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前世が悪者すぎて霊能者に吐かれた話

ひと昔前の話。過去生療法の本にハマっていた私は、前世が視える霊能者が開催する『前世を癒すヒーリング ワークショップ』の告知をインターネットで見つけた。
参加費も3500円と安いし、会場は隣町!即、参加申し込みをした。

40代くらいの霊能者の女性が主催者で、開催時間は2時間。
前半「参加者の過去生のリーディング(霊視)」
後半「過去生を癒す瞑想とイメージワーク」という二部構成になっていた。

ワークショップ当日。広めのレンタルスペースの入り口で受付し、参加費を払い、大きな円状に配置された椅子に着席した。
参加者は10名ほど。軽い自己紹介からスタートし、次に運営側から本日のプログラムとヒーリングワークの簡単な説明を受けた。
前置きは短く、早速本題の前世のリーディングタイムになった。
霊能者が10人の参加者の前世を1人1人霊視していった。皆さん、人間らしい普通の生活を送られた無難な前世が多く、会場はにこやかな空間に包まれて、平和に時は進んでいった。

最後は私の番だ。
霊能者が意識を集中した1、2分後。
突如頭を抑えこんで、表情が険しくなった。顔色も、みるみる青くなっていく。次の瞬間、トイレに向かって猛烈な勢いで走り出した!その様子を見ていた助手の女性が、慌てて彼女の後を追いかけた。
どうやら、嘔吐してしまったらしい。
数分後、助手の女性に介抱されながら、霊能者が戻ってきた。
そしてフラフラしながら、私に向かって「あ、あなたは、今のあなたは悪くないんだけど、あなたの前世が凄まじすぎて・・・」と、憔悴しきった表情で、言葉を絞り出した。そしてまた「うっ!」と唸って、トイレに走っていった。
私は9人の参加者に注目されたが、当時は「はあ?」という感じで、呆然とするばかりだった。その場から立ち去りたいという考えは出てこなかった。というか、ただただ、何が起きたのか全く分からなかったのだ。

私は生まれた時から呪われているらしく、占星術の出生図のホロスコープを見た占い師からは、十中八九「波瀾万丈ね!」「大変だろうけど頑張って生き抜いてください」と言われてきた。
その通り、5歳で緘黙(声が出なくなる病)を発症し、15歳の時、不良だらけの中学校の全校集会で、声が出なくて地味な存在の私は1000人の生徒の前で校長らに罵倒された。それがきっかけで、PTSDと解離性障害、複合神経症になった(20年後に治ったけど)。
まあ、これ以外にも事件や問題は山積みで、実際Yahooのトップ記事で紹介されたほどの波乱ぶりであった。※犯罪などネガティブな話題ではない。

なので前世はロクでもなさそうだとは、薄々と感じていたが、まさか霊視した霊能者を吐かせてしまうほどとは思いもしなかった。

吐くほどの前世って、一体・・・。

霊視した霊能者によると
「数えきれないほど沢山の人に、残虐なことをした前世が視えた」と言う。
通常、前世は一つではなく、たくさんある。
殺し殺され、愛し憎むなど、役割を変えて転生は繰り返される。そんな膨大な前世のうちの一つが、相当な悪者だったらしいのだ。

その後も霊能者は、頑張って後半のヒーリングのイメージワークを続行した。
瞑想とイメージによる癒しのテクニックで、霊能者は参加者一人一人のオーラを見ながらフォローしていたのだが、やはり私の時だけ、霊視モードになると倒れ込みそうになる。助手も、霊能者の傍でソワソワして気が気ではない。
私は「なんか、よくわかんないけど、ごめんなさい」という気分だが、3500円払ったし、あと1時間で終わるので途中退席はしなかった。ひたすら「なんか、よくわかんないけど、ごめんなさい」な心境しかない。
とりあえず「吐くほど酷いことを前世でしたらしい」ことはわかった。過去生は瞑想とイメージワークで癒されたかわからないけど、今世、確実に「なんか、よくわからないけど、ごめんなさい」な傷は負った。傷を負ったというものの、詰まるところ「よくわからない」しか残らないのだが。なにもかもが、よくわからないのだ。

