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ひとり旅日記モロッコへ12日目:爽やかな警察官のお兄さんと出会って、日帰り世界遺産ヴォルビリス遺跡へ

2020年1/4ヴォルビリス遺跡

喉の違和感であまりよく寝られず。昨日と同じ時間で行動。今日の電車は21号車でコンパートメント。昨日のメクネスからの帰りの一等車のコンパートメントはゆったり6人掛けだったけど、今日のは8人掛け。親娘が乗って来たと思ったら、お母さんは娘を車内まで見送りに来て、キスしてお別れしてた。小さいおじさんと大きいお兄さんが自分サイドに座ろうとするが、こちら側はあと1席しか空いてない。あとこのコンパートメントで空いてるのは対面の窓側。誰も何も言わないから、「私16番ですけど?」と言うと、大きいお兄さんは15番、小さいおじさんは115番。115ってケタ違くね?既に座ってたお兄さんが、「車両の進行方向に歩いて行ってください」みたいな事言ってた。

昨日と同じく一駅前で車内トイレを利用し、メクネスの駅まで近いからドア付近で立ってようと思ったら、扉開いたまま発車してた…。ムンバイの電車を思い出したね…。この場面を写真撮ろうとしたら、大きいお兄さんも次で降りるらしく、コンパートメントから出て来た。「次で降りるの?」「はい。昨日も降りました。金曜だったから静かだったけど、それでも旧市街をゆっくり見られて良かったです」「土日は賑やかなんだよ」「そうですか」電車が停まったからお兄さんに続いて降りた。

「今日はお休みなんですか?」「今日は仕事休み。警察官なんだ」どおりで身体がデカイ訳ね。「ここの出身なんですか?」「タクシーで少し行った所なんだ」「私は今日ヴォルビリス遺跡に行こうと思って、旅の予算が限られてるので、地元価格のタクシーに乗ろうと思います」「では乗り場まで案内しましょう」昨日のうちにタクシー乗り場は下見しといたから、ひとりで行けるっちゃあ行けるけど、値段吹っかけられて、チャーターになってしまうのは困るな…。と思ってたから、思いがけない申し出だった。何より、たまたま電車の席が隣で、英語がめっちゃ上手。有難い。いや、有難すぎる。

お兄さんは歩いてる道を警備してる警察官に挨拶と握手しがてら、タクシー乗り場を確認してた。歩きながらお兄さんが「警察官になる前は大学で英語科の教授だったんだ」「え?教授だったんですか?留学はされたんですか?」「いや。モロッコで勉強して、論文書いてリサーチもして大学で教えてたけど、何か違うと思って、警察官になったんだ」との事。「華麗なる転職ですね…」背がめっちゃ高いから元々警察官かと思った。

昨日と道は違うけど、近づいて来たタクシー乗り場。その前に「ちょっと待ってください!」この人こそサンキュースイーツあげなきゃならない人。あめ4コと駄菓子を渡したら、「僕は渡すものが何もない」と言うから、「これは私の感謝を表す為のものなので気にしないでください!」と伝えた。お兄さんはムーレイ・イドリス行きのタクシードライバーに、「この子を頼むよ」と言ってくれた感じだった。金額はローカルプライス10DH。お兄さんと握手をして乗り込んだ。背の高い警察官のお兄さんは手を振って爽やかに立ち去って行った。

自分乗り込んだタクシーはすぐに満席になり、9:45に出発。そして、30分後にムーレイ・イドリスに到着。ここからが難関。参考ブログを何度も読んでシュミレーションしたが、上手くいくんだろうか?ヴォルビリス遺跡まではタクシーを乗り換えなきゃならない。「ヴォルビリスか?」と、このタクシー乗り場を取り仕切ってるおっさんが聞いて来た。ものすごく親切なブログだと、ワリーリと言うと10DHとあったが、おっさんは30DHと言ってくる。渋ってると「じゃあ歩いて行け」と怒り出した。体力温存の為、仕方ない。メクネス→ムーレイ・イドリス乗車時間30分で10DH、ムーレイ・イドリス→ヴォルビリス遺跡乗車時間10分で30DHって、どういう基準なんだろう…。おっさんが更に「ヴォルビリスまで行く客はオマエしかいないぞ」と言ってた。そしてそれはウソではなかった。素直に30DH支払って乗る事にした。

タクシーが遺跡に向かってる途中で、欧米人発見。30DHなら行きは乗ろうよ…。遺跡が見えてきた。おぉ!ってな事で、10:30に世界遺産ヴォルビリス遺跡に到着。入口でねこさんがお出迎え。団体バスが何台か停まってた。今日はイスラム文化ではなく、思いっきりローマ遺跡に浸りたい。午前中だからまだ地上は温まってない。遺跡の説明パネルや発掘物の展示がある場所で、英語の説明文読むのに時間かかって、そこに1時間いた(苦笑)。しかも日影だったから寒いのなんのって。やっと日なたに出て、人があまり来ない所でランチタイム。さっきの展示エリアの解説通り、ここは肥沃な土地との事で、目の前の景色は緑の畑が広がってた。

