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ロッカーから戻ってくる100円は得した気分になる

 まんまとサウナにハマった。もともと長風呂するタイプで温泉は好きだったけど、ミーハーなりに、家から近いスーパー銭湯にふらっと寄るようになってしまった。「水風呂が良い」なんてぽいことを言ってみるが、そこは本当に水風呂が良い。

 "柚子をお譲りください"
お食事処に向かう階段の途中に貼ってあったポスターは、初見ではダジャレと気づかないくらい、とても魅力的に見えた。来たる冬至の日の日替わり風呂は柚子湯らしい。写真には、大量の柚子がぷかぷかと湯船に浮かんでいる。潔癖症だったら無理だな、と思ったけど、そもそも潔癖だったら銭湯こんか。

 今年の冬至は12月22日らしい。今日だ。しかし私は入れない。くそ。女子の月1イベントだ。くそったれ。今日が冬至なんて忘れてたくせに、まんまと意識させられたせいで、変に楽しみにしてしまった。受動的に知った季節物を生活に取り込めず、せめてもの抵抗として、会社の帰りに豚の生姜焼き定食に寄り道する。

 いつもサウナを堪能した後は、ロッカーから戻ってきた100円に300円を加えて、ミーハーらしく五臓六腑にオロポを染み渡らせる。自分で作った方が安いんだろうけど、なんとなく100円安く感じているから良い。女の子の日に左右されるから、女性向けサウナは少ないんでしょうか。別にそんなことはないか。

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