募したこともありましたが門前払いでした。

しかし希望する職種に就職も出来ず、独立を目指すにも売り上げを作れる気が全くせず、時間だけが過ぎてあっという間に1年半が経過しました。

何もうまくいかず、お酒の量と毎月の経費である家賃がかさむだけ。

このままではいけない。大きく環境をかえないとダメだと思いたち、人生の再出発の意味も含めて引っ越すことにしました。


元々せっかちな性格なので、引っ越すことを決めてからは本格的に探し始め、5か月後には移住していました。

移住先の条件はほぼ無かったので広範囲で探した結果、避暑地でもある別荘地で売りに出されていた2LDKの築50年近い一軒家。

今のおうちを買いました。

ひとつ間違えていれば江戸時代の物件に住んでいたかもしれませんが、1年経った今となってはここでよかったと思っています。


移住後

引っ越してから行ったのは和室の1室をリビングに速攻でDIYをしました。

人生初のDIYでしたが下調べをしていたので、多少問題はありますがわりとスムーズに行き10日ほどで完了しました。

そしてペンキ屋に就職しました。

移住した年はとにかくDIYが進まず焦っていました。そのため色々思うところもあってすぐに辞めました。

というのも、避暑地で、ほぼ寒冷地なのにおうちには断熱材が入っておらず、ふらふらになりながらも30分だけでもいいので少しづつDIYをしていました。しかし、全く進まなかったこともあり、かなり焦っていましたが10月末ごろに退職し、集中して断熱材を入れる作業をしていました。

冬になって雪が降り、生活できると自信が付いてきたころから色々余裕が出来てきました。

より快適に暮らすためにいろいろ作りました。


別に贅沢に暮らしたいわけではありません。

お金を掛ければ快適になるのは当たり前のことですが、何か違う気がしています。

より良い暮らしをしたければお金が必要。そのお金を稼ぐために働きますが代わりに時間が無くなります。

つまり、誰かに依頼してやってもらうために働く。働くことに違和感を感じているのは私だけでしょうか?

働くのは経済活動の一環だと思いますが、違和感を感じてしょうがない。

家の断熱材が入っていないから業者に頼めば数百万円だせばやってくれるでしょう。

しかし、コツコツやれば自分でもできます。

大きな違いは速さと綺麗さだと思っていますが、そこは求めていません。

違和感を感じつつ、冬が終わる頃には1年はしっかりと時間を取ることにしました。

つまり、しっかりと1年は無職でいる。収入がゼロで生活することを選択したわけです。

実質、冬の間は雪が降ると外出自体が困難になることが分かったので次の春ごろまでの期間限定で、そのあとは事業を始めるなりパートアルバイトでもしようかと思っています。

とにかく、この無職の間にやりたい事を可能な限り行って満足し、生活を整えて快適な環境にしようと思い立ちました。


普通の生活とは何か?

普通の生活は何か?ということは時折考えます。

移住する前は普通の生活をしていたと思います。

朝起きてから会社に行って仕事をし、終わったらスーパーに行って食材を買ったり、時には飲食店で何かを食べる。

家に帰ってからは晩御飯と晩酌しつつTVを見て風呂に入って寝るルーティーン。

時には知り合いと飲みに行くこともありましたが、だいたいこんな毎日。

ぜいたくな事といえば、スーパーで買う食材は値段をあまり気にしないという程度。つまり3大欲求である衣食住の食です。

事業が絶好調だった時、収入が多かった時期もありましたが生活は何も変わりませんでしたので、こんなものかと思ったものです。

ある程度年を取ったころには物欲も無くなり、平気でパンツや服を4年近く使っています。

何かの欲。特に物欲を持つのはいいことではないと思っているので、人から見ればつまらない生活をしていることと思います。


翻って移住してからはどうだろうか?

