リセッション時代を生き抜かないといけない私たち
世界の経済は、景気がいい時期と悪い時期を繰り返しながら現在に至っていますが、残念ながらこれからは悪い時期へ突入、つまりリセッション(景気後退)していくことが濃厚になってきています。
この兆候は2021年後半頃から見られ、ロシアのウクライナ侵攻をきっかけにより鮮明になってきました。
戦争により原油や穀物の価格が上昇し、これにより様々なものが値上がりをして、インフレ(インフレーション:一定期間にわたって経済の価格水準が全般的に上昇すること)の状況にあります。
米国の消費者物価指数(CPI)は2021年から上昇し始めて、5月の消費者物価指数は8.6%で、これは昨年と比較して物価が8.6%も高いことを表しています。
この消費者物価指数の高さは米国株式市場では嫌気され、NYダウ、ナスダックなどの平均株価は大きく下落、上昇トレンドから徐々に下降トレンドに移りました。
インフレ率が比較的低い日本でも、食品を初めあらゆるもので値上がり(値段は上がらなくても量が減るもの含む)が目立つようになってきています。
(パン屋さんのパンの値段が上がって、ポテトチップスの量が減り、冷凍チャーハンの焼豚の量が減っています。他にも色々と(泣))
インフレが続いて、給料が上がらないと、買い控えをするようになるので個人消費が落ち込みます。
一方、インフレが続いて、給料を上げると、会社としての利益が減り設備投資などを控えるようになるので、法人の消費が落ち込みます。
また、為替で円安になると、輸入品が高くなりますから、余計にインフレを助長してしまいます。
こうやって景気が後退していくわけですが、今 日本は、その入口に入っています。そして、インフレが続いて景気後退していくことをスタグフレーション(悪いインフレ)といい、世界はその入口に入っています。
新型コロナを経験し、ようやくという所で、スタグフレーションだなんて・・・と凹みそうになりますが、そこは気持ちを切り替えて進んでいくしかありません。
どうやって、これから私たちはこの状況を乗り越えていくべきか。
まず個人でできることは、
インフレが続くと現金の価値が下がっていくので、現金以外の株式や不動産、金などの現物資産を持つこと。
なぜ、最近になって岸田首相が「貯蓄から投資へ」や「1億総株主化」を掲げだしたのか。
その背景には、貯蓄資産を投資に向けることによる市場の活性化以外に、スタグフレーション対策があることを理解することです。
「国民の皆さん、政府は一般予備費、コロナ予備費を活用するなどしてスタグフレーション対策をしますが、それで抑え込める保証はないので、今のうちに備えておいてくださいね」ということで、自分の財産はある程度自分で守ってくださいねと暗に言っていることになります。
老後の年金問題もあり、以前から政府はNISA、iDeCoなどの非課税投資制度の利用を推奨してきましたが、これにスタグフレーション懸念が加わり、NISAの抜本的な拡充などをしようとしています。
そして次に個人でできることは、
自分自身のスキルと信用度を磨くこと。
はっきり言いますが、景気後退における不況では仕事ができない人、信頼・信用できない人は会社から切られていきます。自営業であっても同じで、取引を切られます。
そんな状況でも、「この人は残しておきたい」、そう思えるスキルと信頼・信用を得ている人は生き残っていきます。
企業はスタグフレーションの状況下では、あらゆる対処を迫られるでしょう。その一つに雇用人材の整理や見直しが含まれます。
また、誰でもできる仕事のやり方をしていては、AIやロボットに取って代わられるでしょう。
なので、業務を推進するスキル、調整能力、相互扶助・協調性、後進の育成力、などの能力を高めて希少性を有することが大事だと思います。
言い換えれば、個人のブランド力を高めること。
リセッション時代を生き抜かないといけない私たち。
それを乗り越えるために、何をしなければならないか。
皆さんも、そろそろ考えてみてはいかがでしょうか。
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