伝聞記録:令和6年能登半島地震 富山県西部の実家家族の動き
発災当時、私自身は初詣のため出かけており、鎌倉方面から都内の自宅に戻るところ。関東も揺れたようだが、電車(横須賀線)に乗っていてわかりらず。少なくとも横須賀線は揺れを検知して止まるなどはなかった。
発災の報を知ったのは保土ヶ谷駅の辺りを走行中だったかと思う。
横浜駅に着いたので実家に電話をする。母が電話に出る。実家は富山県西部。今は両親が2人で暮らしている。結果的に被害もなく、両親ともに無事だったのだが、電話をした時には一番大きかった石川県志賀町で震度7を観測したあとの大きな余震がまだ断続的に来ており、電話中も揺れがきているらしい場面があった。電話の通話の声の後ろでスマホの緊急地震速報のアラームが鳴っているのが聞こえていた。
反射的に「これはヤバいかもしれない」と思った。隣の石川県はここ数年、能登の辺りで断続的に大きめの地震が何度かあったが、その地震でも富山は大きな揺れはなかったし、取り立てて大きな地震がこれまでなく、地震慣れしていない土地である。私がまだ小学生くらいの頃、震度3くらいの地震でビビッていたのが印象に残っているが、富山でのビビるような地震体験は本当にそのくらいだったのだ。
直後、富山にも津波警報が発令されたことを知る。実家は海から1.5キロくらいのところに位置していて、特に高いところにあるわけでもない。いよいよ恐怖が募る。実家から連絡があり「これから避難する。何かあったら連絡する」とのこと。
こちらはまだ外にいたので、とりあえずネット経由で見られるニュースライブ配信を適当に探すと、日テレがYouTubeにニュースをライブ配信していたのでそれで情報を確認しつつ、場合によっては実家方面に転戦することも考えて、東京駅に向かうことにした。結局これは意味がなかった。この時点で実家方面に向かう鉄道はすべて運転を見合わせていたから。そして、自動車のルートも高速道路は通行止めだという情報が入ってきて、下手に動かないほうが良いと判断、自宅に戻った。
あとから分かった情報をいろいろ照合すると、最も被害の深刻だった石川県珠洲市などは、このバタバタしている頃にはもう津波が到達していたという話もある。気象庁の出していた予測値では、富山には3メートルの津波が来るかもしれないとのことだったが、最終的に80センチで済んだので助かったというのが実際のところのようだ。(富山県内でも被害が大きかったのは石川県七尾市に隣接する氷見市とその氷見に近い高岡市伏木地区。これらはすべて地震による揺れに起因する被害)。
実家の辺りもそうなのだが、典型的な日本海側の田舎の地方都市である。公共交通はほぼほぼあてにならないので、ほぼみんな車移動である。当然避難にも車が使われた。うちは動き出しが早かったのと、そこまで遠くの場所ではないところに決め打ちして行ったので「いつもよりちょっと時間がかかったかな」くらいで避難場所にたどり着けたようだが、それでも緩やかに渋滞していたそうなので、避難場所を決めず(わからず)に、または遠くに定めていたりすると渋滞にハマったまま逃げ遅れるということもあったのかもしれない。
実家の家族が決め打ちで行った避難場所は、高台にある企業の駐車場で、父の仕事先である。(うちの両親は年齢的には一般企業の定年を超えているのだが、何かやってないとボケが進むだけと、2人とも今でも働いている)。
普段から非常持ち出しセットを用意はしていたようで、それを積み込み、また、車の燃料はほぼ満タンだったので、長期戦になってもある程度は車中泊が決め込める状態ではあった。
寒い時期の車中泊は私もやったことはある。結婚してた時期に毎年、九十九里の辺りに初日の出を見に行くのに、夜中から車で行き0℃近くの浜辺で車中泊待機することをずっとやっていたから。ひざ掛け的な毛布と、トイレの問題が解消される備えないし、すぐそこにトイレがある場所だと安心。また、車中泊をするなら絶対にEVではなくエンジン車だと思っている。そして、今回の親の話を聞いても、やっぱり日本の場合はEVじゃなくてエンジン車だと思った。満タンなら一晩以上、エンジン回しっぱなしでも絶対にもつから。一回、レンタカーの絡みで初期型リーフをあてがわれたことがあり、一晩は何とかしのげたが、帰りが電欠寸前ギリギリで肝を冷やしたことがある。要はEVだと一晩もたない。日産のEパワーみたいな発電エンジン積んでる車だとわからないけど。
結局、津波警報が注意報になったころに自宅に戻り、それ以降は幸い、何も起こっていないので家族は無事にいられている。
普段から持ち出しセットを用意していたから早く動き出せたし、行き先を決め打ちしていたから早くたどり着けた。そして、車の燃料も満タンだったことも躊躇なく動き出せた余裕につながったんだと思う。
1/4 17:30追記
言い忘れていた。この時期、いつもであれば富山、石川、福井は雪が降っており、かなり積雪がある時期である。それが年末年始は東京の冬のように晴れており、ほぼ通行の邪魔になる積雪がなくスムーズに動けたことは幸いだったかと思われる。
現状、石川県で犠牲者の数が増えていっているが、これで例年のように積雪があったとしたら、より犠牲者の数は多かったのではないかと思われる。
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