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no.012 みんなで分かち合い、助け合う社会を

RAISE YOUR VOICE 代表
元小学校教員・二児の母
宮島絵里香さん(東京都)


『どこの政党にも属さず、無所属で当選が絶対条件』


20代はメジャーデビューを目指してバンドマン、その後小学校教員に転身。

教育現場の現状を目の当たりにし、2023年5月に東京都足立区議会議員選挙に無所属新人で初出馬。
惜しくも当選ラインに僅かに票足りず落選。


政党のバックアップがあれば心強いのに、あえて無所属を貫く理由は、
社会を良くしたいという根っこの部分はみんな同じなのに、政党という立場やしがらみが政治家の熱い想いを邪魔するから。


何のための政治なのか?


『助けて』と言えずに孤立しがちで、人との繋がりが希薄な社会。
頑張っても頑張っても報われないのかと思わずにはいられない社会。

大切な子どもたちに希望ある未来を残していけるように、一人一人の声を拾い、対話で公平公正な社会を作る。

おかしいことは『おかしい』と真正面から声をあげながら、仲間の輪を広げ、共に政治・社会を変えていく小さな波紋を広げていきます。




学校改革をするために選挙立候補


小さい頃から勉強は嫌いで、算数の授業になるといつもお腹が痛くなっていました。
やりたくないことはやりたくない。
だけどやると決めたら真っ直ぐ突き進む私は、教員採用試験に合格するために小学校2年生の算数ドリルから勉強を始めました。

教員になった!これから子どもたちのために頑張るぞ!

と思いきや、いざ学校で働いてみると忙しさで子どもたちのために授業を作るどころではありませんでした。

保護者や学校からの様々なプレッシャーに加えて、日々の事務や雑務、会議などに追われていて、教員は本当に忙しくて余裕がないのです。

『教員とはそういうものだ』という認識の中、それでも学校を中から変えようとしたけど、がんじがらめで変えられない。

中から変えられないなら外からだ!と、
『大人に心の余裕とつながりを、子どもたちがワクワクする未来を!』を掲げて、足立区議会議員選挙に立候補を決意しました。


けど『地盤・看板・鞄』が手堅い選挙活動の中で、『無所属新人で初出馬』は何もない私にとっては心が折れそうになることだらけでした。

朝の駅頭での挨拶活動は、最初は一人でスタート。
のぼりを掲げてたすきを肩にかけて、吸い込まれるように駅に入っていく人たちに向けて挨拶をするわけですが、これが本当にたまらなく苦痛で、毎朝行くのが本当に嫌で嫌で仕方ありませんでした。
同じ無所属新人の立候補者の中には、このハードルを越えられずに立ち去る人もいました。

場所取りで現職と喧嘩したり、知り合いに声をかけても無視されることもあったり、貼らせてもらったポスターは剥がされたり。
出馬するならこの地域から出て行ってから立候補してくれと、地域の方に言われたり。

そんな理不尽なことさえもありました。




仲間と共に新しいスタンダードをつくる


実際に立候補してみると、現実はわからないことおかしいことがたくさんでした。

例えば、どうすれば立候補できるのか?どんな活動をすればいいのか?
情報が全然無いんです。
政治は私たちの生活と繋がっているのに、政治や選挙に無関心だったりと身近に感じられないわけです。


その第一歩として、この4月に【RAISE YOUR VOICE】という団体を創設し、選挙情報サイトを立ち上げます。

同じ志や情熱を持った新たな挑戦者、それに共感してくれる仲間を増やし、さらにはそういった挑戦者たちを孤立させない。
そして、情報発信をしてもっと多くの人に政治への関心を持ってもらうためです。

誰かが挑戦しようとすると、必ずその周りの人たちもその挑戦に巻き込まれていきます。
そうすると、これまでは政治に特に興味関心がなかったとしても、自然と自分ごとになっていくはずです。

実際に私は一緒に選挙活動をしてくれた家族や仲間のおかげで、立候補してここまでやれたと感じているんです。
落選してしまったけど、めちゃくちゃな私が正直ここまでやれるなんて思っていなかったし、仲間たちと熱いムーブメントを起こすことができたからこそ、奇跡が起きている!と選挙戦終盤は本気で思いました。


限られた人たちだけのものではなく、政治をもっと広く開かれたものにするためにはどんどん挑戦者を増やしていくべきだし、もっとたくさんの有権者たちに自分ごととして捉えてほしいのです。

「続くもの、これまでのやり方を守る」「権力にあぐらをかく」「職業政治家」といったものではなく、もっと根本的に。
公平公正な社会を目指して、より多くの人を意見に耳を傾けながら施策を練り上げ、社会システムを変える新しいスタンダードを作り上げたいのです。


社会を変えるとなると「真ん中の国政」と思いがちだけど、市区町村からが重要だと思います。
兵庫県明石市が良い例で、小さくとも根気強く改革を打ち出していけば、最初は微々たるものでも小さな波紋はきっと大きな波紋となって、全体に浸透していくはずです。




みんなの声を届けるために


『当選したかったけど、今では落選して良かったと思ってる。』

と絵里香さんが言うのは、落選したからこそ見えてきたものがあるから。

政治に関わるようになった最初のきっかけは子育てや学校改革だったが、議会傍聴や政治家の方々と関わっているうちに、単純に学校改革をすれば良いというわけではなく、いろいろな問題が複雑に絡み合っていることに気が付いたのです。

政党の相性で歪み合うことはあっても、みんなそれぞれの思いで社会を良くしようと頑張っているんだなと感じるのに、議会になると政党の立場でのポジショントークになっていることが多いのです。

民主主義のもとで改革をしたいのなら、まずは対話をしながら政党の壁を越えていく必要があると感じているそう。


良くも悪くも思ったことははっきり言う性格と負けん気の強さで、人とぶつかることもしばしば。
けれど自分の悪いところは素直に認めて、「ごめんなさい」を言う。
そんな裏表のない無邪気さと、みんなが心地良くいられるように場の空気を読んだり気を遣ったりと、人を大切にする優しい人柄です。

自分のできることとできないことを認め、『助けてください』と素直に声をあげる。
みんな一人一人の違いを知り、それぞれが足りないところを補い合い、みんなで分かち合い助け合う平和な世界。
それが、絵里香さんが目指す理想の世界なのだと思います。

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