スモールステップのサイズ感

スモールステップってよく聞く言葉だけど、その”スモール”が人によって大きさが違う。
支援側と受け手側のサイズ感が異なっているがために思うようにステップアップできないということがままあるような…。

末っ子:らい は、広汎性発達障害の診断を受けている。
中学校卒業まで支援級情緒クラスに在籍した。

中学1年の半ば、末っ子が人に少し慣れ、先生たちもその特性や性格を徐々に掴みかけてきた頃に支援級の担任と特別支援コーディネーターの先生、私の3人で支援の進め方に関する懇談会があった。

そこで特支コーディネーターの先生よりこんな話があった。

「徒歩+電車で登下校できたらいいと思います」
「1時間通して座って授業が受けられるようになればいいと思います」

らいは新しい環境になると不安が特に強い。
私はまず学校に安心して通えるようになることが第一と考えていたので、この2つは当面の目標からはかけ離れているなと感じ、素直にそう伝えた。
今現在通うだけでいっぱいいっぱいな様子が分かるのに、そんなことをいま言われても…。
先生も今すぐにというつもりではなかったのかもしれないが、長期目標は心に留めておいてほしかった笑

”いついつまでに◯◯ができるようになっていたらいい”とか”□歳だから△△ができていないとだめ”って親や先生、支援者は口にしがちだけど、これは自らを苦しめる呪いでもある。

先生が言った”できるようになったらいい”とは、自立したように見えて先生が安心できるから”いい”のであって、本当に本人がステップアップしたかどうかは分からないんだよね。

ついやってしまいがちなんだけど、理想像を先にイメージしてそれに向かう支援というのは実を結び難いなぁと思う。

その後どう推移したかというと、
毎日登下校を車で送り迎え

学校に安心して通えるようになる

こちらから言わなくても徐々に帰りのお迎え要請が減っていく

行きは車、帰りは徒歩+電車で帰り最寄り駅へ車で迎え

中学校卒業時、ここまでできるようになった。
これを見ただけでも先生が目標にしてた理想像と本人の成長度合いが違うと分かる。
ちなみに高校進学後〜現在は最寄り駅まで自家用車で送迎+電車と徒歩で通えるようになった。

”スモール”の大きさを支援者が想像しているよりも小さく小さく設定するくらいがちょうど良さそう。

#スモールステップ #子育て #特別支援 #支援者

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