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ひとり旅日記ギリシャとイタリアへ40日目:イタリアに来て初めて生きてて良かった!と思った日

2018年2/9ブラーノ島

24時間チケットの期限が今日の13:09まで。昨日のムラーノ島で乗換えて、ブラーノ島へ。直通3番が来ない…。42の水上バスでファロで降りられると思いきやそうではなく。小走りでファロの乗り場まで。乗り継ぎはバッチリ。ファロからブラーノ島までは30分。この船は大き目でトイレも付いてて、暖房も入ってた。10時前にブラーノ島に着いたが、24時間チケットの残り時間考えると、10:26の船でないとサン・マルコ広場まで戻れないと思った。

わざわざブラーノ島に来た目的は、カラフルな家の写真撮る為。曇ってても、カラフルな家はキレイだったし、どこを撮っても楽しかった。撮れるだけ写真撮って10:26の船に乗ってムラーノ島で降りたら、帰りも乗り継ぎ良くてしかもサン・マルコ広場直通だった。ファロはブラーノ行きで船は満席だったが、このサン・マルコ広場行きは自分ともう1人の乗客。ほぼ貸切状態。

サン・マルコに着いて、行きそびれてたヴィヴァルディが聖歌隊を指揮してたという教会へ。ファサード修復中。で、目にしたのが、ヴィヴァルディの曲をこの教会でコンサートやるという宣伝が貼ってあった。今日がベネチア最後の夜。こりゃ決まり。行くっきゃないっしょ!曲目に、自分が大好きな四季の冬が入ってた。Yeah〜窓口のおじさんにヴィヴァルディのファンであることを告げてチケット購入。開演は20:30、開場は20時。

ヴェニスカードが使える行きたい博物館へは、なるべく歩いてない道を歩こう。昨日のステージの模様を動画で撮ってくれたイベントスタッフのお姉さんにサンキュースイーツを渡しに行った。声をかけると、「昨日の日本の子ね〜!」「昨日は色々ありがとう。楽しかった!」と伝え、この国では出番少ない(あげるに値する出会いがなかった)サンキュースイーツを今手持ちの分全てあげたらビックリしてた。笑顔で別れ、サン・マルコ広場を後にした。

今日も天気良くて助かった。博物館に着いた。ヴェネツィア共和国。当時どんだけ豊かな金持ちの国だったんだろう。運河に面した宮殿みたいな所で仮装したカップルがいた。彼らの屋敷か?と思う程マッチしてた。

そろそろ何か食べよう。宿に戻る道のコープでサンドイッチ見つけた。野菜のを指差したのに、持ち帰りの袋に入ってたのはタマゴ…。ナゼ?タマゴとエビでおいしかったから許すけど。ポテト食べたくて、ポテト専門店に行ったが、レジ係も揚げ係も両方頭悪いらしく、客の注文混乱して、全然さばけてなかった。これ以上伊に腹立てたくなかったから、マックのポテトで我慢した。

サンドイッチとポテトで夜のコンサートまで腹持ちするとは思えなかったから、宿までの道にあったヘンな日本語メニューを外に出してたレストランに入ってみた。牛ステーキ11ユーロに魅かれて。16時客がいない中、レアでと注文したら、「レアで?」と驚きの表情。レアで出せない肉なのか?客が誰もいないから早く出てきた。

こっ、この薄さは…。西トレドで入ったカフェの5ユーロステーキに匹敵する薄さ。こりゃレアで焼くの難しいわ。何故か肉にかかってるオリーブオイル。味付け皆無。塩胡椒で味整えた。食べてる途中で、次のフィレンツェ、トスカーナは肉料理が有名と言うのを思い出した。ステーキは脂身少なくて、オリーブオイルかかってた割にはあっさりしてた。パンは席料なんだろ?紙に包んで全て持ち帰った。

宿に戻って、今夜のコンサートの曲目をネットで調べた。伊語だったから…。winter入ってる事を再度確認。時間まで部屋でひと休み。20時開場なら、良い席を確保したいから19時に宿を出た。サン・マルコ広場まで普通に歩いて30分だから、ゆっくり歩けば良いだろう。暗くなってから出歩いたのはベネチア来て初めてで、明るい時間に歩いてた道とは違う道を歩いてしまった。無事に着くのかヒヤヒヤしながら進むと、広場の外れに出て、いつもの道から来たら、寺院が左斜めに見えてたのが、今回は後側が見えてる。まぁ良い。無事に着けばどこに出ようとも。

再度やって来たピエタ教会。そして1番に並べた。どんだけ好きなんだ?ヴィヴァルディ先生を。ライプツィヒではバッハ先生ゆかりの教会で聖歌隊のコンサート聞いたよなぁ〜とか思い出しながら開場まで待った。自分の後ろにもっと列が長くなるのかと思いきや、そうでもなく。ここは観光客にあんまり知られてないのかな?

20時開場。左側の一番前の席を確保。本番まで昼間撮れなかった教会内部の写真を撮ったり、日記書いたりして時が来るのを待った。audience が拍手し始めた。顔を上げると、祭壇後部中央から演奏者たちが出てきた。日記をしまって、自分も拍手で迎えた。今日のプログラムは全てヴィヴァルディ。明日は他の作曲家も混ざってるみたいだった。

3曲ほど終わって、遂に四季の演奏が始まった。まずは春から。第1バイオリン、出番多い。というか、彼がセンターに移った。自分的には第4バイオリンの背が高い髪が黒いのにヒゲが白い、知的なおじさんが気になった。四季は、実は通して聴いたことなくて。有名な春と冬しか知らない。季節毎に何楽章かあるらしい。ここに来る前にプログラムチェックしたけど、自分が一番好きな冬、もちろん演奏してくれるよね??と、その時を待つ。チェンバロが曲と曲を繋いで、待ちに待った冬が始まった。

あぁ!彼が600年位前に実在していたこのピエタ教会で奏でられている、自分が一番好きなwinter。恐らく、この旅をしていて初めての生きてて良かった!の思い。winterは大体3分くらいの曲。これだけを永遠に聴いていたかった。ひと通りの演奏が終わって、スタンディングオベーション。もちろん自分も立ち上がって、できる限りの拍手を7人の演奏者に送った。アンコールはパッヘッベルのカノン。やめろよこれも自分が好きな曲。リクエストした覚えないんスけど?残念な事に、第4バイオリンのおじさんは出番ないとの事で引っ込んでしまった。演奏後、カノンにもスタンディングオベーション。そして、ヴェネツィア最後の夜にふさわしい演奏会は終わってしまった。満たされた気持ちで、恐らくこの旅初めてで「伊に来て良かった」と思った。明日からまたホステルに泊まるから、洗濯物を手洗いして寝た。明日は朝人がいない時間に出かけて写真撮りに行かないと。


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