朝起きてからネットで調べ物をし、気になる部分の補修やDIYをし、日が暮れたら夜食を作って晩御飯を食べつつ晩酌し、TVが無いかわりにネットで調べ物や動画を見てから寝る生活。

やってることは意外と大差がありません。

相変わらずいつ買ったか判らないパンツを履いていますが、最近ツンとした加齢臭が気になったのでこの前買っておきました。パンツにも加齢臭って移るんですね。近いうちに変えると思います。


移住後の生活で変わったことと言えば、「生活する」ということに意識が向いた事でしょうか。

家にカマドウマが闊歩しているので気密に力を入れてDIYをしていました。全ての隙間を塞いだつもりでいますが未だに見かる謎の生き物です。羽蟻や小さな羽虫といった虫は家の中でもよく見るのですぐに慣れました。

5月ごろには人生初の家庭菜園に挑戦し、キュウリを食べました。スーパーのキュウリとは違ってトゲトゲしく、美味しく食べています。

この前は冬に備えて1tの丸太を購入したので、せっせと玉切りをして斧で薪にしました。1週間ほどかかりましたが、毎日汗が滝のように出て大変でした。

今は充実した生活を送っていると思えます。

車に乗るのは月に2回だけとなり、別荘地なので人と会ったり話すことも基本的にありませんが苦になりません。

世捨て人のような生活で引きこもりをしています。人と触れ合うのは嫌いではありませんが、不思議な生活をしている気がします。


別荘地に住むということは

別荘地に住むということはどういうことか?

1年経って思ったことですが、別荘地に住むというのは地域の人との触れ合いが無い生活をするということです。

誰かに会うことや話すことが苦手な人には良い環境だと思います。

別荘地は自然しかないので喘息持ちの方に良さそうです。聞いた話だとシックハウス症候群だったか、街中では肌に合わない人も別荘地で暮らしているとかなんとか。

コロナの影響もありリモートワークが進んだ今、引きこもっていても気にならない人にはうってつけだと思います。

ただし、予算が無く、自主的に行動できない人は難しい気がします。

予算があれば生活をするお家はいい物件がゴロゴロしていますのでそこを買えばいいだけの話。

予算が無ければ無いなりの物件、我が家のような安い物件もチラホラありますが、自分でリフォームするだけの行動力が無いと慣れるまでは厳しいと思います。


他には、娯楽に飢えている人には無理ですね。娯楽と言えばたまに来る郵便配達の人と軽く話したり、野生の鹿やカモシカやタヌキなどを見るくらい。

考えるものも変わりました。移住する前はどうやったら売れるかなど、仕事に関することばかりでした。今は、今度は何を作ろうか、あの部分を弄ろうか、何の種を植えてみようか、町に行ったらアレを買わないと。こんなものが欲しいけど代わりになるものはどんなものがあるかな。そんなことをよく考えています。

具体的にはなるべく体力や筋力を使わずに簡単に薪を割る方法は何かです。最近では鉈に穴を開けてテコの原理を利用して・・・と考えていますが、考えることが楽しく感じます。

あと車がないと食材の買い出し自体ままなりませんので、バイクでもいいので移動手段は必須です。しかし移動手段が無くても、その気になればAmazonがあれば生きていけると思います。

TVが無い生活なんて考えられないという人にも難しいでしょう。電波は届くのだろうか?

定年退職をし、静かに暮らしたい人にはいいかもしれません。たまに別荘に来て騒ぐ人が居ますが土日や連休程度で普段はとても静かです。そもそも、車の走るような音や救急車のサイレンなどがほぼ聞こえないので、夜は虫の鳴く音とPCの音以外しません。

別荘地では町内会や消防団といったものに加盟する必要が無いので、それらが嫌いな人にはいいかもしれません。それらにもいくらか費用が発生するようですが、そのかわりが別荘地の管理費用です。

住環境に関していえば、街中では得られないものが多いのである意味とても贅沢なものかもしれません。

周囲の見る目は様々ですが、基本的には面白がります。こんなことをする人が居ないからでしょうね。

中にはバカにしてくる人もいます。小ばかにして笑ってやろうという意図が透けて見えます。そんな時は、小さい世界しか知らない蛙はもっといろいろな世界を見ればいいのにと思います。


別荘地での生活は、いろいろな便利さを捨てる代わりに豊かな自然と共に暮らす生活が手に入ります。一方で、街中では便利さが手に入りますが自然は無いです。

何を捨てて何を手に入れるか。

手放したものはとても多く感じます。

山間部なので湿度が高く、雨が続けばすぐにカビが生えてきたり、冬場のトイレ問題といったこともあります。不便な事もありますが、気にしなければおおむね快適に生活が出来ています。

私の無駄にある行動力が、今後どのような結果になるかはまだまだ判りませんがしばらく続けてみようと思います。

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