小麦がよく取れるとの事で、遺跡内にはパンを焼く釜が残ってて、オリーブの木も茂ってるから、オリーブの搾油場もあって、輸出していたとの事。海岸沿いではないこのヴォルビリスの土地でローマ帝国の属国になったのは、食物の豊かさなんだろう。と緑の畑を眺めながら、ここで取れた小麦かどうか知らないけど、サンドイッチを頬張った。

エネルギー補給したら、いよいよ遺跡散策スタート。しばらくは石が転がってるだけのエリアだったが、ガリエヌス帝の浴場という所はかなり保存状態が良く、フロ好きの自分としては、この上から流れて来るお湯で打たせ湯するだろうな〜と気が済むまで想像上のフロに浸かってた。見張りなのかガイドなのかよくわからないおっさんが、自分が勝手に打たせ湯と想像していた場所を聞いてもいないのに、「ここは水族館だった」と言ってきた。マジか!水を循環させる為の流れだったのか?

続いて、フォーラムの浴場。一面に残ってるモザイクタイルの所に犬が横たわってた。ここは説明文とともに、どこに何があったかの配置図もあった。この浴場施設、売店も併設されてたんだ。何売ってたんだろう。風呂上がりのビール?身体洗うタオルや垢すりとかの風呂グッズ?配置図によると、4店舗くらいあったらしい。冷水プールのモザイクもよく残ってた。

次はこの町の中心部、キャピトル、フォーラム、バシリカ礼拝堂。さすが中心部。この遺跡の中で一番大きな遺跡として残ってる。少し進むと今度はカラカラ帝の凱旋門が見えてきた。この辺りで、帽子なしでは歩けない程の日差しになってきた。この遺跡、日影皆無。夏はキケンだろう。この凱旋門もキレイに立派に残ってる。素晴らしい。この門の近くにある、ギリシア青年の家はモザイクタイルで作られた円形の池?が美しかった。カラカラ門を背にして進むこの通りは道幅がかなり広いメイン通りで、モザイクタイル画が綺麗に残ってる家が並んでた。

ってか、マジ暑い…。フリースとセーターを脱ぎ、防寒スカートも取った。このエリアで一番美しかったのはヴィーナスの家のモザイク画。他の場所は恐らく太陽の強い光で色褪せてる所もあったけど、ここは色鮮やかでタイルでの表現が細かかった。タンジェ門は遠いし、見所も周ったから遺跡を出ようと思った。滞在時間3時間。

ムーレイ・イドリスまで4km歩いて戻ろうと歩き出して間もなく、クラクションが鳴った。「30DHでムーレイ・イドリス行くよ」「別に歩いても構わないから、ほっといて」と言っても、またクラクション鳴らして来る。しつけーな。「10DHで良いよ」マジで?誰も乗ってないタクシーに?疑って10DHだしたら、OKが出た。期待も何もしてなかった展開にビビった。10DHにしてくれたお礼にあめあげたら喜んでた。

ムーレイ・イドリス→メクネス行きのタクシーにもすんなり乗れた。この旅を計画した中で、今日が一番ローカルな交通手段まみれて大変そう!と予想してたから、あっさり終了してある意味拍子抜け。フェズに戻る電車だけは30分遅れてたけど。

16:30フェズ着。目をつけといた海鮮レストランにまっしぐら。人気のお店らしく、地元の人でけっこう席が埋まってた。迷わずに海鮮フライとミントティー注文。付け合せは4種類出てきた。豆を一気に食べて、あとはフライと一緒に食べようと思った。昨日も揚げ物だったが、知ったことか!イカはソフトでおいしい。魚は白身とヒラメ系?の2種、そしてエビ。

イカをソースに付けてみると、なんて合うんだろう。あっさり食べられる。白身魚はトマトと野菜の付け合せで食べる。オリーブの酸味がさっぱりする。エビは頭から。エビみそウマイ!どんどん食べられるおいしさ。夢中で食べたね…。ミントティーは砂糖入り過ぎてたから、フライに付いてきたレモンを絞ったがこれもウマイ。満足した。会計70DH。しかしチップの要求があったから+10DH。レストランでチップ支払って来なかったけど、本当は必要な国なのかな…。でも、部屋に置いといた枕銭は残ったまんまだし。モロッコのチップ事情ナゾ…。

※フェズはTV付きの部屋で、英語ニュースを観ていたら「武漢で新型ウイルス」のニュースが流れていました。その時は、このウイルスで旅ができなくなるなんて、1mmも想像できませんでした。


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