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愛子さまへのプレゼントは「東京の休日」

令和3年12月1日、愛子内親王殿下が20歳の誕生日をおむかえになられました。心からお祝いを申し上げます。天皇・皇后両陛下ののお喜びもひとしおであらせられるものと存じております……、などととかしこまってはみましたが、どうもなれない敬語でぎこちなくてすみません。本来ならお名前でお呼びするべきではありませんが、親しみをこめて「愛子さま」と呼ばせていただきます。

もしも、お祝いになにかお祝いをお贈りさせていただくなら、なにがよろしいのか、あれこれと考えました。大きな花束よりも、1輪のひな菊が愛子さまにはふさわしいのかもしれません。

花言葉は「平和」「希望」。

もちろん、お祝いのことばをお伝えをすること──「言祝(ことほ)ぐ」ことでじゅうぶんですとおっしゃられるかもしれせん。それでも、なにか国民みんなだお祝いをするのならなにがいいのか、今日一日、ずっと考えていました。

「東京の休日」はいかがでしょう。

オードリー・ヘップバーン主演の映画「ローマの休日」、あれですね。天気が良い1日をお贈りしたいと思います。

愛子さまには皇室の方とわからないような化粧や服装をお願い申し上げます。スニーカーにジーンズや、ユニクロなどプチプラブランドで、東京の街にとけこんでいただきたい。晴れていても東京の冬は底冷えするので、あったかインナーにコートとか手袋も忘れないで。東京って身なりや服装の許容度が高いので、ちょっしたコスプレをなされたいのなら、それもよろしのではないでしょうか。恥ずかしがらないで、大胆に大人っぽく。マスクをするし、考えてみたら今は東京巡りに絶好の時期でしょう。

そして、一日、自由にお好きなように街をめぐっていただきたい。スカイツリーや谷中や根津などぶらぶらしませんか。皇居正門の護衛官の交代式も一度、ご覧になられるといいかと存じます。下町の路地から富士山が見えたら最高ですね。東京ディズニーランドや小さな遊園地などもお似合いですね。ただバンジージャンプなどのむちゃはさすがに御遠慮をお願いします。

ハンバーガーやラーメンなど小さくて狭い店で列にならんでお召し上がりになられるとよろしいかもしれません。ソーシャルディスタンスは残念ですが、普段のお暮しから考えると意外と人間を近く感じるはずです。人間っていいですよね。なんでもない世間話を隣り合った人としたり、泣いている赤ちゃんにベロベロバアをしたり、東京ではそんなふれあいはなくなったかもしれませんが、路線バスにお乗りになられると、なんとこれがあるのです。

仲良くなった若い人がいたら、そのまま昼間から開いている居酒屋で生ビールもゆるされるはずです。だって今日から大人なのですから。ちょっとクールな若い連中がナンパしてくるかもしれませんが、どうかうまくかわしながら、一日を楽しんで。

生まれてずっと心から自由にはふるまえなっかったのではではありませんか。ほんとうは申し訳ないのです。セレブなら自ら選んだ不自由かもしれませんが、ロイヤルは生まついての不自由。親ガチャなどというのはあまりに失礼でしょうが、わたしたち国民の象徴の御家族だったばかりに物心ついたころから、人々の視線にさらされてこられたはず。学生時代に御学友といくらか息ぬきはされたかもしれませんが、遠くにはいつも警備の方々が見つめておられたでのでしょう?

なんの未練もなく、悔いることもなく、名もなきひとりの旅人として、小さな思い出だけを残して通り過ぎていくのはいいものです。

あのお方は?、と気づいたとしても、わたしたちは知らぬふりをしております。時と場合によっては、見て見ぬふりが救いになり、暴かないことが正義になることもあるはずです。あまりにわたしたちは暴きすぎる、埋もれていたものを掘りかえしすぎるのかもしれません。

だから、最後にひとつ。新聞記者には気をつけて。

おひとりの愛子さまをコンビニで見かける日を楽しみにしております。


小説や物語など文学の話題にふれながら、日々の暮らしのなかで感じた、ささやかだけれどちょっとした期待とか、予感とか、心地よいと感じたことなど書いていきます。渦巻く宇宙を支えるのは小さなものたちではないかと考えています。ケシイキスイとかツユクサとか、白黒のまだらネコなどなど。