ワークショップの最後の方では、霊能者は私の方を見ないようにしていた。もはや、一瞥しただけでも無理そうなのだ。

なんとか2時間のワークショップは終了した。霊能者にとっては、想定外のハードさだったに違いない。

こういう場合「私の前世がおかしくてすみませんっ!」って謝ったほうがいいのか?真剣に考えたが、霊能者に一言謝ろうにも、セミナー終了後も彼女は倒れそうなほどフラフラしていたため、近づけなかった。遠くから「本日は、ありがとーございましたーーー」と言って、会場を後にした。


しかし「数えきれないほど沢山の人に、残虐なことをした」とは、どういう立場の人間か。おそらく"悪名高き暴君"というやつなんだろうな。
歴史に疎い私は、暴君と言われる人々が、どういうことをしたのか知りたくなった。
手始めに「暴君」というキーワードでインターネットで検索してみたら、
"暴君ハバネロ"という言葉が出てきた。
聞いたことある!!!
いかにも、悪そうな名前だ!
リンクを開くと「悪魔のような怖い顔をした唐辛子」のイラストが出てきた。
「おまえかーい!」
ひとりツッコミをした後、唐辛子は前世ではないので、今度は「歴史上」というキーワードを追加して、再度検索をしてみた。

すると想像以上に沢山、悪名高き暴君の名前が出てきた。日本、中国、韓国、ヨーロッパ周辺と、世界各地にいた!
そして当たり前だが、皆、とんでもない酷いことをしていた。

映画『君の名は。』の名曲、RADWIMPS の『前前前世』の歌詞(作詞 : 野田洋次郎/作曲 : 野田洋次郎)
「君の前前前世から僕は 君を探しはじめたよ」という素敵な歌詞は、霊能者が吐くほど悪い前世を持つ私にとっては「暗殺者に狙われている」ニュアンスになるってわけだ。
なんとも残念。

きっとあの短時間の癒しのワークでは「全然前世なんて、癒されなかったよ」と思うので、その日からは余裕がある時はコンビニのレジ横の募金に1円とか10円とかを入れるようにした。
その甲斐あってか、金運、仕事運が徐々に良くなり、今では100〜3000円くらい募金できるようになった。そして、国際人権団体の会員になって、本格的な慈善活動も出来るようになった。地道に善徳が積まれたおかげか、贅沢が出来るようになり、たまにお取り寄せの美味いものを食べて、豊かな日々を過ごすことができるようになった。若い時は、貧乏で、もやしと豆腐ばかり食べていたが、そんな地獄から脱せたのだ。

たとえ前世、悪い奴すぎて今世で罪を償えなくても、余裕のある時は美味しいものを食べることにした。そのようにして、日本に生まれた醍醐味『グルメを とことん堪能』すると心に決めた!
『美味いものを食べる』ことは、自ら選択し、積極的に得ることのできる最高のポジティブな経験だ。

日本には、高級じゃなくても美味しいものが沢山ある!二郎系ラーメンだって至福なのだ。


前述のワークショップから10年後のある日のこと。
人気の占い館で総合運を占ってもらう機会があった。
宇宙人と交信している霊感占い師で、私の魂の情報を読み取ってメッセージをくれた。
「おめでとうございます。10万回目の転生、今生にて人間としての学びは最後になります。苦しいこと、大変なことはまだまだ続きますが、どうか頑張って生き延びてください」
"おめでとうございます"で一瞬嬉しかったが、"苦しいことがまだまだ続く"や、極めつけの"生き延びてください"が重すぎて、一気に地獄に突き落とされた。

とにかくもう、人間としては転生したくない。だから、せめて美味いものを食べて、地球や人間に未練を残さず、満足して成仏できるようにしようと心に決めた。

その後どうなったのかといえば、2020年から2年半、世界的にもなかなか例を見ないレアな怪現象に見舞われることとなる。
宇宙人の未来予知は、見事に当たったのだ!


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※先日、専門家に相談したところ、下記のような怪現象のケースは精神医学的にもスピリチュアル的にも珍しいことがわかった。
(続編あり。呪いの正体が徐々に明らかに。現在進行形で解明中・・・!)


不運な人を助けるための活動をしています。フィールドワークで現地を訪ね、取材して記事にします。クオリティの高い記事を提供出来るように心がけています。